京都大学学術出版会、2006年
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永太郎(ながたろう)/重永瞬 @Naga_Kyoto

今里悟之『農山漁村の〈空間分類〉:景観の秩序を読む』京都大学学術出版会、2006年 景観をテクストと捉え、村落空間の構造を記号論的に読み解く。理論編の比重が大きく、村落に限らず人文地理学の景観論の流れを学ぶのにも有用。これは買っておいて正解だった。 pic.twitter.com/V6jJMb8gd3

2021-04-30 05:12:57
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永太郎(ながたろう)/重永瞬 @Naga_Kyoto

実証編も、寄せ集めではなく丁寧に各章の位置付けがなされている。地域や村落形態のバランスをとることに加え、「複数性」や「階層性」など、それぞれの章のテーマとなる空間分類の特質が明確に打ち出されているのも見事。 pic.twitter.com/27QMWtdfAk

2021-04-30 05:21:28
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永太郎(ながたろう)/重永瞬 @Naga_Kyoto

第1章は村落空間論の系譜について。形態論(1910s~)→構造論・資源論(50s~)→認知論(70s~)→意味論(80s)→表象論(2000s)という整理が分かりやすい。後の章の構成も、認知(4・5章)、意味(6章)、表象(7章)と系譜に沿っている。八木康幸の境界論読んどかないとなー。

2021-04-30 05:35:13
永太郎(ながたろう)/重永瞬 @Naga_Kyoto

2章はこの論文が元。「物的景観」と「景観表象」を対比させる見方は、「景観表象」の物質性を見過ごしてしまうという指摘。そりゃそうだ。学史は論争あってこそですね...(しみじみ)。 twitter.com/Naga_Kyoto/sta…

2021-04-30 05:42:15
永太郎(ながたろう)@『色分け日本地図』発売中! @Naga_Kyoto

今里 悟之「景観テクスト論をめぐる英語圏の論争と今後の課題」 jstage.jst.go.jp/article/grj200… Duncanの景観テクスト論とそれに対するマルクス主義的唯物論からの批判について。 景観と景観表象を区別するか否かの議論が面白い。 pic.twitter.com/8WGocPPhqA

2018-08-31 20:43:42
永太郎(ながたろう)/重永瞬 @Naga_Kyoto

第3章は新稿。バリバリの現代思想。村落空間を見る上では、よく参照されるレヴィ・ストロースよりもソシュールやイェルムスレウの記号論が有効であるらしい。そうなのか。統辞論、直示的な意味論、暗示的な意味論、語用論を景観に当てはめる見方は今一つ飲み込めなかった。

2021-04-30 05:49:39
永太郎(ながたろう)/重永瞬 @Naga_Kyoto

4章以降は実証編。離島における「本村」(神道・仏教)と「新村」(キリスト教)の関係を追った7章は構図の分かりやすさもあって面白い。漁村における空間認識の性差を分析した5章も、民俗方位の話が勉強になる。8章は中国農村の前提知識が必要そう。

2021-04-30 06:00:45
永太郎(ながたろう)/重永瞬 @Naga_Kyoto

元になった論文は読んだことのあるものも多いけれど、全体を構造化して提示されるとなんとも納得感が。あとやたらと図が出てくる。概念の対置のさせ方とか議論の組み立て方とか、筆者の思考の癖にとても親近感がある。7章の議論とか特に。

2021-04-30 06:08:34
永太郎(ながたろう)/重永瞬 @Naga_Kyoto

そういえばこんだけ空間認識の話してるのに、トゥアン一瞬しか出てこなかったな。個々人の場所への愛着もあまり語られていなかったような印象。J.S.ダンカンの邦訳出ないかな...

2021-04-30 06:13:00