今日から一人暮らしが始まる。 段ボールには生活に必要なものだけを詰め、いらないものは全てゴミにだす。あんなに嬉しかったぬいぐるみも、思い出の詰まった洋服も思い出は全てここに置いていくの。 全ての荷物をトラックに詰め、最後の挨拶を君にする。 「せいぜいあの子とお幸せに。」 #140字小説
2021-03-20 22:01:37#深夜の真剣140字60分一本勝負 (@140onewrite) ①段ボール ②お幸せに ③わすれてほしい pic.twitter.com/ggLLX6z6uD
2021-03-20 22:05:15「君には随分お世話になったな。」 いやいや、こちらこそ。色々な所へ連れて行って貰ったし、いつもそばに置いてくれた君には感謝しているよ。 「こんな日が来るなんてね。」 全くだよ。 「これでおしまいか。」 ダンボールの蓋は、そっと閉じられた。長年連れ添った主人の最後の顔が、忘れられない。
2021-03-20 22:05:48純太は自分のアルバムを段ボール箱の中に入れると、あることを思い起こしながらこうつぶやいた。 「これだけは絶対にわすれてほしいなあ。だって、このアルバムには……」 そのアルバムを見せたくない理由、それは純太が保育園児だった時におねしょをして大泣きしている写真が載っているからである。
2021-03-20 22:07:48#深夜の真剣140字60分一本勝負 (@140onewrite) 『タイムリミット』 ①段ボール ②お幸せに ③わすれてほしい pic.twitter.com/Zv8XhNJgs6
2021-03-20 22:10:37#深夜の真剣140字60分一本勝負 (@140onewrite ) お題 ①お幸せに ②段ボール ③わすれてほしい #140字小説 #140字SS pic.twitter.com/ZF5MhNj0K3
2021-03-20 22:11:40#深夜の真剣140字60分一本勝負(@140onewrite ) #140字小説 pic.twitter.com/37CaEaE7Ta
2021-03-20 22:12:59#深夜の真剣140字60分一本勝負(@140onewrite ) #140字小説 一部実体験。 pic.twitter.com/rKurxWzFqp
2021-03-20 22:13:57#深夜の真剣140字60分一本勝負(@140onewrite ) #140字小説 pic.twitter.com/cLOCZTd4wr
2021-03-20 22:14:19段ボールお化けを拾った。鋏をぐっさりしただけの場所の合わない二つの目。よくもまあ誰にも止められず、轢かれずここまで来たもんだ。 思い切り突き飛ばした日。もう頭ぐらいしか段ボールに入ってない。いつか自分こそがお化けと名乗り、今は自分も化け物と名乗った。どうかこの場所は忘れてお幸せに
2021-03-20 22:15:08「わすれてほしいの」そう苦笑いで言う君に「そ。お幸せに」なんてすまし顔で返した僕。一切合切をさっと纏めて段ボールへ詰め蓋をする――はずだった。テープで閉じきる直前で手が止まる。苦しい笑いは彼女が心を隠す仮面。知ってたじゃないか。封じかけた箱から思い出と未来を全部拾って僕は走り出す。
2021-03-20 22:15:53「きっとあなたを受け入れてくれる人がいるから……。次の人とは幸せになって」そう私を捨てた貴女。「次なんて要らない」私は段ボールから飛び出して湖に飛び込んだ。ただ、貴女。貴女にいて欲しいだけだったの。薄れゆく意識。どうか醜い私はわすれてほしい。次会ったら、また笑いかけてくれますか。
2021-03-20 22:17:27開催ありがとうございます。 #深夜の真剣140字60分一本勝負 @140onewrite お題 「段ボール」 pic.twitter.com/B0MSzfZe0R
2021-03-20 22:21:00「最近、お元気ですか」 「まあぼちぼち。寂しいけど元気だよ」 「暑くなってきましたが、お変わりありませんか」 「そっちこそ…」 以降、延々と続くのは受け取った手紙と出せなかった手紙の無意味な会話。 ダンボールにみっちり詰まったこれも、彼女が隣にいる今となってはいい思い出かもしれない。
2021-03-20 22:30:11#深夜の真剣140字60分一本勝負 @140onewrite お題 ①お幸せに ②段ボール ③わすれてほしい #木槿国の物語 深まるパティシエ船員の謎(笑) pic.twitter.com/vvIPMWWRcp
2021-03-20 22:37:53ありったけの処置をして段ボールに詰め込んだ。 「わすれてほしいな」 私のことを。 貴女はどうか幸せに。 段ボールは山奥に埋めた。 貴女を縛ろうとしていたアイツだったもの。 もう時期貴女は夢をかなえに行くから。 その夢の邪魔はさせない。 「またね」 彼女が言う。 「お幸せに」 私は答えた。
2021-03-20 22:50:09