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銅大 @bakagane

柿沼陽平さんの『古代中国の24時間』をちまちま読んでおります。 やっ、これっ、これですよ。その場にいる人に、何が見えているのか。朝起きてから、夜寝るまで、どんなふうに生活しているのか。創作やTRPGのお役にたちそうな視点であり、考え方です。

2021-11-23 10:41:38
銅大 @bakagane

自分の創作やゲームの舞台が古代中国でなくともよいのです。視野が広がれば、こういうところも考えに入れておけばよいのかと、心の準備が整います。 巻末に紹介された史料に、ぺったらぺったら、めっちゃメモ書いた付箋はってはりそう。いや、最近ですとPDF文書のタグかしら。

2021-11-23 10:46:01
銅大 @bakagane

古代中国の食生活、 1)穀物はいろいろ食べられていた 2)粒食が多いがコムギは粒にしにくく粉食となる 3)コムギの製粉は水平回転の臼がよく漢代から少しずつ普及 4)コメは炊飯なので甑という専用の蒸し器をつかう まで簡潔に説明された後に甑の使用の描写があります。これがうまいのですよ。

2021-11-23 22:10:34
銅大 @bakagane

『まず下の壺のかたちをした釜に水をいれ、それを煮沸する。そのうえに甑をのせる。甑の底部にはプツプツと穴があいており、そこに布きれをしき、そのうえに穀物を入れる。すると徐々に下から湯気がのぼり、穀物が蒸されるしくみである』(p93) 目の前で蒸されているかのような描写です。おみごと。

2021-11-23 22:13:19
銅大 @bakagane

『古代中国の24時間』は、概要をざっと説明した後で、要所でこういう見てきたかのような描写で締めてありますので、するすると読め、なんとなーく理解できた気になれます。このへんも、ワールドビルダー的な参考になりましょう。

2021-11-23 22:16:15
銅大 @bakagane

「甑」は米作と一緒に日本にも入ってきて強飯を作るのに使われ、「こしき」と呼ばれておりますが、中国では「そう」の方が一般的のようです。

2021-11-23 22:20:44
銅大 @bakagane

『古代中国の24時間』メモ。首都には、地方の郡からきた年次会計報告者(上計吏)が寝泊まりする、いわば江戸時代の江戸屋敷のようなものがありました。(p131) 帝国の統治は、こうして届けられる、細々とした数値の積み上げで行われていたのでしょう。

2021-11-25 11:19:11
銅大 @bakagane

首都の近くには、租税として運ばれた穀物も蓄えられていたそうです。穀物はもちろん、食うためのものですから、人と食い物の動きは連動します。首都に行けば食えるとなれば、人も集まりましょう。逆も然りで地方軍の駐屯地には、その地方の租税が運び込まれるとか(『鹿洲公案』)。

2021-11-25 14:05:02
銅大 @bakagane

宮崎市定さんによる『鹿洲公案』の訳(翻案?)は、とても名調子で、直訳ではなく、背景となる事情などが盛り込まれて、読みやすいです。 例文が紹介されているブログがこちら。 宮崎市定訳『鹿洲公案―清朝地方裁判官の記録』 - 達而録 chutetsu.hateblo.jp/entry/2021/04/…

2021-11-25 14:07:58
銅大 @bakagane

古代中国の市場の品物リスト(p169)で穀物の容積単位、石(斛)が使われていて約20リットルとあり、えらく少ないなと調べたら、秦~漢では1斗=約2リットルで、10斗で石(斛)。後の時代でも10リットルくらい。日本だと1斗が約18リットルなので、十分の一に近い感じでしょうか。

2021-11-25 21:03:11
銅大 @bakagane

『古代中国の24時間』は柿沼陽平さんの饒舌な語り口調を楽しむ本ですが有名な逸話では言葉を省略してるのが心憎いところです。女が就職に失敗してしょぼくれていた男に食わせて、いつか恩返しするという男に「自分のこともできないのに期待しちゃいないよ」と返すの、アレやん。国士無双やん。(p188)

2021-11-25 21:43:45
銅大 @bakagane

トイレネタもあります。しゃがんで用を足すトイレを『現代日本で和式とよばれているが、漢代の方が古いので漢式とよんでしかるべきである』と述べた後に『(以下、混乱を避けるために和式と呼ぶ)』(p231)と。

2021-11-25 23:01:47
銅大 @bakagane

RPG的に興味深いのは、トイレが、建物内で襲われた時の逃げ道として適切なのでは、という視点です。古代中国の宮殿や屋敷のトイレは、排泄物を食べさせるための豚を下で飼っていることが多く、豚を出し入れするため建物の端っこにあり、壁伝いに逃げられるのでは、という。

2021-11-25 23:04:51
銅大 @bakagane

柿沼陽平さん『古代中国の24時間』読了しました。エピローグの「すべての道は興味からはじまる」とあるように、興味をいだき、疑問を持つことからすべては始まります。たとえば上田信さんの『東ユーラシアの生態環境史』は、チベットでふるまわれたバター茶から、歴史の営みが紐解かれていきました。

2021-11-26 13:46:39
銅大 @bakagane

生活史を読み解くのには、民話も使えます。桃太郎の「おじいさんは山に芝刈りに、おばあさんは川に洗濯に」からは、昔話ができたころの人が山でしばを刈っていたことがわかります。水本邦彦さん『草山の語る近世』では江戸時代に、草肥に柴(芝)は使われていたそうです。

2021-11-26 13:58:24
銅大 @bakagane

『古代中国の24時間』を一読して思いましたのは、近代の衛生概念を身に着けてしまった令和の日本人に、古代中国は厳しすぎる、ということでしょうか。宮殿であっても臭いトイレは下から豚がブイブイと騒がしい。歯磨きの習慣がない口の中は、虫歯が多くて臭い。目が悪くなってもそのままです。

2021-11-26 14:08:46
銅大 @bakagane

古代中国までさかのぼらずとも。昭和でも歯科治療はかな~り無理です。いや、もちろん治療はしてくれますよ? してくれますけど、容赦なくガリガリとドリルで削るあの治療は、子供にトラウマをうえつけること必至です。 トイレだって便器が尻を洗ってくれない時代には、もう戻れませぬ。

2021-11-26 14:13:38
銅大 @bakagane

ファンタジー世界で排泄行為を文化的にしてくれそうなのは、スライムをおいて他にはありませぬ。 >異世界転移&トイレ革命『俺のケツをなめてくれ』 ncode.syosetu.com/n3382df/ #narou #narouN3382DF

2021-11-26 14:41:24
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まとめたひと
銅大 @bakagane

のんびりこんびり、三割なほら吹きおじさんです。