森川すいめい「貧困と精神疾患の関連を解消し得る4つの実践的な仮説」、阿部大樹「スキゾフレノジェニック・マザーをめぐって」、木村啓介・黒木俊秀「カテゴリー対ディメンジョン」
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「貧困と精神疾患の関連を解消し得る4つの実践的な仮説」森川すいめい、『精神科治療学』34(10) ; 1159-1164, 2019 Ⅰ. 貧困状態にある者の精神疾患の有病率が高いことは知られている。要因として、貧困そのものの状態が精神的ストレスの誘引になるという仮説(social causation hypothesis)と、 pic.twitter.com/E9NjX17Lud

2021-02-21 18:23:18
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精神疾患を病んだ者がより低い社会階層へ移動するという漂流仮説(drift hypothesis)等の議論がある。 Ⅱ. 貧困に関するデータ 国際開発計画(UNDP)は、貧困を、「教育、仕事、食料、保健医療、飲料水、住居、エネルギーなど最も基本的な物・サービスを手に入れられない状態のこと」と定義している。

2021-02-21 18:23:19
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世界銀行は人が生きていく上で必要な最低限のレベルとして「1日1.9ドル未満(2015年10月現在)」を国際貧困ラインと定めている。この指標以下の生活を強いられる人々が絶対的貧困に該当する。  日本では子ども(18歳未満)の貧困は7人に1人(厚生労働省、2015年)、ひとり親世帯の相対的貧困率は54.6%

2021-02-21 18:23:19
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(厚生労働省、2016年)などの数値は、貧困ストレスが精神疾患の誘因になることを容易に想像させる。また生活保護利用者の自殺率は全国平均の約2倍(厚生労働省、2011年)、生活保護年間医療費扶助費のうち15%が精神疾患による入院費医療(厚生労働省 : 医療扶助実態調査)であるなどといった調査結果も

2021-02-21 18:23:20
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貧困と精神疾患の関連性を示唆する。 Ⅲ. 新たな貧困対策の可能性 1. 自殺希少地域の研究ー経済的な貧困と自殺の関連を減少させる可能性  岡らは、「自殺希少地域」の地勢に関して、山間部よりも海岸部の低地に属し、可住地人口密度の高い市区町村に多い、海域は太平洋と瀬戸内海に多い、

2021-02-21 18:23:20
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可住地人口密度の高い地域に多いと分析している。医療や福祉など社会資源へのアクセシビリティ不良の少ない地域であると示唆している。徳島県旧海部町のフィールド調査では、①コミュニティはゆるやかな紐帯を有する、②排他的気質が弱い、③援助希求への抵抗が小さい、④他者への評価は人物本位である

2021-02-21 18:23:20
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⑤政治的参画に意欲的である、といった5点について統計的有意差があったとしている。  以上のことは、これまでの自殺対策において、助け合い、人とのつながり、絆といったキーワードに集約される概念に対して、強い結びつきを持つ緊密さよりもゆるやかなつながりを持つコミュニティが自殺を減少

2021-02-21 18:23:20
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させる可能性があることを示唆している。さらに援助希求に関する特性として、うつ病者の精神科受診率の高さを挙げている。うつは自殺の危険因子の1つとされているから自殺希少地域ではうつ病者の割合が少ないように思われたが、実際は旧海部町住民の受診率は周辺の町の中でも最も高い。

2021-02-21 18:27:45
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2. ハウジングファーストの研究ーホームレス状態等の安定住居のない人たちへの先進的な取り組み 1) ハウジングファースト(HF)とは何か HFとは1992年、アメリカのニューヨークで始まったホームレス支援のプログラムである。このプログラムは、既存の支援方法では成し得なかった圧倒的な成果を得て、

2021-02-21 18:32:41
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現在はアメリカ中に広がり、カナダやフランス、オーストラリア、フィンランドなどいくつもの国の政策として取り入れられており、日本でも民間や行政主導で試行錯誤が小さく始まっている。  HFが起こる前のHELP(Homeless Emergency Liaison Project)は、一種の強制的な精神科病院への入院でもあった

2021-02-21 18:37:55
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ことから、その緊急入院を受けた者は全体に対して少数だった。サム・ツェンベリスはPH(Pathways to Housing)を立ち上げ、HFプログラムを試行錯誤しながら実践していった。HFは、端的に述べれば、中間施設を経ずに安定した住まいを得ることを支援するプログラムである。ホームレス状態にある者は直接

2021-02-21 18:42:24
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アパート生活を開始することができる。  従来のホームレス支援プログラムは「トリートメントアプローチ」と呼ばれていた。いわゆる段階モデルとされ、中間施設に入るなど様々な条件をクリアしていくステップアップ方式で、条件をクリアできた者のみがアパート支援を得られるというものだった。

2021-02-21 18:45:46
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この支援方式では、施設からの「ドロップアウト」の多さが指摘されていた。一方でHFは、無条件ですぐにアパート生活を得ることができた。国が補助してくれる範囲の家賃規模の住まい(といっても日本に比べれば断然広い)と、最初の数週間は家に入ってからも訪問させてほしい(希望者は長期に訪問を受ける

2021-02-21 18:50:18
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こともできる)という条件はあったが、例えば薬物依存症者が薬物を絶たなければ、また幻覚妄想を有する人が精神科の治療を受けなければならないといった条件は、アパートに入ることができることと関係しなかった。本質的に無条件にアパートを得ることができるというプログラムである。

2021-02-21 18:54:05
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2) ハウジングファーストの成果 サムらはいくつかの調査を行っている。住まいの定着率として1993~1997年の調査では、HFプログラムを受けた242人と従来プログラムを受けた1600人を比較したところHFは88%、従来型は47%であった。このプログラムの画期的な部分は2点ある。1つは、その対象者が

2021-02-21 21:13:35
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長期にホームレス状態にあった重度の精神障害者という定義に当てはまる人たち(慢性ホームレス者と定義している)であったということである。2つ目は、この仕組は調査によって信頼性を確保したフィデリティーによってHFの質を担保した上で、ニューヨーク意外のどの場所で実践したとしても、70-90%の

2021-02-21 21:13:36
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アパート生活定着率を維持したということである。この画期的なプログラムは、きわめてシンプルな考え方に基づいている。従来型の支援は、対象者を自立できない者と決めて生活訓練を行わせ、それらの基準をクリアした者がアパート生活を維持するというものであった。アパート生活は、いわばゴールであり

2021-02-21 21:13:36
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自立できることを支援者に認められた者だけが実現できるというものだった。しかしながらアパートを得るまでの間にプログラムからドロップアウトしてしまう人たちが多数いた。  HFは、この中間ステップをなくした。本人たちにニーズがあれば迅速にアパート生活を開始することができる。

2021-02-21 21:13:36
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開始となった後で本人たちは様々な疑問や困難に直面するのだが、HFプログラムはその困難へ対応していく。ごみの出し方、近所付き合いの仕方、窓の閉め方、日頃の居場所探し、就労支援など多様である。実現してしまえばきわめて合理的な仕組みだった。アパート生活をしたことがない人がアパート生活の

2021-02-21 21:13:37
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練習をアパート生活以前に始めるのか、アパート生活をしながら始めるのかの違いだった。  さらにはこのプログラムは、当人たちの自尊心を回復させた。それまでは自分たちが自立生活ができないものというレッテルを前提に訓練を受けて、訓練を卒業したらアパートを得られるという手順だったが、

2021-02-21 21:13:37
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HFは、本人たちのニーズで生活を選択できる。自分自身がアパート生活をしたいのか、アパート生活を維持したいのか、維持させるためにはどんな困難があるのか。困難があればいつでも助けが入る。マイナスのレッテルを前提にせず、自分自身のやり方で自分自身のペースで人生の時間を歩めるのである。

2021-02-21 21:13:38
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どこへ行くのも誰と住むのも何をするのも支援者という他人から制約を受けない。困ったことがあれば相談すればよい。アパート生活定着率の大きな差がこの違いを表していると言えるだろう。 3) ホームレスとは誰か 日本のホームレスの定義はホームレスの自立の支援等に関する特別措置法第2条に規定する

2021-02-21 21:13:38
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「都市公園、河川、道路、駅舎その他の私設を故なく起居の場所として日常生活を営んでいる者」としている(厚生労働省)。全国のその人数は2019年1月の調査にて4254人だった。  一方で、ホームレスの定義は各国で異なるが、多くの場合は‼️「安定した住まいを持たない者」‼️としている。

2021-02-21 21:21:00
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例えば日本でいえばネットカフェで起居する者、親戚や友人宅にいる者、さらには刑務所、シェルターなどの中間施設にいる者、精神科病院に入院していて帰る家がない者も含まれる。  📌イギリスでは家にいてもその家が安心できる場所でなければホームレスと定義される。

2021-02-21 21:26:15
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✔️日本がホームレス者を路上生活者と限定していることと大きく異なる。  海外の定義で支援を行うとすれば、安定した住まいを持たない者に対して安定した住まいを得ることが支援の目標となるが、 ✔️日本の場合は、路上生活の状態でなければホームレスから脱したことになる。

2021-02-21 21:31:19
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このことは、安定していない住まいに長期に暮らす人々が多数いて、その人たちへの支援が乏しい結果へとつながっている。  国際的な定義に準じて日本のホームレス者を定義した場合、日本には約30万人‼️のホームレス状態にある人たちがいると推計される。

2021-02-21 21:36:06
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4) 東京都豊島区での取り組み 日本でも小規模ながらHFへの取り組みが行われている。その1つは東京都豊島区を中心として活動しているハウジングファースト東京プロジェクトである。対象は路上生活者である。池袋の調査では路上生活にある人たちのうち4~6割に精神障害を有する人たちがいることや

2021-02-21 21:42:22
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3割に知的障害を有する人たちがいることが示唆されている。これまでの支援で100名以上の人たちのうち約90%の人たちがアパート生活を1年以上維持している。 3. オープンダイアローグ ー経済的に貧しい地域での精神障害者支援  これまでの精神医療は、本人不在の中で本人のことに関して意思決定が

2021-02-21 21:47:35
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される場面が多かった。専門職だけで診断名とその治療方針を決める。フィンランドのケロプダス病院は対話のなかった医療の場に対話を持ち込み、それを原則とした。診断名とその治療薬の選択は、病気に対しては何らかの影響を与えたかもしれないが、患者本人がどうして精神を病むことになったのかと問い

2021-02-21 21:52:27
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その解消へのアプローチは存在しにくい。また専門職1名で対応することは、アイデアも1名分しか存在せず、見立てや方針が正しくマッチすることは困難なことである。複数の専門家がその場にいて、しかも医師の発言が正しいという概念をやめて、それぞれの専門家の意見が対等にその会話の場に出される

2021-02-21 21:57:40
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ようになることで、患者が直面する困難な状況を解消するアイデアが格段に増えた。  例えば、子どもが精神を病むような時に、その対話の場には、本人、家族だけでなく、学校の先生など本人の困りごとに関わる人たちが集まる。その輪の中に精神医療の専門家も2名以上入り、それぞれが自分の意見を

2021-02-21 22:02:56
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対等に 価値のあるものとして話していく。この結果、それぞれが見えていた世界がとても限局的であったことが共有され、より全体像が見えてくることになる。  30年以上経った現在は、学校や職場、行政の中で、対話の文化が浸透している。 2) いくつかの調査結果 1992~1997年にかけて行われた参加者

2021-02-21 22:08:12
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72名の精神症状を有する人たちの調査では、83%の人たちが治療を終了している。抗精神病薬を使用したことがある割合は33%だった。2003~2005年にかけて行われた追跡調査では、84%の人がフルタイムの仕事や学校に復帰し、20年間の追跡調査でもこの水準は維持されていた。

2021-02-21 22:12:50
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4) ベーシックインカム ーフィンランドの大規模研究 ベーシックインカムとは、すべての人に無条件で一定のお金を給付する制度のことをいう。  フィンランド政府は2017年1月~2018年12月までの間、失業手当受給者から学生などを除いた母集団からランダムに2000人を選び(約17万3000人が比較対象)、

2021-02-21 22:19:10
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月額560ユーロを給付した。この額は失業手当とほぼ同額で、📌職を探す等の条件を課さなかった。  社会保険庁KELAは、調査の結果、健康面やストレスに関する自己評価ではベーシックインカムの対象者の幸福感が有意に高く、この結果を受けて主観的幸福感が高まったと結論づけている。

2021-02-21 22:24:15
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また、両者間の就労収入の差はなく、就労意欲が減じることはないことが示唆された。同時に本人たちの社会への信頼が高まった。 Ⅳ. 4つの事例からの考察  自殺希少地域の研究では同じような経済状況にあっても社会資源へのアクセスのしやすさが自殺を減らし得ること、

2021-02-21 22:28:43
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ハウジングファーストの研究では医療支援の前に自分らしく生きることの支援が障害を持つ人たちの自立生活支援に役立つ可能性、オープンダイアローグは経済状況が変わらない中にあっても対話のある街に変わっていくことで精神障害の回復への影響が大きくなることを示す事例となっている。

2021-02-21 22:32:53
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ベーシックインカムの大規模な調査は、生活が困らない安定した収入を無条件で得ることは精神状態の安定をもたらすことを示唆している。

2021-02-21 22:34:26
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阿部大樹「スキゾフレノジェニック・マザーをめぐって」精神科治療学 34(10) ; 1143-1147, 2019 Sullivan に代表される対人関係論の流れに、幼少期の親子関係とスキゾフレニアの関係に触れた Frieda Fromm-Rechmann のスキゾフレノジェニック・マザー仮説がある。1960年代以降、女性差別的な精神分析

2021-02-22 12:45:10
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の残滓であると排撃されて姿を消した。1950年代以降のアメリカでは、女性の職場進出で家庭教育も変わり、精神薬理学による製薬マーケットの影響も受け、旧来の精神分析学が男性中心的で、しかも治療の体をなしていないという批判が広まった。 (本邦についてはこちら ↓ ) twitter.com/fukumurashuppa…

2021-02-22 13:01:18
福村出版 @fukumurashuppan

【新刊のお知らせ】『精神分析にとって女とは何か』が10月25日に刊行されます。西見奈子(偏著)。フェミニズムと精神分析の歴史、臨床における女性性、日本の精神分析、更にラカン派の女性論まで検討する。詳細は小社HPへ。fukumura.co.jp/book/b544345.h… pic.twitter.com/plXWdYi9OV

2020-10-13 17:15:28
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シカゴ派の対人関係論(interpersonal theory)に共通しているのは、親の養育を通じて1つ前の世代の文化がパーソナリティの土台となっていくことの指摘である。ひとが同時代のものと触れ合うのは、家庭や教育機関のシステムから一歩踏み出した時が初めてに違いない。

2021-02-22 13:09:18
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幼少期に受けた性的虐待が成人後の精神障害のかなり具体的な病像ーたとえば幻聴が要素性となるか人声となるかーにまで影響することがすでに明らかになっている。あるいはレイシズムに代表される社会的差別に晒された子どもは、成人してからパラノイアとなってしまうことがずっと多い。

2021-02-22 13:13:36
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いずれも複数の研究で再現されていて、教育年数や経済因子その他の対照群が取られていて、しかも量ー反応関係のあることまで確かめられている。  対人関係の基本的な機能は伝達にある。 コミュニティ内の個人を通して規準が同一であるように2種類の圧力が働く。一つには特定の挙動から同一の意味を

2021-02-22 13:20:29
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受け取る/与えるのでなければ伝達が可能でないこと、そしてもう一つには他者の伝達の便宜からその通りに振る舞うように期待されることである。逆に言えば、あるコミュニティの内部に育った個人が恣意的にその文化から出ることはきわめて困難であって、それでも出立するなら、大掛かりな

2021-02-22 13:25:50
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パーソナリティの再構成が避けられない。  精神病に限ったことではないが、何か問題が起きた時に一人の人間を責めて何か解決することは少ない。構造的な病理を既成事実としてしまうことで、むしろ長い目で見れば状況は悪化する。

2021-02-22 13:34:39
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木村啓介・黒木俊秀「カテゴリー対ディメンジョン」『精神科治療学』34 (10 ) ; 1115-1121, 2019  精神疾患の分類をカテゴリー式にするのかディメンジョン式にするのかという問題は古くて新しい。  1980年代のDSM-Ⅲ以来、20世紀末になると、現行モデルの行き詰まりが話題にされるようになった。

2021-02-22 13:49:55
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DSM診断は高率で併存し、治療では特異性欠如が一般的である。  DSM-5の作成過程では、当初はカテゴリーからディメンジョンへのパラダイム・シフトが盛んに論じられた。  この動向に対して、Kendell, R.E. とJablensky, A. は2003年、「精神科診断における妥当性と有用性を区別する」論説を出した。

2021-02-22 13:57:18
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いわく、米国で妥当性と考えられてきたものは有用性にすぎない。カテゴリーの妥当性を裏づける自然の境界は、ほとんど見出されなかった。これまでの精神医学研究がカテゴリーに特異的な病因を見出だせずにいるのは、妥当性のないカテゴリーに基づいて研究を行ってきたからである。

2021-02-22 14:04:04
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しかし診断カテゴリーは、臨床ではきわめて有用である。だから妥当性と有用性を区別して、臨床では有用なカテゴリーを使用する一方で、研究では妥当性の向上を目指して、ディメンジョン方式などの診断を追求すればよい。カテゴリーとディメンジョンは相互排他的ではないのである。

2021-02-22 14:07:45
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現在の精神医学が陥っている状況を見事に分析したこの論文の凄さは、その具体的な議論が,1975年にKendellが書いたままであったことだろう。その後多くの批判によって、DSM-5の作成過程は困難をきわめ、結局「パラダイム・シフト」と呼べるような変化は起きなかった。

2021-02-22 14:14:03