ウォーターフロント再開発地区「神戸ハーバーランド」(兵庫県神戸市)にある可動橋「はねっこ橋」と、明治期の形状が残る船溜まりについて。
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タケ @take_all_a

神戸市のウォーターフロント再開発地区「神戸ハーバーランド」のネタをもうひとつだけ。同地区の南側、先日触れた煉瓦倉庫の近くに「はねっこ橋」という跳ね橋(跳開式可動橋)がある。竣工は1990・H2年。 pic.twitter.com/oRldAiM4Wk

2020-02-03 23:29:35
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タケ @take_all_a

ユルいネーミングなれど正式な橋梁名だ。歩行者専用の人道橋(自転車はOKなのかな)。昔、国内に存在する可動橋を調査した際、はねっこ橋は実際に可動するのか、それとも外観を模造しただけなのか、ネットに情報が少なくて判断が付かなかった。 pic.twitter.com/KQweRSG4Ko

2020-02-03 23:32:51
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タケ @take_all_a

この度、再調査したところ本物の可動橋だと判明。ただし、竣工してから長い間、ごく数回しか橋の開閉は行われず、2007年(08年という情報も)に水陸両用車「スプラッシュ神戸」の運用が始まって以降、開閉の頻度が上がったようだ。それで昔は情報が乏しかったのか。 pic.twitter.com/fR8eapgPZU

2020-02-03 23:33:36
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タケ @take_all_a

スプラッシュ神戸は2012年に車両トラブルで運休し、一時再開するも結局廃止。その後、2019年のゴールデンウィークに期間限定で別の水陸両用車が運行した。よって、次に運行されるまで橋の開閉は行われない。 pic.twitter.com/VFpG6ZRzs9

2020-02-03 23:38:18
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タケ @take_all_a

はねっこ橋の内側の護岸はドック状(本当のドックではない)になっていて、スリップ(スロープ)が設けられている。ということは、ハーバーランドの開発当初から小型船の停泊や水陸両用車の運用を想定していたと思われる。 pic.twitter.com/IlgzHuVuYJ

2020-02-03 23:45:51
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タケ @take_all_a

今昔マップで神戸ハーバーランド周辺の明治期と現在を見比べる。左:1910・M43測図 1913・T2発行の地形図、右:地理院最新写真。この画面のURL ktgis.net/kjmapw/kjmapw.… pic.twitter.com/CjW7UD7z1Y

2020-02-03 23:47:54
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タケ @take_all_a

先日も述べたように、神戸ハーバーランドは貨物駅や倉庫街だった地区の再開発だ。ハーバーランド南側の船溜まりや、はねっこ橋内側のドック状の部分は、遅くとも明治末期には既に存在していたことが地形図で読み取れる。ここに船を停めて荷物の積み卸しをしたのだろう。 pic.twitter.com/JckQMGjwtA

2020-02-03 23:49:17
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タケ @take_all_a

ただし、ドック状の護岸はどう見ても明治期のままではない。スリップ周辺の石材は当時のものを再利用した可能性があるが、裏付けは取れていない。 pic.twitter.com/oS0hQSbiNN

2020-02-03 23:53:25
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タケ @take_all_a

船溜まりの護岸は明治期のものかもしれないが、こちらも確証はない。船溜まりや護岸を詳細に撮らなかったのはウッカリしていたな。 pic.twitter.com/I1NN1cSccS

2020-02-03 23:55:30
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タケ @take_all_a

法令上、岸壁の変更が面倒という事情はあるのかもしれないが、神戸ハーバーランドに昔の船溜まりの形状が残っていたり、煉瓦倉庫や信号所の遺構があるのは興味深い。跳ね橋の設置もこれらの産業遺産に合わせたものだろう。 pic.twitter.com/Tke9zEyXFz

2020-02-04 00:17:37
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タケ @take_all_a

神戸ハーバーランドの街開きは1992・H4年なので、設計時期は1980年代である。国内のウォーターフロント再開発では早い時期において、産業遺産を保存・活用しようという意図をハーバーランドのプランナー達が持っていたことは、高く評価されるべきだ。

2020-02-04 00:19:41
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まとめたひと
タケ @take_all_a

福岡県を中心に、建築・団地・土木・産業遺産などについて、ツイッターにつぶやいたことをまとめています。個人サイトの方は放置中。