分断参道について話すことになり、鉄道史についても最低限の知識は付けておかねばと思い読んだもの 宇田正, 田中真人, 西藤二郎『京都滋賀 鉄道の歴史』京都新聞社, 1998年 青木栄一『鉄道忌避伝説の謎』吉川弘文館、2006年 青木栄一『交通地理学の方法と展開』古今書院, 2008年
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永太郎(ながたろう)/重永瞬 @Naga_Kyoto

宇田正, 田中真人, 西藤二郎『京都滋賀 鉄道の歴史』京都新聞社, 1998年 タイトルだけ見ればコンビニにも売ってそうな感じだが、中身はかなり重厚。全17章あり、京滋の主要な鉄道は一通り解説されている。路線形成史は地域社会の利害が見えてきて面白い。清酒、ちりめん、ニッケルなど産業との関連も。 pic.twitter.com/YwQHRcacu0

2021-06-02 06:59:28
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永太郎(ながたろう)/重永瞬 @Naga_Kyoto

京都新聞の連載『夢幻軌道を歩く』を読んだあたりから廃線・未成線にも若干の興味を持つようになったが、この本は連載にも出てこなかった未成線が無数に紹介されていて沼の深さを感じた。 【資料編】京都新聞『夢幻軌道を歩く』とその補足 - 幻鉄RAMBLER gentramb.hatenablog.jp/entry/mugen-ho…

2021-06-02 07:06:32
永太郎(ながたろう)/重永瞬 @Naga_Kyoto

全体的にしっかり書かれた本ではあるものの、それでもいくつか間違いも含まれているので注意が必要、とのことです。 twitter.com/keyanohana/sta…

2021-06-02 07:10:49
とも@好事家 @keyanohana

その本は少し情報が古くて、間違いも結構含まれてるから気をつけて使って欲しい本 twitter.com/Naga_Kyoto/sta…

2021-05-17 09:10:22
永太郎(ながたろう)/重永瞬 @Naga_Kyoto

青木栄一『鉄道忌避伝説の謎』吉川弘文館、2006年 やっと読みました。郷土史の類にしばしば登場する鉄道への反対運動について、その多くが史料的根拠の無い俗説であることを示した名著。俗説の検証も重要ではあるが、自分としてはむしろ「実際にあった鉄道反対運動」という章こそが重要であると思う。 pic.twitter.com/5WDMqsSQCp

2021-06-01 09:49:06
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永太郎(ながたろう)/重永瞬 @Naga_Kyoto

「鉄道忌避伝説の多くは俗説」というのは、あくまで甲武鉄道に代表される宿場町における反対運動についてであり、反対運動自体は各所で起きている。例えば防衛の面からの海岸路線への反対や、治水・農業水利の面からの反対運動など。

2021-06-01 09:53:13
永太郎(ながたろう)/重永瞬 @Naga_Kyoto

そのほか、馬車鉄道に対する反対運動も関東近郊で多く見られる。変わったところでは天文台の観測に支障をきたすという理由での反対も(東京天文台)。宿場町での反対は、筆者曰く参宮鉄道開通時の松坂町での反対運動が史料的根拠のある唯一のものだという。

2021-06-01 09:57:14
永太郎(ながたろう)/重永瞬 @Naga_Kyoto

主要な論点についてはこちらの論文に挙げられているのでよかったら読んでみてください 青木栄一「鉄道忌避伝説に対する疑問」新地理 29(4), 1982, 1-11 jstage.jst.go.jp/article/newgeo… pic.twitter.com/n2A9SQAeKT

2021-06-01 19:23:38
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永太郎(ながたろう)/重永瞬 @Naga_Kyoto

青木栄一『交通地理学の方法と展開』古今書院, 2008年 交通地理学と題にあるが、一部を除いて実質的には鉄道史研究のハンドブック。筆者は昨年ご逝去された交通地理学の大家で、本書は筆者の最終講義を元にしている。鉄道史の基本資料や研究の方法論について詳しい。 pic.twitter.com/uFdF98RUqh

2021-06-02 15:10:54
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永太郎(ながたろう)/重永瞬 @Naga_Kyoto

筆者はディシプリンの枠には否定的であり、「地理学的視点」といったものは特に強調されていない。また、実証的な歴史研究を重んじる立場から、筆者が交通研究を進めていた頃に盛んになり始めた計量的な交通研究に対しては、かなり手厳しい批判を加えている。

2021-06-02 15:20:51
永太郎(ながたろう)/重永瞬 @Naga_Kyoto

交通地理学のジレンマ 「鉄道駅が開業したり、高速道路インターチェンジが供用開始した場合に、それらの周辺地域の土地利用や景観がどのように変わるか、といったテーマは多くみられるが、研究目標は土地利用や景観であるから、研究を深めてゆけばゆくほど交通研究からはなれていく性格をもっている」

2021-06-02 15:30:49
永太郎(ながたろう)/重永瞬 @Naga_Kyoto

個人的には『鉄道省文書』の章が一番面白かったです。こんな重要な資料でも割と雑に扱われちゃうもんなんですね。 青木栄一「鉄道史研究と『鉄道省文書』」※pdf hist-geo.jp/img/archive/22… pic.twitter.com/EcCwF9R8IA

2021-06-02 15:37:40
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