電子版
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花びんに水を☘ @chokusenhikaeme

(ひもとく・小沼理)  近年トランスジェンダーに対する誤解や偏見に基づいた差別言説が激化している。特定の属性を理由に危険視し、排除するのは差別に他ならない。asahi.com/articles/DA3S1…

2023-03-25 18:11:23
花びんに水を☘ @chokusenhikaeme

もしシスジェンダー女性の安全とトランス女性の権利が対立するかのような発言を見て不安になっても、本当にそんなことがあるのか、一度立ち止まってほしい。

2023-03-25 18:11:24
花びんに水を☘ @chokusenhikaeme

このことを考えたい人には、差別言説に多様な語りで抵抗する『反トランス差別ZINE われらはすでに共にある』(少部数出版する冊子だが、電子版は600円で購入可)が力になるはずだ。🧵twitter.com/mi_zu_a/status…

2023-03-25 18:21:12
水上文 @mi_zu_a

なおご紹介いただいた反トランス差別ZINEは電子版が以下からご入手いただけます。読み放題に入られてる方は無料で読めるのでぜひ。 amzn.to/3FwInCF

2023-03-25 18:09:09
花びんに水を☘ @chokusenhikaeme

(三木那由多)  ただ単にゲームを楽しんではしゃいでいるだけの言葉が、差別への抵抗のために顧みるべき「当事者の証言」になっていく。  下手な冗談や軽口を言うと差別保存のための材にされそうで、否応なしに私は「品行方正」になってしまう。  外から、内から、私はシリアスな存在にされていく。

2023-03-25 18:42:30
花びんに水を☘ @chokusenhikaeme

くだらない話がしたい。好きな芸能人の話、楽しかった映画の話、最近ハマっている音楽のこと。くだらない話を、くだらないままに。

2023-03-25 18:47:47
花びんに水を☘ @chokusenhikaeme

けれど私がトランスジェンダーであることも、女であることも、それらのアンテナを通じてもたらされる私の経験のことも、隠したりごまかしたりせず。  そういう場所を守ったり、つくったりするためになら、ちょっとばかりシリアスになってあげてもいいかな、とも思う。

2023-03-25 18:47:47
花びんに水を☘ @chokusenhikaeme

(ただの沼)  広く読まれる形で表現されない声がたくさんある。誰も何かを代表することなどできない。聞かれなくてよい声などないし、歪められ続けてよい人などいない。  たったそれだけのことが、いつも歪められて届かない。

2023-03-25 19:18:30
花びんに水を☘ @chokusenhikaeme

(山中千瀬) シスが暮らし、シスが言語を培ってきた土地。ここで言葉は、シスの感情や経験を表すために利用されてきた。シスにはないトランスの感覚を伝えるのは難しい。マジョリティの言葉では表現し得ないマイノリティの感情や経験はシスの言葉でも表現できる違和感とは違う。twitter.com/chigusasoichi/…

2023-03-25 19:42:41
千種創一 @chigusasoichi

アラビアに雪降らぬゆえただ一語ثلج(サルジュ)と呼ばれる雪も氷も 歌集『砂丘律』より くるり岸田繁さん: まるであなただけの為に存在する映画のよう amazon.co.jp/dp/4861983320/ 日本一行詩大賞新人賞など受賞 次の『千夜曳獏』もまもなく。装幀家さんからとても大胆かつ理知的な装幀を頂いています

2020-03-15 19:23:25
花びんに水を☘ @chokusenhikaeme

(さとう渓) トランスジェンダーは、みんなを困らせているのではなく困っているのだ。  必要なのは、トランスジェンダーを困らせない人を一人でも増やすこと、トランスジェンダーを想定しない社会を変えていくことであって、トランスジェンダーの難しさを強調することではない。

2023-03-25 19:56:46
花びんに水を☘ @chokusenhikaeme

(水上文) シス/トランスに必ずしも確たる境界がある訳ではない。  たとえばゲイル・ルービンによる「違和連続体」という概念は、シス/トランスを様々なる違和のグラデーションやスペクトラムとして理解する。

2023-03-25 20:16:30
花びんに水を☘ @chokusenhikaeme

この概念を敵衍して、トランスジェンダーを「性別違和によって有徴化された特殊な存在ではなく、シスジェンダーが無視する違和を引き受ける存在」として記述し直す試みもあるのだ。

2023-03-25 20:16:30
花びんに水を☘ @chokusenhikaeme

(福永玄弥) 韓国における1990年代後半以降の新自由主義改革と経済危機、経済格差の強化は若年層の規範的なライフコースの追求を困難にしたが、このような困難はジェンダー不平等に配分された。  そして2016年に江南駅で発生したフェミサイドが、女性たちの危機意識を喚起してフェミニズムへと導いた。

2023-03-25 20:37:54
花びんに水を☘ @chokusenhikaeme

ただし、ミソジニーが構造化された社会でフェミニストとなった女性たちは、嫌悪の情動を解体するのではなく、それを戦略的に我有化した。そうして、先行世代のフェミニストが連帯を模索したトランス女性やゲイ男性に対する憎悪の情動や排除の言説を流布したのである。

2023-03-25 20:40:49
花びんに水を☘ @chokusenhikaeme

フェミニストの間で広がったトランス排除言説は、プロテスタント右派を中核とする保守のバックラッシュと遭遇することとなる。同性愛者とトランスジェンダーの権利を否定する反ジェンダー運動がトランスナショナルな広がりをみせるなか、韓国の保守派は2000年代からこれらを標的として

2023-03-25 20:48:04
花びんに水を☘ @chokusenhikaeme

嫌悪や憎悪の情動を動員してきた。こうした保守的なジェンダー観や情動の政治を共通の資源として、フェミニストと保守の間で共闘関係が成立したのである。  トランス排除言説を共有資源として、韓国と日本、英語圏のフェミニストのネットワークが広がりをみせている。

2023-03-25 20:48:04
花びんに水を☘ @chokusenhikaeme

アカデミアで信頼を築いてきた版元が、トランスジェンダーに対する嫌悪や憎悪を扇動する「学術書」を出版する。ジェンダー研究者が、「学間の自由」を掲げてトランス排除言説を積極的にとりあげ、批判を投げかけたトランス当事者を「素人」と呼んで黙投する。

2023-03-25 20:54:46
花びんに水を☘ @chokusenhikaeme

フェミニズムを専門とする大学教員が「こんな論文を講義でとりあげたらTERFと言われちゃうかな」と冗談めかして笑う。そのスペースにトランスの当事者がいないかのようなへテロノーマティヴな発話行為は、マイノリティ学生を大学から排除する。韓国でも、日本でも、さまざまなところで見られる光景だ。

2023-03-25 20:54:46
花びんに水を☘ @chokusenhikaeme

(高島鈴) 本稿がアーヴィング裁判を取り上げるのは、歴史修正主義(Historical revisionism)の手口とトランス差別言説の展開の仕方が酷似しているためである。  アーヴィングとはイギリスの歴史家デイヴィッド・アーヴィングで、この人物は反ユダヤ思想に基づいてホロコースト否定論を主張していた。

2023-03-25 21:37:36
花びんに水を☘ @chokusenhikaeme

アーヴィングは著書『ホロコーストの真実』の中で自分を批判してきたユダヤ系アメリカ人の歴史学者デボラ・リプシュタットに対し、一連の批判は名誉毀損に当たると言って訴えを起こした。 globe.asahi.com/article/115324…

2023-03-25 21:41:15
花びんに水を☘ @chokusenhikaeme

リプシュタットはアーヴィングの能力が歴史学者に値しないこと、アーヴィングが人種主義に基づいてホロコースト否定論を主張しているとを主張し、我判所はそれらの主張に基づいてアーヴィングの訴えを退けた。  リプシュタットはホロコースト否定論者との討論番組を打診されたが、それを断り続けた。

2023-03-25 21:45:08
花びんに水を☘ @chokusenhikaeme

ホロコースト否定論者に対して「肯定派」など存在しないからだ。そのような両論併記は、ホロコースト否定論に一定の信頼を与えてしまう。それを理解しているからこそ、ホロコースト否定論者は積極的に議論をしようと持ちかける。

2023-03-25 21:46:40
花びんに水を☘ @chokusenhikaeme

相手が議論に応じれば、あたかも「ホロコーストはあったかなかったか」という議論がまっとうなものであるかのように見せかけることが出来るし、相手が議論に応じなければ、それを根拠に相手を糾弾したり、自分たちは沈黙させられていると主張することが出来る。

2023-03-25 21:51:58
花びんに水を☘ @chokusenhikaeme

「議論しよう」という呼びかけは、どちらに転んでもホロコースト否定論にとって有利に働くのである。  トランス差別言説としてよく知られている「トランス女性に女風呂の利用を許してしまったら、女装して女風呂に入ってくる性犯罪者と区別がつかないから、〈女性スペース〉を守れ」に対して、

2023-03-25 22:08:19
花びんに水を☘ @chokusenhikaeme

トランスとアライがそのような差別的かつ限定的な問いかけに応じるよう要請されてしまう、その状況自体が問題なのである。  これは藤高和輝の論を引けば、暴力を受けやすい少数者がなぜか暴力を振るう側として想定されてしまう「想像的逆転」であり、トランスパーソンの生活実態に全く即していない。

2023-03-25 22:08:20
花びんに水を☘ @chokusenhikaeme

これはトランスの人びとを一方的に加害的な存在として想定する、一種の陰課論なのである。  このようなトランス差別的な間いかけに対して、素直に「いや、性犯罪者かどうかの見分けはつく」と応じてしまうと、主張が下敷きにしている差別的言説の土俵に「乗る」ことになってしまう。

2023-03-25 22:09:57
花びんに水を☘ @chokusenhikaeme

「相手の議論に乗る/乗らない」がどちらに転ぼうとトランス差別言説に与する点こそ、歴史修正主義との類似点として指摘しておきたい。リプシュタットがメディアでの討論を拒んだように、めちゃくちゃな主張をさも正当な議論であるかのようにふっかけてくるのに対し、直接的に応答するべきではない。

2023-03-25 22:16:39
花びんに水を☘ @chokusenhikaeme

付言すれば、アーヴィングは主張の中で、一貫して生存者証言の有効性を認めようとしなかった。トランス差別言説もまた、トランス当事者の声を聞こうとしない。トランスパーソンがどのように生きているのか、その現実をいっさい受け止めようとしない。

2023-03-25 22:21:01
花びんに水を☘ @chokusenhikaeme

(近藤銀河) 保守派の政治家とのつながりもある神道政治連盟の機関誌「意」の215号には、トランスジェンダー差別のありふれた差別意見をそのまま述べ立て、性的マイノリティはこのように過激だから同性婚を認めるべきではないとする意見が掲載されていた。

2023-03-25 22:39:57
花びんに水を☘ @chokusenhikaeme

自民党の山谷えり子議員は、こうした動きを行う急先鋒の一人だ(女性講員がたびたびこうした動きの矢面に立ち、立たされていることには注意が必要だろう)。  2021年にはスポーツを題材にトランスジェンダー差別の扇動を行いつつ、当時国会で議論されていた「LGBT理解増進法」への反対を表明した。

2023-03-25 22:39:57
花びんに水を☘ @chokusenhikaeme

山谷えり子議員は、20年前のジェンダーバックラッシュという、政治主導でのフェミニズム、ジェンダー論を狙った大規模なバッシングキャンペーンに安倍晋三元首相と共に関わった。この時に過激なジェンダーフリー論者というものが想定され、ジェンダーやフェミニズムに関わる物事が排除されていった。

2023-03-25 22:39:58
花びんに水を☘ @chokusenhikaeme

こうしたジェンダーバックラッシュは、2000年代のフェミニズム的な議論が、現在に受け継がれない遠因になっていて、それは同時にトランスジェンダー差別が現在起こる理由の一つでもあるのかもしれない。

2023-03-25 22:41:31
花びんに水を☘ @chokusenhikaeme

トランスジェンダーの受ける差別は固有のものであり、同時に差別に抗う多くの運動と不可分のものだ。   差異による共鳴こそ、差別による支配を打ち崩すのだと、私は信じている。

2023-03-25 22:47:31
花びんに水を☘ @chokusenhikaeme

(堀田季何) 〈人生で一番おいしいキスは去勢した猫と〉 〈地下鉄車内二十の眼球が性別を判断してくる〉 〈社会的無性身体的中性天使アダムの林檎詰まって死〉 〈帰園とは裸身体(バースデースーツ)脱ぎ捨つる〉

2023-03-25 23:16:05
花びんに水を☘ @chokusenhikaeme

(清水晶子) トランス・マスキュリンな人々の身体の正面を映さなければ、たしかに、その人物の身体正面のどこかにジェンダーの証拠を見つけてやろうとする視線は行き場を失うかもしれない。

2023-03-26 00:02:23
花びんに水を☘ @chokusenhikaeme

支配的な眼差しに「背を向ける」姿勢は、その眼差しのもとで尊厳を否定され生を脅かされるマイノリティが生き延びるための戦略であり、最終的に成功したとは言い難いとはいえ、分離主義フェミニズムにしても、そのようなサバイバルの必要に促されたものでもあったろう。

2023-03-26 00:02:24
花びんに水を☘ @chokusenhikaeme

支配的かつ敵対的な規線に向き合い、それを変えようとする試みは、言うまでもなく重要である。  けれどもそこにたどり着くために、マイノリティはまず生き延びなくてはいけないし、互いの生を承認し、生存を支え合わなくてはならない。

2023-03-26 00:02:25
花びんに水を☘ @chokusenhikaeme

支配的な視線に「背を向け」てエンゲージメントを拒否し、オルタナティブな規線を共有し、そして互いに承認のまなざしを向けること。そこから始めることを私たちは怖れるべきではないし、躊躇うべきでも、ましてや非難すべきでもない。  むしろ私たちは次のように問うべきですらあるかもしれない。

2023-03-26 00:04:41
花びんに水を☘ @chokusenhikaeme

私たちは、生を脅かし尊厳を損なう視線に十分に背を向けることができているだろうか。そこに規線を絡め取られることなく、オルタナティブな生が可能になる地平に目を向けられているだろうか。そして互いの生と尊厳とを認めあう視線を互いに十分に向け合っているだろうか、と。

2023-03-26 12:28:37
花びんに水を☘ @chokusenhikaeme

(水上文) 近年激化する差別言説の増大が「問題」として「発見」されるよりずっと以前から、トランスの人々は現実に様々な「問題」に直面させられていた。身体の完全なる自律性を否定する社会に、性別ニ元論とシスのみを想定する社会に、ユニバーサルなヘルスケアの欠如と欠陥に、

2023-03-26 12:31:59
花びんに水を☘ @chokusenhikaeme

性別承認法(特例法)の課す要件の厳格さと差別性に、学校での慮めに、就労における差別に、ハラスメントに、経済的剥奪に、性暴力に、国家による暴力に、不当な虐待に晒されていた。

2023-03-26 12:45:47
花びんに水を☘ @chokusenhikaeme

にもかかわらず、近年の差別言説によって「トランスジェンダー問題」が「発見」されたのだとしたら、真の問題はそこにこそある。ショーン・フェイが言うように、トランスの人々に関して生み出される「議論」の言葉がトランスの人々によって設定されることはめったにない。

2023-03-26 13:03:40
花びんに水を☘ @chokusenhikaeme

状況を変えるためには、問題の設定権をトランスの人々の手に奪い返すこと、トランスの人々が本当に直面している困難をこそ論じるべきである。  のみならず、トランスではない人々との共闘点を探り出し、ラディカルな変革に向けた連帯を喚起することである。

2023-03-26 13:03:41
花びんに水を☘ @chokusenhikaeme

(中村香住) 田中鈴はトランスジェンダーとフェミニストが共闘できると思われる点を挙げている。それは、「私」という個を生きやすくすることである。クイアを生きるとはすなわち個を生きることであり、フェミニズムも性別ニ元制から自由になった個を生きることを目指していると思われるからだ。

2023-03-26 13:17:28
花びんに水を☘ @chokusenhikaeme

具体的には、個を生きることを否定する社会制度、たとえば戸籍制度廃止や、それと連動する天皇制の廃止などが挙げられる。田中は、この点を突き崩すために福広い連帯が必要であると述べ、社会保障を戸籍単位ではない、個人単位の保障に変えることを共に目指すべきであると提起する。

2023-03-26 13:19:57
花びんに水を☘ @chokusenhikaeme

(近藤銀河) 抵抗だったはずのものが抑圧になる。

2023-03-26 13:31:11
花びんに水を☘ @chokusenhikaeme

(青本柚紀) ノンバイナリーとしての認識はトランジションの出発点も目的地も不在であるようなものだった。  出生時に割り当てられた性/別に耐えかねてそこから出て行くこと、ある種の『漂流』を経験することは、バイナリーなトランスジェンダーにもノンバイナリ一にも共通のことなのではないか。

2023-03-26 13:55:30
花びんに水を☘ @chokusenhikaeme

身体違和の薄く、移行らしい移行をすることのなかったノンバイナリーも自分自身のアイデンティティを説明する言葉を手にするまでは、決して単純に説明できない、行っては返しを繰り返す道筋を歩む。

2023-03-26 13:55:44
花びんに水を☘ @chokusenhikaeme

バイナリートランスにもノンバイナリーにも固有の経験はある一方で、出生時に割り当てられた性を生きることが耐えがたかったものとして連帯することは可能なのではないだろうか。🧵

2023-03-26 13:56:03
花びんに水を☘ @chokusenhikaeme

『反トランス差別 ZINE われらはすでに共にある』 反トランス差別ZINE編集部(青本柏紀、高島鈴、水上文)しまや出版, 2022.11.12. 電子版 pic.twitter.com/nlhWEYfovF

2023-03-26 14:02:49
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