村田蔵六 巨星墜つ編

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佐久間象山・大村益次郎遭難之地碑 kyoto-kawaramachi.or.jp/history/sakuma… （河原町商店街振興組合HPより） pic.twitter.com/fkAkUJjprU

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蔵六遭難の報は、9月8日東京に伝えられた。三条実美と岩倉具視は大変驚き、当時東京に居た大久保利通、広沢真臣らにも伝えた。この時、桂さんは箱根で療養中であった。そのため、報を知ったのは9月10日である。

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「今暁川村兼蔵来る。槇村、河田の至急書簡を出す。去る4日晩大村益次郎京都木屋町三番路次の寓へ、剣客8人乱入（略）生命つつがなきよし報知。（略）かならずこのたび上京につき、（略）巨魁の肝心を捕縛す。」と桂さんは書いている。

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自分が京都に行き、犯行の首領（海江田信義を念頭にしていたと思われる）逮捕する、とまで決心していて、蔵六との信頼関係が伺える。

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×肝心 ○姦人

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また、蔵六だけの事ではなく、京都では1月に横井小南も暗殺されており、政府の要人が立て続けにテロに遭うというのは、政府の威信を傷つけ、国内・諸外国にも動揺が生まれかねなかったことも理由であろう。桂さんはこの日すぐと24日に蔵六宛てに見舞状を出し、26日には東京に戻っている、

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蔵六は長州藩邸に移ったが病状が思わしくなく、9月20日、大阪府仮病院の蘭医ボードインと同病院長緒方長緒方惟準の来診を受けた。二人は出血は問題ないが、ひざの疵が化膿して腐敗しつつあることを発見。このままでは敗血症になるおそれがある。そのため、右大腿部を切断する結論となった。

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しかし、当時は政府高官の手術には勅許を得る必要があったため、東京までお伺いを立てることになる。すでに蔵六は自身で大阪府仮病院に移動したいという請書を出していたが、警備の不安を理由に許可されなかった。そのため、兵部大丞河田を通じて9月30日に請願書を出している。

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請願書には「大村兵部大輔下阪の義当人より出願に及び候ところ、御採用これなきの段は畏みたてまつる。（略）片時も速やかに全快御用相勤めたく心底に罷りあり候義につきなにとぞ御再詳御許容これありたく（略）途中厳重警護申しつけ候」とある。

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10月1日、蔵六は担架で長州藩邸を出発し、高瀬川の船場まで運ばれた。このとき担架を運んだのは市ぃが選出した河東操練所の生徒、寺内正毅、児玉源太郎らであった。この日伏見で一泊し、翌日船で大阪八軒屋に着鈴木町の大阪府仮病院に入院した。

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兵部省大阪出張所は権小丞林兼蔵指揮で郡山藩1小隊を持って蔵六を警衛した。しかし、手術許可が届くまでは応急的な治療が行われることになる。なお、この移送は許可が下りたという説と河田らが独断で行ったという二つの説がある。

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蔵六が大阪府仮病院に移送された頃、東京では蔵六の容体が悪くなっていることを知らなかった。9月26日に療養先の箱根から東京に戻った桂さんは、9月30日に「漸々御快方に相運び候うえは、速やかに御東下待ち奉り候」と手紙を送っている。

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また、10月17日にも「漸々御快方とじゃ遙察奉り候えども、（略）なにとぞ御全復し、早々御東帰待ち奉り候」と送っている。一刻も早く回復し、東京に帰り再会することを鶴首するほど蔵六を心配している。

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桂さんは、10月15日には京都の槇村正直にも手紙を送っている。「兵部省はこのままにては、いずれ瓦解に至り申すべく、なにぶんにも大村を速やかに快気いたし、おおいに相助け申さずては、相成らぬことと存じ申し候」と書き、

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さらに「これまでの策（大村を中心に新しい軍政を確立すること）を摧崩（くだくこと）せんと相謀るものも少なからず」と続き、

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「海江田は大姦物なり。おおいに御用心。大村の一条も彼の扇動と申す説これありと申し候。昨年来の私怨にて、おのれの非は知らず、かえって大村を怨み（略）ひそかに気をつけくれ候こともこれありと申し候」と記している。

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蔵六襲撃後の襲撃犯8人のその後。吉田藩宮和田進は襲撃時に吉富から反撃に遭い、重傷を負い二条通東川端まで逃げたが逃走不可能と悟り、仲間に願い出て介錯され死亡。長州藩神代直人は長州まで逃げ、小郡に潜伏中に捕らえられたが、その際腹を切り、命は助からないと判断され処刑されたといわれる。

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長州藩団伸次郎、久保田藩金輪五郎、白河藩伊藤源助、長州藩太田光太郎、越後国府兵五十嵐依織、信州関島金一郎の6名は逃亡後相次いで捕縛されている。6人は、吟味の末12月20日に京都粟田口で処刑されることが決定。しかし、処刑当日になって施行が中止となる。いわゆる「粟田口止（停）刑事件」である

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当日、処刑場に引き出された罪人に4人の蔵六殺人犯が混じっていた。立ち会いの京都弾正台後藤義景少巡察はこれを聞かされておらず、すぐに弾正台に判断を仰ぐ連絡をする。弾正大忠海江田信義は古賀十郎大巡察らと協議し、「弾例」の手順に沿っていないため立ち会いに応じるべきではない、と決定した。

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当時、処刑には弾正台巡察が立ち会う手順であったため、これで処刑が停止となった。ここでのポイントは、海江田の独裁ではなく幹部で話し合って決めたことである。海江田は京都府大参事松田道之にそれを伝えた。

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この事に兵部省は猛抗議を行う。抗議文の中には海江田が大村への私怨により中止とした旨のことまで書かれている。また、大村益次郎という洋学推進者殺害犯の処刑が中止になったことで、洋式反対派の活動まで活発となった。

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そのとき偶々鹿児島に向かうため大久保利通は船に乗り兵庫港に停泊していたが、この事を聞き、すぐに海江田を呼びつけ説得にあたるが海江田は承諾しない。法と手順に則っていると言う。やむを得ず、大久保は強硬手段に出る。京都府宛てに「太政官通達」を発行し、速やかに処刑することを命令した。

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今でいう「超法規的処置」である。京都弾正台は太政官（三条右大臣、岩倉大納言、徳大寺大納言）の命令に屈することになった。処刑は29日に決定された。海江田は当日の立ち会いを大久保に約束した。そして、29日、6人全員の処刑が行われた。

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しかし、事はこれで終わらず、右大臣三条実美が、海江田と20日の停止に関係した巡察、京都府知事、大参事らに東京出頭を命じた。尋問の末、海江田信義弾正大忠以下弾正台幹部らは謹慎に処せられた。海江田は、謹慎後大久保の勧めで弾正台を辞職する。（後に奈良県知事）

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この間、海江田は大久保から殺害犯との関連を問いただされているが、肯定する供述はしていない。また、殺害犯もそのようなことは供述していない。このことから、面識はあったかもしれないが、海江田が殺害を教唆したということはなさそうである。

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海江田は、明治2年7月に三条実美に呼び出されており、新たに設置予定の刑部省の大丞就任の説得を受けている。しかし、海江田はこの話しを断り、京都滞在を願い出ている。

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このことから、京都弾正台出仕は海江田に取って恥・屈辱ではなかったと考えることができる。つまり、前提となった、蔵六が自分を左遷させたという逆恨みはもとから持っていなかったとも思える。従い、僕は、海江田黒幕説には懐疑的です。

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余談だが（司馬先生っぽい）、大久保は後に、佐賀の乱で江藤新平処刑の際も、法や手順を飛び越えて独断で裁決判決を下している。大久保とすれば、秩序を保つためにはやむを得ないと考えてのことかもしれないが･･･

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蔵六の入院生活に話しを戻す。大阪府仮病院に転院した直後は、ボードインの治療もあり、小康を保っていた。10月10日には父孝益に「症状は快方に向かっていて膝の傷は深手ではあるが命に別状はないので安心してほしい、年内には帰国できる見込みである」と手紙を送っている。

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また同日には弟藤村文恭に宛て、妻琴を上阪させてほしいと書いている。しかし、実際には、徐々に容体は悪化しはじめていた。右膝関節に敗血症の症状が出始めたのである。ボードインは懸命に治療を行った。ボードインについては、もともとオランダ軍医で文久2年ポンペの後任として来日した。

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当時の幕府が計画した陸軍軍医学校実現のため、一旦帰国し、慶応四年に戻ってきたときには幕府が瓦解した後だった。新政府は陸軍軍医学校については英国と契約済みでボードインと幕府間の契約は破棄された。

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明治2年大阪府知事後藤象二郎と薩摩藩家老小松帯刀は大阪府仮病院を創立し、ボードインを招く。しかし、もともと幕府との契約があったしがらみか正式雇用とはならず、仮病院長となった緒方が仮雇用の形で雇用した。

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しかし、政府内で大阪に正式な医学校兼病院を建設する計画が出て、その主力には東京の医学校から派遣された医師たちを採用する。緒方は冷遇され、ボードインは帰国を考えるようになっていた。蔵六はこの様子をみて、10月16日に三条実美に手紙を書いている。

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ボードインはオランダの名医であるゆえ、軍事病院の基礎を開く際は兵部省から招いてくれるよう願い出ている。10月26日には三条から「軍事病院の件、ボードインの件、すぐに大蔵少輔が上阪する予定なので委細を申しつけておきます。と返信があった。

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この三条実美宛の手紙が蔵六の最後の手紙となった。ボードインは、蔵六亡き後、明治3年2月、大阪城内に軍事病院が設けられ、正式な職員として軍陣医学の講義等を行い、同年閏10月帰国している。

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蔵六は大阪府仮病院に移ってから多くの見舞客と接している。多かったのは政府関係者で、東京から見舞いに来る者が多かった。後に市ぃ、船越と共に蔵六の意志を継ぐ兵部省小丞曾我祐準も9月19日に蔵六を見舞っている。

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曾我は、その時は幾分体調は良かったと語る。膝は悪そうだったが、兵部卿仁和寺宮嘉彰親王からの見舞い状を手渡すと蔵六は涙を流して感謝したという。そして、自分を襲った者達のような者がまだいることを憂いていたので東京に帰り三条実美に取締強化を上奏したという。

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このように東京からの見舞客が東下し、政府関係者に容体は良さそうであると話すため、東京では蔵六は回復方向の認識であった。桂さんは、10月17日、「御快方に向かっていると伺っている。兵部省では権大丞船越衛が多くの妨害の中で孤軍奮闘しており自分も相談に乗っている」と蔵六に手紙を送っている。

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しかし、本当のことは広まる。10月に入って船越が大阪出張の折に蔵六を見舞う。このときあの有名な「山砲の四斤砲をたくさんこしらえろ」という言葉を発している。これは政府が危ないらしいということで今後のことを聞きに行かせたものである。そして、突然、それまで山口にいた山田市之丞が大阪に来た

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市ぃは、箱館戦争終了後、明治2年6月に東京に凱旋し、7月8日、兵部省大丞に任ぜられた。その後休暇願いを出し、7月12日品川を出発する。途中船が座礁するというアクシデントもあり、8月10日に山口に着いた。ちなみに、山口に居た8月19日に市之丞から顕義に改名する。（ここでは市ぃで統一する）

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驚くことに、8月10日、長州藩の藩軍政主事に任ぜられる。兵部大丞の身分はそのままであるから、今で言えば、防衛省事務次官が山口県の県警本部長を兼ねたようなものである。この間、蔵六の河東操練所に幹部候補生を選出して送り出すなどしていたが、9月16日に藩令が下る。

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大阪の蔵六の寿命が短いらしいので、万一に備え大阪に行き今後の軍事の方向性等を聞き出すという命令であった。市ぃは当然、それを受け、大阪に着いた。蔵六の後継者は自分しかいないという自負心もあったであろう。

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蔵六は喜んだ。市ぃの軍才を一番良く知っているのは蔵六である。信頼しており、自分の軍政改革案を細かく市ぃに伝えた。これが蔵六死亡後、短期間に船越衛、曾我祐準らと共に纏められた『故大村益次郎大輔軍務前途ノ大綱』のもとになったことは想像に難くない。この大綱は太政官に上申された。

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蔵六の右膝の傷は敗血症の症状が現れ始めた。ボードインは右足大腿部中程からの切断を提言する。政府高官の手術には勅許が必要であったが、一刻を争う状況のため、河田ら兵部省幹部が立ち会い、10月27日にボードインと緒方惟準による切断手術が行われた。

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「兵部大輔容体の義、（略）傷口膿を醸して腐敗に落ち入り（略）切断のほか活路の術これなき旨（略）京都よりは河田大丞下阪、三省立会会議のうえ切断いたし候よう相願い候えども、切断の義は暫時も器械遅れ候。（略）

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河田大丞・林権小丞・原田兵学権助立会のうえ、今午前十時切断に取りかかり、八分時間にして手術相済み候こと」と事後の兵部省への報告書にある。しかし、すでに手遅れであった。

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ボードインはもっと以前に切断を考えていたようだが、政府高官である（辞表は出したが許可されていない）蔵六の手術には勅許が必要であった。そのあたりのごたごたのため手術できないでいたが、容体逼迫のため許可なしでの手術に踏み切った。

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翌28日、29日は雑炊を食したり牛乳を飲んだりして「諸症穏静・言語常のごとし」であったが、11月1日より高熱を発し、4日には危篤状態となる。この前後、蔵六には縁深いものによる看護を受けている。

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10月27日、右大腿部切断手術後、蔵六は、数日は食事も取り「諸症穏静・言語常のごとし」であったが、11月1日ごろから高熱を発し、11月4日には危篤状態に陥った。ボードインも駆けつけたが、もはや手の施しようがないとの見立てであった。

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11月5日に兵部省権小丞林謙蔵が兵部省京都出張所に宛てた書状がある。「大村兵部大輔殿御事昨日に至り、こつぜん危篤の症相発、すでに御絶命ほどの急迫につき（略）ボードインに診察を乞い速やかに来診す。彼云う、もはや人力にかなわず、是非なき次第と申し残し相退く」この後、少し容体が持ち直した