床に映った君の影法師。 #140字小説 #深夜の真剣140字60分一本勝負 (@140onewrite) pic.twitter.com/MuC5haQ2It
2021-06-19 22:00:03#深夜の真剣140字60分一本勝負 (@140onewrite) ①君の心臓 ②鷲掴み ③カーテンに隠した pic.twitter.com/TAxC3QWlOQ
2021-06-19 22:00:56「ねえ、花育ててるの?」 「ううん。どうして?」 「下から見た時、プランターみたいなのが見えたからさ」 「そのうちやる予定だよ」 「見せてね?」 「いつかね」 笑う私の後ろ。布で遮ったベランダでは、一輪の赤い薔薇が咲いていた。 カーテンに隠した私の本音は、今日もあなたに言えずじまいだ。
2021-06-19 22:09:26「切なさは閉じ込めるもの」 「カーテンに隠した」のみ #深夜の真剣140字60分一本勝負 #140字小説 @140onewrite pic.twitter.com/SQif5XbKeS
2021-06-19 22:09:38あの人の痕跡をカーテンに隠した。ふらっと訪ねて来てはベランダで煙草を吸っていた。窓ガラスに残る掌の形が今でも私の心を鷲掴みにしたまま。 風が強まるほど激しく抱かれた。俺は君の心臓を壊してしまうだろう、と耳元に溶け入る息遣い。 胸に生じる感覚だけ残し、別れも告げず消えたあの人は何処。
2021-06-19 22:11:48開催ありがとうございます。 #深夜の真剣140字60分一本勝負 @140onewrite お題 「鷲掴み」 pic.twitter.com/b25FbWlL27
2021-06-19 22:13:59その夫婦は、離婚届を置いたテーブルを隔てて座っていた。 「カーテンに隠したのって、もしかして……」 怒りに震えた私は、夫の胸ぐらを強く鷲掴みしている。せっかくの結婚生活をぶち壊したのは、夫の裏切りともいえる行為である。 「そ、それは……」 「いくら言い訳してもそうはいかないからね!」
2021-06-19 22:15:26取り替えたカーテンに隠したのは殺してしまった教師の死体。 私の心は冷え切っていた。殺人者になってしまった。 「君の心臓を頂戴。処理してあげる」 「心臓?」 「心だよ。君のこと好きだから罪を共犯したいなって」 彼女が微笑む。私の心が鷲掴みにされる。 心臓、あげる。
2021-06-19 22:16:11#深夜の真剣140字60分一本勝負 @140onewrite お題: ①君の心臓 ②鷲掴み ③カーテンに隠した #木槿国の物語 「君の心臓を鷲掴みしたい」というラノベありませんでしたっけ(笑)。 pic.twitter.com/irPdzn6HzV
2021-06-19 22:23:29ブルーライトのカーテンに隠していたのは花のかんばせ。ガラス越しの君の心臓が脈打つその瞬間、僕の呼吸は止まる。彼女は今ここで生み出されてしまったのだ。「はじめまして」と鈴を転がすような声がスピーカーを震わせる。知らない仲じゃないだろ?愛おしいその姿に声をかける。久しぶり、僕の初恋。
2021-06-19 22:31:43こんにちは。君の声は、あまりにも、想像通りだった。その時すでに、心は鷲掴みにされていたのかもしれない。離れて歩いても、とくとくと、君の心臓の音が聴こえてくるような気がしていた。行ったお店の香りは、今も覚えていて、秘密のカーテンの中に隠している。誰にも、想いを、さらわれぬように。 pic.twitter.com/uaqhtOTpTh
2021-06-19 22:34:51放課後の部室には僕ひとり。運動場で走る君を紙に描きとめていた。急にドアが開いたので、僕は描いた絵を鷲掴みにして、慌ててひっぱったカーテンに隠した。入ってきたのは先輩で、君の心臓の音が聞こえてきそうだと僕の動揺をわらった。微かにゆれるカーテンの向こうにある絵は、先輩に似た弟の君。
2021-06-19 22:43:23放課後の部室には僕ひとり。運動場で走る君を紙に描きとめていた。急にドアが開いたので、僕は描いた絵を鷲掴みにして、慌ててひっぱったカーテンに隠した。入ってきたのは先輩で、君の心臓の音が聞こえてきそうだと僕の動揺をわらった。微かにゆれるカーテンの向こうにある絵は、先輩に似た弟の君。
2021-06-19 22:43:23校庭からふと教室を見上げ、見てしまった。カーテンの影でキスしている君。 君と初めて話した日から鷲掴みにされたままの僕の心臓がきゅっと痛む。彼女が帰って行くのを見届けた後、こっそり教室に行って同じカーテンにくるまった。僕の恋心はここに置いて隠していこう。彼女が幸せになりますように。
2021-06-19 22:56:16