2019年9月の大分旅行で見たもののうち、佐伯市にある青木茂氏の建築について。
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タケ @take_all_a

2019年9月の大分旅行の報告、現代建築編をもう少し続ける。今回は佐伯市にある #青木茂 氏の建築。蒲江児童館 / 旧蒲江中学校特別教室棟(青木茂、1985・S60)。蒲江(かまえ)町は青木茂氏の故郷で、これは彼が故郷で初めて受注した公共建築だ(ただし蒲江中学校は母校ではない)。 pic.twitter.com/ZPMTJTWhYJ

2019-11-24 21:24:36
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タケ @take_all_a

そこで張り切ってコンクリート打ち放しのポストモダンで設計したところ、しばらく故郷から仕事が来なくなったという。『リファイン建築へ 建たない時代の建築再利用術 青木茂の全仕事』(建築資料研究社)より。 pic.twitter.com/2NrvrgDZ55

2019-11-24 21:26:17
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その後、蒲江中学校は統廃合で閉校となり、特別教室棟は児童館に転用された。外観から判断すると大幅な増改築はなされていないようだ。用途の性質上、あまり接近すると怪しまれるので、遠くから撮影するにとどめた。 pic.twitter.com/qbIdjifz9Q

2019-11-24 21:27:51
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佐伯市蒲江海の資料館「時間(とき)の船」(青木茂、2005・H17、大分県佐伯市蒲江町)。蒲江町は2005年に佐伯市と合併しており、この建築は合併前に設計・施工された。統廃合で閉校した小学校の体育館を資料館にリノベーションしたもの。 pic.twitter.com/xNwKtwNjQR

2019-11-24 22:08:43
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長寿命化と断熱性の向上を目的に、既存体育館の外側を鋼板と木で覆ってダブルスキンにしている。折板を校倉風に用いたところが上手い。 pic.twitter.com/lIcdi69CmB

2019-11-24 22:09:37
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敷地は漁港の片隅。蒲江海の資料館は漁業に特化した歴史民俗資料館だ。 青木茂建築工房 > 佐伯市蒲江海の資料館「時間の船」 aokou.jp/works/refining… pic.twitter.com/2GUm0hltBK

2019-11-24 22:12:35
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蒲江海の資料館の内部。中央に木造の小舟を置き、周囲に収蔵庫のような棚を並べている。おそらく海の博物館(内藤廣、三重県鳥羽市)を参考にしたと思われるが、小規模ながらも実に濃密な展示空間だ。 pic.twitter.com/r3C924dnuY

2019-11-24 22:22:34
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木造で階段状の座席を挿入している。学校の課外授業等で使うことを想定しているのだろう。ただ、平時はガラガラ。アクセスが難しい上、地味な施設だから仕方ないのだけどね。しかし実際に見てみるとその詳細な内容に圧倒される。 pic.twitter.com/FaoAswlixI

2019-11-24 22:23:24
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ここは見に来た甲斐があったなあ。遠いけど。みんなぜひ見に行くべきだよ。遠いけど。 pic.twitter.com/WcAelMXt5W

2019-11-24 22:30:16
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残念ながら展示物を見る余裕はほとんどなかった。1枚目は網漁具、2枚目は照明器具。細かく分類されている。 pic.twitter.com/NLdO9Mhll6

2019-11-24 22:34:26
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こんな立派な神棚を舟に載せていたことからも、安全を祈願する信仰心の強さがうかがえる。 pic.twitter.com/2PTqAl0GaL

2019-11-24 22:38:49
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鶴御崎自然公園レストハウス / 鶴見半島ビジターセンター(青木茂、1988・S63年度、大分県佐伯市)。鶴見半島の先端を目指す途中で見つけて、気になったので寄ってみたところ、把握していない青木氏の建築だった。場所はココ→ goo.gl/maps/aoGNLTapj… pic.twitter.com/gOeWau8dLO

2019-11-24 23:42:51
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タケ @take_all_a

この建築は前述した作品集や青木茂建築工房のサイトには未掲載だ。ではなぜ分かったかというと定礎から。道路からチラ見して青木さんでは?と直感した勘が当たったね。こういうケースはうれしい。佐伯市と合併する前の鶴見町に建てられた公共施設だ。 pic.twitter.com/JibjCXE35F

2019-11-24 23:44:16
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タケ @take_all_a

ただし私の訪問時は閉鎖されていた。ガラスが嵌まっていないところがあったので、長らく閉鎖中なのかと思ったが、休館中だったのが再開したものの台風でガラスが割れたため一時休館中だとツイッター経由で教えていただいた。 pic.twitter.com/nI7RnFiFAo

2019-11-24 23:48:12
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円形テラスは幕を張れる仕組みだが、面倒なのか実際に張っていた形跡は見られない。あまり使いこなせていないようだ。で結局、今現在は営業中なのかどうか、検索してもよく分からなかった。 pic.twitter.com/DlHCLLtKlM

2019-11-24 23:51:44
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蒲江児童館 / 旧蒲江中学校特別教室棟と同じく、コンクリート打ち放しのポストモダンデザイン。 pic.twitter.com/QGLz4v1XPB

2019-11-24 23:53:31
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2019年9月の大分旅行の報告、佐伯市にある青木茂氏の建築の続き。鶴見町旧海軍防備衛所跡地資料館 / 富永一朗マンガ記念館(青木茂、1987・S62)。旧海軍の遺構を資料館にリノベーション(青木氏のいうリファイニング)したもの。ただし現在は閉鎖中である。 pic.twitter.com/MBGy7LJoXd

2019-11-26 22:08:45
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タケ @take_all_a

この建築の歴史は複雑なので順を追って簡単に説明しよう。場所は九州最東端である鶴見半島の先端(鶴御崎)だ。明治時代、まずここに海軍望楼(海上の見張りや通信、気象観測などを行う施設)が建設された。 pic.twitter.com/EEoFqTb3iD

2019-11-26 22:13:49
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次に大正〜昭和初期、九州・大分と四国・愛媛の間の豊予海峡を守る豊予要塞を建設するにあたり、同海峡の南に位置する鶴見半島には丹賀砲台が置かれ、望楼は防備衛所という水中聴音機を使って敵潜水艦を探知する施設に再整備された。 pic.twitter.com/CJW1NQ7Qbg

2019-11-26 22:15:14
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終戦後、これらの軍事施設は放棄される。1981・S56、旧防備衛所の上に鶴御埼灯台が完成(注:灯台名の ‘埼’ は誤字ではない、念のため)。 pic.twitter.com/IYJh6Sh8aF

2019-11-26 22:16:44
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その後、当時の鶴見町(2005・H17に佐伯市と合併)は旧防備衛所の遺構を資料館に活用する計画を立て、青木茂氏に設計を依頼。1987・S62に竣工した。実はこの建築こそリファイニング建築の第1号である。 pic.twitter.com/1ANm08rGgd

2019-11-26 22:18:59
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ただ、当初は軍事資料館のはずがいつの間にか富永一朗マンガ記念館に変更されたようだ(富永は佐伯市で暮らした時期がある)。そして記念館が市内の別の場所に整備された後、旧防備衛所の内部は閉鎖されたままとなっている。外部は見学可能。 pic.twitter.com/bQFEDlKlOc

2019-11-26 22:24:16
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旧防備衛所の大半は埋まっており、青木氏の増築部分で目視できるのはエントランスとトップライト程度。いずれも控えめなデザインで遺構を尊重していることが分かる。なお、望楼にオーバーラップする形で増築された展望台は、作品集に図面・写真が載っていないので青木氏の設計ではないと思われる。 pic.twitter.com/WP6JKPph95

2019-11-26 22:26:52
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タケ @take_all_a

以上は初期の作品集『リファイン建築へ 建たない時代の建築再利用術 青木茂の全仕事』(建築資料研究社)と、ネット上の断片的な情報をつなぎ合わせてまとめたものである。もし間違いがあればご指摘いただきたい。 pic.twitter.com/WcDFAmEPxI

2019-11-26 22:29:21
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それと、以前に丹賀砲台の内部に増築された階段とガラスドームが青木茂氏の設計だとツイートしてしまったが、これは私の間違い。丹賀砲台の方は青木氏の仕事ではない。お詫びして撤回する。当該ツイートは削除した。 pic.twitter.com/d1cVLPjBsh

2019-11-26 22:35:35
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まとめたひと
タケ @take_all_a

福岡県を中心に、建築・団地・土木・産業遺産などについて、ツイッターにつぶやいたことをまとめています。個人サイトの方は放置中。