part149 飛鳥が初めて僕の名前を呼んだ。 傍から見たら大したことない事かもしれない。 けど、僕にとっては、相手が飛鳥ならば、それはただのちっぽけな事では片付けられないこと。
2019-02-09 09:36:30part151 僕は精一杯の気持ちと声を振り絞って、 この気持ちを、この飛鳥への想いを今、伝えようとした。
2019-02-09 09:37:03part152 飛鳥:あっ…ごめん、もう切らないと 僕:えっ! 飛鳥:次会った時に聞くよ、絶対。 約束! 僕:や、約束? 飛鳥:じゃあね 【ピッ】
2019-02-09 09:37:29part153 なんだよ…それ…。 僕の気持ちを聞く前に切るなよ…。 人が大事な想いを伝えようとしてたのに
2019-02-09 09:39:00part155 思わず口から零れた言葉。 もう、こうなったら9月、夏休み明けたら飛鳥に直接伝えよう。そう心に決めた。
2019-02-09 09:39:51part157 それは僕だけ例外があるわけでもなく、誰しもに平等に与えられている。わかっていた、わかっていたはずなんだ。 それでも受け止めきれない僕がいた。
2019-02-09 09:43:35part158 ーーーー 夏休み明け。 先生:え〜、齋藤が転校になった。 まぁ家庭の事情だから仕方ないな。
2019-02-09 09:48:08part161 それから僕の日々は、変わってしまった。何も楽しくなくなった。 なにをすればいいのか、なにが楽しいのか。 僕にはわからなかった。
2019-02-09 09:49:03part162 どうやら、飛鳥は連絡先さえも すべて変えてしまったようだ。 電話をかけても一切繋がらない。
2019-02-09 09:49:34part163 それは正に、僕の孤独さを無慈悲にも強制的に伝えようとしているかのように、 携帯から聞こえてくるのは無機質な機械音だけだけだった───。
2019-02-09 09:50:16part164 ーーーー 僕だって、急に飛鳥がいなくなるなんて思ってなかった。それどころか、またいつも通り会えると思ってた。
2019-02-09 09:51:19part166 飛鳥がいなくなってから、しばらく経っても、僕の頭にはあの声、あの笑顔、あの温もり。全てが残っていた。
2019-02-09 09:51:56part167 飛鳥が消えてどんなに色褪せた日でも、 あの夕陽が、あの日を思い出させてくる。 そして、夕陽が沈んだら輝き出す星たち。どうしても…それを見る度に飛鳥が重なってしまって忘れられない。
2019-02-09 09:52:39part170 だって飛鳥を知らなければ、きっと楽しくはなくともそれなりに普通に生きてこれたんだ。 飛鳥と出会い、深く知り、日常が変わった僕は、飛鳥がいる幸せを知ってしまったから。
2019-02-09 09:53:42part172 ーーーー 二年後。 大学へと進んだ僕は、この夏休みに再びあの日と同じ場所で、ペルセウス座流星群を見に来ていた。
2019-02-09 10:00:30part173 二年経った今も、夕日が沈めば、夜がくる。そして、星が輝く。 それはあの日から永遠と変わらない。 いつも通りの日常なんだ。
2019-02-09 10:02:28part175 この日本のどこかで、僕と同じ空を、同じ星を同じように見上げてるのかな。 僕も、飛鳥がいなくなった直後は落ち込んでたけど、2年も経って多少は強くなった。
2019-02-09 10:03:17part176 こういう流星群とかがある時、その中でも特に夏。ペルセウス座流星群の時期になると、飛鳥のことを鮮明に思い出す。 夏なのに、心は凍えそうなほど苦しい時だって何回もあった。 それは寂しさや悲しさからなのか。
2019-02-09 10:05:12part177 今だってそう。 なんかすこし寒い気がする。 飛鳥に…会いたいって思うといつも同じように感じる。
2019-02-09 10:05:50part178 結局あれから飛鳥とは全く連絡も取らず、もはや生きているかすらわからないくらいだ。 けど、飛鳥のことだからどこかでマイペースに暮らしてるんだろうな。
2019-02-09 10:07:04part180 僕は敢えて口に出した。 そっちの方が気が楽になる気がしたから。けどそれは思わぬ方向へと働いていたらしい。
2019-02-09 10:08:11part182 へ…?僕はこの声を聞いたことがある、 それだけじゃない、その笑い方も。 その小馬鹿にした話し方も…。
2019-02-09 10:09:18part183 違う、聞いたことがあるとかそういうレベルの話ではない。 僕がずっと待っていた人だ。 僕の──
2019-02-09 10:09:42part185 飛鳥:おい、無視すんな。 飛鳥ちゃんだぞ。 僕:飛鳥…?なの? 飛鳥:ねぇ聞いてた?飛鳥ちゃんって言ったよね?もう忘れちゃったの? pic.twitter.com/8ZjtHDUEAX
2019-02-09 10:11:17part186 間違いない、飛鳥だ…! 【ギュッ】 僕:飛鳥…! 飛鳥:ちょっ…急に…! 僕:ずっと会いたかった 飛鳥:…私もだよ。〇〇くん。 pic.twitter.com/NzcpbRlCcI
2019-02-09 10:12:05part187 飛鳥:飛鳥ちゃんのこと、忘れてなかったんだな。偉いぞ。😊 僕:忘れないよ…。忘れたくないよ。 飛鳥:よかった…覚えててくれてて…グスン pic.twitter.com/aciSxs3hHD
2019-02-09 10:12:47part188 飛鳥のこと…もう絶対に忘れないよ。 君の温もりもその声も。その笑顔も。 全部僕の大事な思い出だから。
2019-02-09 10:13:35part189 飛鳥:そうだ、約束。ちゃんとしてよ? 僕:あぁ…そうだね。 僕は深呼吸をひとつ。 心を落ち着かせた。
2019-02-09 10:14:10part190 僕:飛鳥。僕は、飛鳥が好きだ。 僕と付き合ってください! 飛鳥:もう…遅いぞ! どれだけ待たせんだよ! pic.twitter.com/cz69BgGHnE
2019-02-09 10:14:44part191 僕:遅いって…飛鳥が次会ったらって言ったんじゃん!😓 飛鳥:あー女の子のせいにするんだー さいてーひどーい 僕:ひどいのはどっちさ😅
2019-02-09 10:15:38part192 飛鳥:あ……。ほら、みて?流れ星。 空を見上げると、沢山の星がまるで雨のように空をかけ抜けていた。 あの日と…同じように。 pic.twitter.com/9wzgEaNxk9
2019-02-09 10:18:07part193 僕:そういえば、飛鳥はあの日なんてお願いしたの? 飛鳥:知りたいの? 僕:もちろん。 飛鳥:君と、また再会できますようにって。
2019-02-09 10:18:40part195 僕:飛鳥… 飛鳥:っていうか私ね、君が好きなの知ってたよ。 僕:え…、ええええー!! 飛鳥:だって君わかりやすすぎだよハッハッハ😂 pic.twitter.com/yr6cpyhr7t
2019-02-09 10:20:09part196 僕:そんなわかってたなら… 飛鳥:ううん、告白を聞いたら、私が君から離れるのが辛くなっちゃうでしょ? pic.twitter.com/LKqAzCLtW7
2019-02-09 10:20:55part197 僕:……。 飛鳥:っていうか、もう飛鳥ってすごい言うよねwww 僕:だって飛鳥って言えって言うし…。 っていうか、飛鳥こそ僕のことずっと君って言うじゃん! pic.twitter.com/1YyTe2Elgb
2019-02-09 10:22:11part198 飛鳥:前にも言ったよ?君は君だから 僕:さっき呼んでたじゃん! 飛鳥:君は君だよ 僕:久しぶりなんだしいいじゃん。 僕、飛鳥の彼氏だよ? 飛鳥:彼氏でも君は君だもーん pic.twitter.com/Z3eANo80sT
2019-02-09 10:22:53