今までツイートしてきた140字小説のまとめです
1
さら @yanagisrr89

「あそこのトンネル出るらしいぞ」 そう聞いたので夜そのトンネルに行ってみたが何も出なかった。 「入りましたけど何も出ませんでしたよ」 「入ったんだろ?トンネル。その後は?」 「いや、普通に出ましたけど」 「ほら、出たろ?」

2021-12-20 01:11:43
さら @yanagisrr89

友人にイベントに誘われた。 しかしその後、中止になったようだと連絡が来た。 「検索してもヒットしないんだ」 「何てイベントだっけ」 「えっと、クラシックのタベ」 まさかと思い、こちらでも検索してみる。 「それ、クラシックの夕べじゃない?」

2021-12-20 01:38:52
さら @yanagisrr89

80年代のとある日 「ねえ彼女!お茶しない?」 若い軽そうな男から声をかけられた。 見た目が好みだったのでついていくとそこは茶室。 「茶道教室入りませんか」 ナンパではなく勧誘だった。

2021-12-20 01:46:42
さら @yanagisrr89

とある美女が結婚相手を募集。条件はお金をたくさん持ってる人だった。 金持ちの友人が駄目だったらしい。 この写真を送ったといい見せられた写真には大金を抱えた彼が。 「シャレだよ。つまりは金持ちってことなのに伝わらなかったか」 伝わったと思う。馬鹿だとは

2021-12-20 02:04:23
さら @yanagisrr89

「大丈夫」 それが母の口癖だった。 自分にも子供の私にも 「大丈夫」 いつしかそれは私の口癖にもなっていた。 「大丈夫ですか?」 「大丈夫」 ついこの言葉が飛び出してしまう。 それが呪いの言葉だったと気づくのは母と同じく病院のベッドの上だった。

2021-12-20 09:57:22
さら @yanagisrr89

生死の境をさ迷うほどの怪我を負った私は雲の上にいた 目の前には長い髭の老人と頭に輪っかを乗せた女性がいる 「では次のかた、一発芸をどうぞ」 何故、と思ったが私の体は勝手に動いていた。 「私が避けた猫の真似を」 「失格」 足元が開き、落下した そして一命をとりとめた

2021-12-20 10:19:50
さら @yanagisrr89

深夜タクシーを流していた、女性を一人拾った。 髪が長く、うつむいたままの女性は目的地以外話さなかった。 やがて目的地である墓地についた。 「お客さん、着きましたよ」 振り返ると誰も居ない。 「チッ!乗り逃げか」

2021-12-20 10:38:45
さら @yanagisrr89

体が痛い。 「ツボ突いてあげようか」 「あ~頼むわ」 「部長の癖『ンッフゥ』」 「あっはっはっ」 私はこの癖に弱く、いつも部長と話すときは必死にこらえている。 「どう?すっきりした?」 「いや、全然」 「あれだけ笑っといて?」

2021-12-20 11:54:14
さら @yanagisrr89

女が浜辺に座って空を眺めている。 「今日ってクリスマスイブらしいよ」 男が後ろでぽつりと呟く。 「もう今年も終わりなんだね」 「また新しい年が始まるんだよ」 男が隣に来て座った。 人類最後で最初の二人の見つめる先には夜と朝の境目があった。 静かに、波が打ち寄せる。

2021-12-24 10:38:49
さら @yanagisrr89

「いい加減あの人を解放してやったらどうなんだよ」 俺が吠えたところであいつは眉一つ動かさないだろう 「お前の出る幕じゃないんだよ」 こいつはあいつのために俺と刃を交える 誰かが誰かを想う気持ちが交わることなく刃の軌跡となって交差する その先にあるものを信じて

2021-12-24 11:23:08
さら @yanagisrr89

「平行線上の想い」 ちょっと妄想したお話のワンシーン。 これを膨らましたプロットだけでも書いてみたいな #140字小説

2021-12-24 11:23:09
さら @yanagisrr89

「あ、雪降ってきた」 「まじで?こっちは全然だよ」 「うぇ?雪見酒飲みたい~」 通話をしながら窓の外を見る。 数年前までクリスマスは一人だと寂しいなんて認識だったがそれも昔。 面識のない間柄だけど皆同じ空の下でクリスマスを過ごしている。 ぼっちも集まれば賑やかだ。

2021-12-25 11:28:02
さら @yanagisrr89

車のラジオをつければマライアの曲がかかっている。本日はクリスマス、だけど俺はパーティーの予定も無く仕事の日だ。せめてチキンや小さめのケーキでもコンビニで買って帰るか。 サンタの格好をした店員にメリークリスマスと言われた。では自分も 「メリークリスマスお疲れ」

2021-12-25 19:51:36
さら @yanagisrr89

ヘッドホンを耳にかけてノイズをシャットダウン、静かに目を閉じる 頭の中で飛び交う蝿のような妄想をリリックとリズムで叩き潰す 漸く逃げ込んだ世界で一人になる だけどいつまでも逃げ込んだままじゃいられないから、ヘッドホンを外して目を開いた リングイン、ゴングが鳴る

2021-12-25 19:59:51
さら @yanagisrr89

君がいれば何もいらない 誰もいらない 君と僕だけの世界、誰にも何も言わせない ダンスを踊ろう 一人で踊って馬鹿みたいだって? あなた達には見えないだけさ 騒音しか出せないのなら消えてくれ さぁ、レッツダンス あはははは アハハハハ 「気持ち悪い寝言ね」

2021-12-26 11:06:59
さら @yanagisrr89

忘れたいことほど忘れられないものだ。 そして忘れたくないことほど忘れていく。 あの日胸に宿した気持ちを探して枯れ木の林を往く。 あの時君はどんな顔をしていたかな大事な君の顔をもう思い出せない。 炎に包まれて眠る君は今は煙となって厚い雲の上にいるのだろうか。

2021-12-27 12:14:00
さら @yanagisrr89

いつもと同じ顔ぶれ いつもと同じ道 今日もだいたいいつもと同じ。 それはとても安心できるけれど反面ひどく不安にもなる。 いつかこの日々が終わるときがくる。 そのいつかを恐れながら、私は今日もいつもと変わらぬ時を過ごすのだった。

2021-12-28 14:55:34
さら @yanagisrr89

あなたが話したくなるまで 私は待つわと目の前の女が言う。 いつまでもあなたを待たせるのはしのびないし、いい加減僕も口を開きたい。 だけれど僕が口を開いたなら君は僕の目の前から消えるだろう。 だから僕は話さない。 君を、離さない。

2021-12-30 12:53:32
さら @yanagisrr89

早朝に目が覚めて、窓を開いた。 まだ薄暗い空の下では、電気が点る建物はまばらで街自体がまだまだ微睡みの中にいるようだった。 細い道をトラックが駆け、カラスが鳴く。 あと少ししたら起きるだろう世界のこの一瞬が好きで、今日も空気を吸い込んだ。

2021-12-30 13:00:52
さら @yanagisrr89

「おやすみ世界おはよう」 #140字小説

2021-12-30 13:00:52
さら @yanagisrr89

キャラクターという人形が動く 文章というレールに乗り、それを起承転結に合わせて動かす 人形が発するせりふは私が喋る すべて作者というパペットマスターが織り成す舞台の上の話。 「私にも喋らせてよ!」 そういう人形をそっと弾いた。 「イレギュラーは不要だよ」

2021-12-30 13:20:27
1
まとめたひと
佐楽(さら)連絡用 @yanagisrr89

現在FF14の話多め RP初心者。