2018年度に執筆した140字小説まとめ
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千月薫子 @Thousands_Moon4

今年の目標は ①1日一つは140字小説を書くこと ②1ヶ月に1つでいいから短編を書く にします。一年続けられたら大したもんだよね?頑張ろ!(※昨年はサボり気味だった)

2018-01-01 23:49:08
千月薫子 @Thousands_Moon4

退屈だ。人間が次から次へと新年の挨拶を我の前でしていく。神使は大慌てでその願いを含んだ挨拶を、聞き届けるか、否かを選別していく。我はただ、正装を身にまとって本殿にいるだけ。居なくても一緒だろう?見えないのだから。そう思うが、主神はいなければならぬ定め。難儀なものよ。#140字小説

2018-01-01 23:45:08
千月薫子 @Thousands_Moon4

僕には妙な特技がある。それは「贈られた言葉を絶対に忘れない」こと。誰にいつ、どこで、どんなふうに言われたか、逐一覚えていられる。傷ついた言葉、嬉しかった言葉、感心した言葉。変な特技だけど、僕は結構気に入ってる。僕を成り立たせている6割はその言葉たちなのだ。#140字小説

2018-01-02 23:27:25
千月薫子 @Thousands_Moon4

今日で3日目。来る人もほぼいなくなった。人間というのは薄情なもんじゃ。新年の挨拶で一年に一度、願いごとをするだけして帰るのだから。母上からお借りした神使たちも、4日目には全員帰ってしまう。また独りぼっちか。私は溜息をついた。長生きというのも楽しい事ばかりではない。#140字小説

2018-01-04 00:19:23
千月薫子 @Thousands_Moon4

あたしはもとの神様の元へ戻らなくちゃいけない。三が日を過ぎてしまえば、特別忙しくない小さな神社からはごっそりと神使が帰っていく。小さな小さな神様とお別れの朝。神様は寂しそうな目をしながら、それでも笑っていた。「今年はありがとう、助かったよ。大きな神様にもよろしくね」#140字小説

2018-01-04 19:29:37
千月薫子 @Thousands_Moon4

書けない。書きたいものがあるのに一文字も書けていない。自分に力がないせいなのだ。あるはずの言葉が掴めない。きっと自分のどこかにあるはずなのに。『想像したものは実現できる』先人の言葉に偽りはない。書きたいと思ったからには書けるのだ。探せ、思い出せ、掴め、そして綴れ。#140字小説

2018-01-05 17:40:35
千月薫子 @Thousands_Moon4

僕は言葉が話せない。正確には「僕が話す言葉は刃物になる」。悪口はもちろん、相手を思いやった言葉でも例外は無い。好きな気持ちも感謝の気持ちも言葉にした途端、それは刃になる。だから僕は口を噤む。誰も傷つけないように。その代わりに僕の心は押し込まれる。誰か僕と話して。#140字小説

2018-01-06 21:03:46
千月薫子 @Thousands_Moon4

私を一人にしないで。こんなに、こんなに頑張ってるの。誰かそばにいて。妹たちの面倒もお役目もちゃんとしてる。お気楽に隠居した両親のことも気にかけてる。家のことだって当主として頑張ってるの。お願いだから一人にしないで。じゃないと……「遊びたくなっちゃうでしょぉ?」#140字小説

2018-01-07 23:32:20
千月薫子 @Thousands_Moon4

からんころんと下駄の音。丹色の髪は空によく映える。刀を二振り携えて、大きな瞳を見開いた。「さぁ、鬼ごっこの始まりだよ」額の傷をつけた鬼、自尊と復讐を遂げるため、日ごと江戸の町をゆく。「仕留め損なうなよ」「芳野さん、お気をつけて」仲間の声も心強い。私はひとりじゃない。#140字小説

2018-01-08 23:54:54
千月薫子 @Thousands_Moon4

マスクはメガネの天敵。すぐに曇ってしまう。歩いている時にメガネの曇った人なんてカッコ悪いでしょ?でもね、人気の無い夜、そう、バイト終わりの帰り道なんかに、そんなことしてみたら、お手軽に雪景色が体験できるよ!馬鹿っぽいけど、ぼやけた街頭が素敵だから、ぜひ試してみてね。#140字小説

2018-01-09 23:59:34
千月薫子 @Thousands_Moon4

華やかな夜街に三味線が、その涼やかな音色をかき鳴らす。今日は満月。吉原の遊女はいつもより一層輝く月を見上げる。木の格子を通して。そしてまた目の前に視線を移すのだ。手の届かない月などに憧れを持つよりも、目の前の客に艶を振りまこう。さぁ、「わっちと一夜を過ごしんす」#140字小説

2018-01-10 23:58:07
千月薫子 @Thousands_Moon4

私が書いた、初めて書いた、小説というのもおこがましいものを、彼は笑った。ただ笑った。私は恥ずかしかった。拙いから笑われた。たった1作しか書いていないのに、私は書くのをやめた。数年後、再会した彼の言葉は忘れない。今も書いてるんでしょ?と言ったのだ。あの時と同じ笑顔で。#140字小説

2018-01-11 23:14:12
千月薫子 @Thousands_Moon4

無口で、手が器用な君をからかううちに好きになった。一緒に生徒会をして、お出かけして。登校すると、気づいたら君の机の横にいた。「おはよう、今日も早いね」と声をかけて。からかうことでしか接点を持てない幼稚な私は卒業式で貴方に伝えた。こんな私に「ありがとう」って言ったんだ。#140字小説

2018-01-13 00:35:52
千月薫子 @Thousands_Moon4

太陽が照る中、明らかに高身長で美麗な容姿が視界に入る。思わず刀に手をかけた。一足飛びに行って首を飛ばしたい衝動に駆られる。早くなる心臓に、ひとつ呼吸を置く。待て、私は今ひとりじゃない。切りかかってはまた狗にうるさく言われてしまう。思わず口元が緩んだ。「芳野、橘行くぞ」#140字小説

2018-01-13 21:39:10
千月薫子 @Thousands_Moon4

あ、チークの器の底が見え始めた。去年の9月に買ったのだから、4ヶ月くらいかな。大学デビューというにはかなり遅い時期にメイクをやり始めたけど、徐々に上手くなってる……はず。丸い無難な色の容器を室内の電気にかざしてみた。次は何色を買おう。ケースの向こうに未来を感じた。#140字小説

2018-01-14 23:37:45
千月薫子 @Thousands_Moon4

お腹の中がからっぽ。こういう時って、食べ物の代わりに平常心を消費されてるんだ。お腹すいてカリカリする人いるでしょ?何も食べないでいると、勝手に脳が判断して、心の余裕を食べちゃうんだ。どうすればいいかって?そりゃもう、美味しいものをいっぱい食べることだよ!簡単でしょ!#140字小説

2018-01-16 00:01:48
千月薫子 @Thousands_Moon4

年も明けてはや2週間が過ぎた。神使だけでなく、ばいと、とやらで巫女の仕事をしていた人間たちもめっきり減ってしまった。元旦とは違った退屈さ、孤独を感じるのぉ。本殿でぽけ~っと天井を眺めていた時に、呼び鈴の役目がある大きな鈴が音を立てた。今さら誰が願いに来たのだろうか。#140字小説

2018-01-16 23:59:12
千月薫子 @Thousands_Moon4

腰を落として、差した刀に手をかける。かすかな金属音が聴こえるやいなや、抜き放って中段の構え。下から斜めに切り上げ、同じ軌道で切り下げて袈裟斬り。一歩前へ左手を上げて防御。息を詰めて一つ一つを素早くこなす。日々の鍛錬は忘れられない。詰めていた息を一気に吐いた。負けない。#140字小説

2018-01-17 22:25:31
千月薫子 @Thousands_Moon4

地図の上へ、桃、狗、申、雉の駒を置いていく。ついで、鬼の駒を。頭の中で幾通りもの状況が組み上がっては消えていく。死なせない、かと言って怪我もさせない。目を閉じた。最高最善の策を。「……できた」目を開いて、薄笑う。さぁ加宮班所属、雉の造った包囲網、鬼さん逃げられるかな。#140字小説

2018-01-18 22:30:45
千月薫子 @Thousands_Moon4

夜に紛れて人を斬った。生きるためには仕方がない。でも空腹を諌めたらすぐに家へ帰ろう。食べることよりも大切なことがある。人を見下ろすと、ふと、あるものに気づいた。懐から本が2冊ほど、顔を出していたのだ。あぁ……。途端に眉を下げる。君と私、仲良くなれたかもしれないのに。#140字小説

2018-01-20 00:40:50
千月薫子 @Thousands_Moon4

「勝負あり!」貴方が飛ぶ時、世界がゆっくりに見える。長身を活かした上から落とす竹刀の軌道。しなるさま。貴方を示す赤い旗が即座に3本あがる。文句なしの面打ち。身長差というのはどうにもならない、と思いがちだけど、そんなことない。私は貴方に勝ってみせる。足元すくってやるよ。#140字小説

2018-01-20 23:12:37
千月薫子 @Thousands_Moon4

【あなたの言葉が本になる】新しい製本所ができた。そこへ出向くのは大体、おじいちゃんやおばあちゃん。綺麗な装丁の分厚い本を抱えて幸せそうに帰っていく。僕はその背中を見送る。同じ装丁の本を抱えて。ここには背もたれ付きの椅子がふたつだけ。文字通りあなたの言葉を本にする。#140字小説

2018-01-21 20:33:35
千月薫子 @Thousands_Moon4

雪が音を吸い込んだ。道路の真ん中に立っても車は来ない、人もいない。いるのは私1人。はしゃいで走ったり写真撮ったり、雪だるま作ってみたり。どさっと音がした。ふと背後を見てみる。誰もいない。きっと雪が落ちたんだ。私は雪だるま作りに戻った。雪が吸い込むのは雪の音だけ。#140字小説

2018-01-22 23:37:46
千月薫子 @Thousands_Moon4

『神様に、会えますように』正月も終わる頃、その願いは神様に届いた。純粋な気持ちが色濃くかおる願い。寂しく退屈だと思ってた自分の体に暖かく染み込むようだった。私に会いたい?本当に?本殿の扉からじっとその子を見つめる。小さな小さな神様は嬉しくて、扉を勢いよく開け放った。#140字小説

2018-01-23 23:39:21
千月薫子 @Thousands_Moon4

扉を開けてもあの人間の子の目に姿がうつる訳ではない。開け放った状態のまま、神様はしばし立ち止まった。その子が頭をあげてこちらを見てはくれまいかと淡い期待を抱いて。子は本殿へと顔を上げた。そしてニコッとわらってくるりと背を向け駆けていく。その目は私の目を見ていなかった。#140字小説

2018-01-25 04:00:44
千月薫子 @Thousands_Moon4

人を愛すると命を奪う。そんな厄介な化け物に生まれてしまった。でも、なんてことは無い。愛さなければいいだけの話だ。第一、私は人には見えない。飄々と男を愛でるような流浪をしていた。「君は……?」肌がざわつく、胸が苦しくなる。でも大丈夫。愛さなければいいのよ。大丈夫大丈夫。#140字小説

2018-01-26 00:57:47
千月薫子 @Thousands_Moon4

できた。絵が、小説が、詩が、歌詞が、曲が、短歌が、川柳が。うまく出来た?取り敢えずできた。最高の出来だ。最低の出来かも……。完成品に思うことは十人十色。でもそれは置いておいて、うまれてきた作品に感謝を。そして頑張った自分を褒めましょう。貴方の初めての作品はなんですか?#140字小説

2018-01-26 23:41:17
千月薫子 @Thousands_Moon4

親と喧嘩した。進路のことで、親は馬鹿馬鹿しいと切った。逃げに行くのは決まって貴方のところ。貴方は電話越しで優しい声で言った。「大丈夫、お前はよくやってる。俺はよく知ってる。お母さんも何か考えがあるんだよ」よしよし、と。いつでも私を見てくれる。私は一筋、涙を流した。#140字小説

2018-01-27 21:47:46
千月薫子 @Thousands_Moon4

雪で作った地球上のどこにもいない私が作った生き物は、日を追う事に溶けていく。口がだらしなく空いていき、目は虚ろに、片目の石なんてどこへやら。玄関先にいるその子を見るたびに切なくなった。無残な姿を見るならいっそ、でも壊せない。ゆっくり、空へおかえり。また来年おいで。#140字小説

2018-01-28 20:29:16
千月薫子 @Thousands_Moon4

あれほどに歌に読まれ、情景に組み込まれ、子供たちに遊ばれた雪は見る影もない。道路の隅に高く積まれ、薄汚く汚れていく。そんな雪たちのささやかな怒りだろうか。雪解け水はアスファルトの表面に氷をつくった。毎日、そこを歩く人が転びそうになる。雪たちはこれで満足だろうか。#140字小説

2018-01-30 00:33:36
千月薫子 @Thousands_Moon4

「今から帰るね」携帯からうつ言葉に笑いがこぼれた。「うん、待ってる」さらに顔が緩む。帰りを待ってくれる人がいる。それだけで一日の疲れが癒されるみたい。待ち受け画面に戻すと、犬のように満面の笑みを浮かべる彼の顔があった。きっと玄関でおかえりって言ってくれるんだ。#140字小説

2018-01-31 00:16:56
千月薫子 @Thousands_Moon4

やりたいことがあるのに、やれない。やらない。そんな現象を風羅坊なんて名付けたのはどこの時代の人だっけ。センスのある名付けをしてみたいもんね。小説を書きたいのに書けないのも風羅坊の仕業かな?アイデアがわかない現象にも誰か名前をつけてよ。寝転がってそんな戯れ言を打つ。#140字小説

2018-02-01 22:52:40
千月薫子 @Thousands_Moon4

お琴に舞、茶道に華道。親に習わされたものは数しれず。嫌だと思ったことはないし、両親には感謝してる。それのお陰で今の職に就けたのだから。腰には本差しと大脇差。肘を預けながら、今日も江戸の街をゆく。陽の光を受けて、毛先の縹が僅かに浮き上がった。「さぁ鬼たちと削り合いだ」#140字小説

2018-02-02 23:29:55
千月薫子 @Thousands_Moon4

桃組から敵の情報を。申組から今の天候、鬼の動向。狗組から街の状況が知らされる。地図を広げ、頭の中で、次々と班員が傷を負っていくところが浮かんでくる。あたしの作戦に怪我は当たり前。この方針変えるつもりは無い。それのお陰で楽に事が進むこともあるのだ。「覚悟はいいかぃ?」#140字小説

2018-02-03 23:24:12
千月薫子 @Thousands_Moon4

「あの子可愛いよなぁ」放課後の校庭で鼻の下を伸ばすアホな友人に俺はため息をついた。確かに彼女は可愛いが、実はとんでもなく性格ブスであることを俺は知っている。突如、何かが俺の顔面を襲った。見事に後ろへ倒れ込む。「ねぇ!絆創膏どこ!!鼻血出た!!」友よ、そこはティッシュで頼む。

2018-02-03 00:15:57
千月薫子 @Thousands_Moon4

浴槽の三分の一にも満たないお湯にめいっぱい沈んでなんとか温まる。最近はお湯があまり残ってない。成人式のためにと伸ばした髪がお湯に漂ってクラゲのように広がる。電気に透かしてみると、案外茶色い色をしてるんだな。どうしても出てしまう膝や肩が寒い。今度からもう少し早く入ろう。#140字小説

2018-02-04 21:37:10
千月薫子 @Thousands_Moon4

シャッター街の端、空き地を挟んだところにその本屋はある。大きな木の板に店名が書かれていたのだろうか。だがそこには何も書かれていない。周囲の人は「名無し書店」と読んでいる。「あなたのための本を見つけましょう」そんな立て看板が出ていた。これはとある少女と本にまつわる物語。#140字小説

2018-02-06 00:25:32
千月薫子 @Thousands_Moon4

布団の中、別のぬくもりを感じて起きる日常。その度に私は幸せに顔が緩む。自分よりも大きい体をそっと撫でた。年相応の子どもっぽさを残した寝顔を胸に引き寄せる。愛されることなど考えてもいなかった私に幸せをくれた此方に。今日も怪我が無いように。私はそっと口づけを落とした。#140字小説

2018-02-07 01:40:07
千月薫子 @Thousands_Moon4

「あなたに新たなトビラを」そんな謳い文句がマジックで書かれた張り紙が貼られている。古そうなお店がそこにあった。ガラスの引き戸をのぞき込むとそこには本がずらり。どれも真新しい装丁がされている。「入らないの?」背後から声がした。振り向くと、金髪の少女がこちらを見ていた。#140字小説

2018-02-07 22:30:38
千月薫子 @Thousands_Moon4

ある図書館の奥の奥。子供の本じゃなくて大人の本がある大きな書棚には一番下の段に『ようこそ』と書かれた本がある。手に取るとカチリと機械音。壁に接した本棚がドアのように開いた。そこには優しい光のランプが照らす小さな書店があった。「本はご自由にお持ちください、お代は感想で」#140字小説

2018-02-08 23:54:59
千月薫子 @Thousands_Moon4

午前2時29分。テレビが突然本棚を映し出した。そしてひょっこりポニーテール姿の女性が姿を現す。この夜中のせいか、笑顔がとても不気味に感じる。「こんばんわ、夜更かしされているそこのお客様。当店では人"ならざるもの"が書いた本を多数取り揃えております。おひとついかがですか?」#140字小説

2018-02-09 23:34:41
千月薫子 @Thousands_Moon4

夜が明ける頃、とあるポストに物語を投函する。なんでもいい、拙くても短くても長くても自分が作った物語であれば。そうするとポストが地下に埋まって、通路が開かれる。そこは貸本屋さん。資料や古典、図鑑や年鑑が揃ってる。投函した物語に関連したものばかり。煮詰まったらおいでませ。#140字小説

2018-02-12 00:50:28
千月薫子 @Thousands_Moon4

望まれて生まれてきたのか。いつから?裏切り、劣等感、羨望。そんなことをきっかけに生まれる僕は他者への感情だ。だけど生まれてきた僕はいいことを生み出さない。唯一次へ繋げることができるのは負の連鎖。新たな「僕」を生むこと。僕は「憎しみ」常に負の感情と共にあるもの。#140字小説

2018-02-13 00:49:41
千月薫子 @Thousands_Moon4

100枚綴りの原稿用紙を取り出して、ナイフで削った鉛筆を手に、右手を真っ黒にしながら一心不乱に書いていく。1時間程経っただろうか。「できた」と呟いた彼はできた分の原稿用紙を留め具から切り離した。バッと空中に投げ出すと原稿用紙はぎゅっとひとつの生き物になった。彼は命をつくる。#140字小説

2018-02-15 00:16:52
千月薫子 @Thousands_Moon4

懐かしい同性の親友から連絡がきた。久々に会おうよ、伝えたいこともあるんだ、と。派手すぎず、かと言ってあの頃とは違うとわかるようなメイクと楽な服で会いに行く。 「沙織!」 あぁ、私の名前。あだ名が多くなってしまってあまり呼ばれなくなった私の名前。まだ、呼んでくれるんだね。#140字小説

2018-02-15 23:40:56
千月薫子 @Thousands_Moon4

何もうまくいかない。お手洗いの鏡の前で大きなため息を吐いた。事を成そうと気持ちが焦るばかりですべてが中途半端になる。折角綺麗におろした髪も目にかかるのが鬱陶しい。怒りに任せて思いきりかきあげた。お気に入りの緑で引き締めたメイクに浮き足立っていた自分が恨めしい。乱暴に唇を拭った。 twitter.com/amber_sns/stat…

2018-02-16 22:30:10
千月薫子 @Thousands_Moon4

甘党な私の人生にあってはならない味に出会ってしまった。上のクリームに騙された。可愛い形だから甘いんだって決めつけていた。初めて入った大人っぽいカフェ。運ばれてきたそれは思ったよりも小さめのカップだ。飲んだ瞬間に思いきり顔を歪めた。大人の世界を知った気がした。#140字小説

2018-02-19 11:51:06
千月薫子 @Thousands_Moon4

犠牲無き勝利など有り得無い。誰も怪我させないと宣う策士が居ると聞く。所詮は全員人なのだ。その人が人とよく似た人成らざる者を相手取る。怪我はせねばならない。決して班員の性能が劣る訳でなく、あたしの性悪な作戦方針のせいだ。まだまだ甘いな。あたしの過去はおいおい話そう。#140字小説

2018-02-19 14:19:09
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まとめたひと
千月薫子@固定ツイ通販 @Thousands_Moon4

千月薫子(センヅキ カオルコ) ⚡️🧪🍫と申します。ることお呼びくださいませ。主に一次創作の字書き20↑140字掌編作家。相棒(@ame_susk_ringo)とサークル名:つれづれえんにちで活動中。nyanyannyaさん尊敬/アイコンは至極お姉さま@N_satiwo

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