寂しがり本丸の話のまとめ

若葉ミドリ @wakabagreen_x

このままでは永遠に書き終わらないなと思ったのでキリのいいところまでを切り取って投稿しました しろい枕を抱いて死ぬ | 若葉ミドリ #pixiv pixiv.net/novel/show.php…

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投稿しました。なんやかんやあってししくりになる話です。 かいなに龍と鵺を抱く | 若葉ミドリ #pixiv pixiv.net/novel/show.php…

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寂しがり本丸のゆかいな仲間たち 審神者:「なんとなく」で世渡りをしてきた男。割と頭は空っぽ気味。 鶴丸:軽いというか密度が低い。生と死の概念の間を反復横跳びしている。幽霊。 同田貫:鶴丸に憑かれた。割と人懐こい個体。目の下のクマが取れない。

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大倶利伽羅:大型猫。人を見る目はあるつもり。あったかいところが好き。束縛されるのは嫌い。 獅子王:端的に言って妖怪。相手を据え膳に躾けるタイプ。年の功。 燭台切:身内は囲う派。どうしてこうなった。もう貞ちゃんしかいない。 貞ちゃん:服の下に兄と同じ秘密がある。全受容型聖母。

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亀甲:燭台切に欲求の発散方法を教え、弟の未来に不安を感じつつ二人の関係性構築に貢献した。S役もできるM。 青江:突然降って湧く。消えるところは誰も見ていない。本人にも神出鬼没が制御できない。 山伏:現状青江の神出鬼没に唯一リードつけられる刀。自分のパブリックイメージを理解している。

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浦島:海が目から出てくる体質。その度に何かを忘れているらしく、忘れたことは亀吉が覚えている。 長谷部:どことなく体型が細い気がする。声を出すことに苦手意識がある(本人談)。 日本号:他個体よりやや若くて青い。長谷部を泣かせた責任をどう取るべきか悩み続けている。

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前田:一応初鍛刀だが本人はその事を知らない。靴に拘りがあり、最近はスパイクシューズで出陣中。 御手杵:脇差のいる部屋を転々と渡り歩く根無草。自我の存在を疑われる程のお人好し。夜目利かないのに夜行性。 宗三:寂しがり本丸近侍最多刀。審神者が死ぬ時の副葬品になってやろうと思っている。

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本丸の仕組みに思いを馳せてる 考える審神者の本丸は信仰心エネルギー増幅装置も兼ねてる特殊空間だったけど寂しがり本丸は「なんとなくこんな感じ」というぼんやりふんわりしたイメージが支配してると思う

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そもそも寂しがり本丸の審神者は「本人は無宗教無信仰だと思っているが遺伝子レベルで信心深い」という典型的日本人的宗教感の煮凝りみたいな生き物なので「まあだいたいそういうもんなんだろう」みたいな無意識レベルの思い込みがそのまま反映される仕様になってる

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審神者が思えば神秘化するし高度テクノロジーも適用される あの本丸の刀剣男士は審神者の「付喪神っつっても実情は人型汎用決戦兵器みたいなもんでしょ？」という「付喪神」「兵器」の両イメージから存在が固定化されているのでなろうと思えばどっちにもなれる 霊力みたいなのは測定不能になると思う

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というか「測定するまで付喪神か兵器かわからない」という量子力学的方式だと思う そんな感じで存在がだいぶぼんやりしてるので鶴丸は気に入った相手を特定のルールの中に押し込むタイプの取り憑き方する幽霊になるし獅子王はテリトリーに迷い込んだ見目良い若者を取って食う妖怪になる

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寂しがり本丸に他の本丸の刀剣男士が来たら「なんとなくこんな感じ」のぼんやりふんわりしたイメージ空間の「ルール」に存在が侵蝕されて霧散するか同化するかして変質するから多分長居しちゃいけない

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だからあの本丸には亜種に足突っ込んだ男士が多いのだ

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逆に他所の本丸に行ったらどうなるんだろう なんとなく「誰が来たのかは覚えているのにどんな顔でどんな振る舞いだったかの細部が微妙に思い出せない」みたいな現象が起きるかもしれん 幻かなんかか？ 万屋街にもあんまり行かないかもしれない 「常連客」になれないから

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寂しがり本丸 外側と繋がれないので内側だけで繋がり続けないといけない 故に寂しがり

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亀甲燭台切貞ちゃんの奇妙なSMヒエラルキーの話、複雑だから書けないかもしれないな あらすじを言うと燭台切さんの亜種特性・囲い込みたがりの性質をどうにか抑制できないか悩んだ貞ちゃんが亀甲さんに相談を持ちかけて「一回縛り縛られしてみるのはどうかな？僕が監督するよ」ってなったんだと思う

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結果として亀甲さん監督のもと貞ちゃんを縛ってみることになった燭台切、あまりの「しっくり」と眼前の光景の異様さに一瞬正気に戻ってめちゃくちゃ怯えるんだけどバッチリ興奮してるのを見留めた亀甲さんに「ようこそ、〝こっち側〟へ」ってマウンティングされて戻れなくされてしまう あーあ

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物理的に束縛してると安心して精神が安定してしまうことが判明した燭台切のために服の下にずっと紐付けてあげてる貞ちゃん、まあこれでみっちゃんが落ち着くんだったら俺は全然いいぜ！ってめちゃくちゃいい笑顔で許してくれるので背徳感でめちゃくちゃになってしまう燭台切の性癖

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亀甲さんは「丸くおさまったみたいでよかったよかった……けど……本当にこれでいいのかなァ〜〜〜……………どうするんだろ真剣必殺とか…………」って冷静になって見ることができる程度には良識を持ち合わせているんだけど一瞬正気に戻った燭台切がなんかかわいかったのでヨシとしている

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うちの青江さんと山伏さんの馴れ初めの話をしよう。というか今からイタコして聞くのでおれも初めて聞く話だ。 出会いというかはじめての会話は山伏さんが山に入って滝の調査(水質とか、滝行できそうかとか)をしてる時に、内番着でふらっと現れたらしい

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この山というのは本丸の裏山で、まあジャージにブーツでも登れないことはないんだが、山伏さんがいたところは山のかな〜り奥まったところで本人もキチンとした登山装備で来てたぐらいだったので、まあ驚いた 当時の山伏さんから見た青江さんはちょっと変な子だけど無茶をする子では無かったからね

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でも、それを叱ってももう来ちゃってるもんはしょうがないんで、なんでこんな装備でこんなところにいるのかって聞いたのね したらば「わからない」「たまにこうして人のいる所に『出て』しまう」「帰り方もわからない」というので山伏さんは困ってしまった まいごのまいごのあおえさんである

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前にも少し話したが、うちの本丸の青江さんは「降って湧く」個体である 墓の逸話から半死半生の概念的「幽霊」である鶴丸と違い、こっちは怪談話に出てくるようなオバケの「幽霊」の性質がある亜種個体 本人の気質は比較的朗らかで人懐っこいんだけど、誰も見てない瞬間にふっと消えてはどこかに湧く

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本人にもそれは制御できないらしく、毎回どこに湧くのかもわかっていない 大抵は誰かの背後に出るので、「ねえきみ、」と声をかけて場所を聞くんだけど、まあ突然降って湧いてるわけだから驚かせてしまうのが目下の悩み、という話を、慣れない山道で手を貸し借りしながら青江さんは山伏さんに話した

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事情はわかったし同情もするけれど山伏さんにはどうしようもできなかったので、とりあえず青江が近くにいるときはふっと消えてしまわないように気にかけておこう、と決意した山伏さんであった 青江さんはこの話を人にキチンと話すのは初めてで、ちゃんと最後まで話を聞いてくれたのが嬉しかったらしい

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で、しばらくは何事もなく、まあ神剣回想があったり、一緒に出陣してみたり、降って湧いたり、日常を過ごしていたわけなんだけど、山伏さんがよく気にかけてくれるので、青江さんはご飯を食べる時に山伏さんの隣に座ることが増えた 石切丸さんとか他の脇差に誘われない限りは大抵山伏さんの近くにいる

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このとき青江さんは一人部屋、山伏さんは布の方の弟と一緒に暮らしてたんだけど、ある時青江さんが寝ている間に降って湧いちゃって、朝起きたら本丸の道場の隅っこで寝っ転がってたなんてことがあった 朝早くに鍛錬しに来た蜂須賀をすごく驚かせてしまったとしょんぼりする青江さんであった。

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さて、このしょんぼりする青江さんの斜向かいでもりもりご飯を食べていたのが布の弟、もとい写しの方の山姥切である。この弟、実は初期刀なのだが、審神者の方針で他の刀と完全に横並びにされており、初期刀らしい先輩風とかリーダーシップを発揮できないまま燻っていた政府からの配布刀である。

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この弟、頼れるお兄ちゃんが最近背の高いゴリゴリ実戦刀の脇差の話ばっかりするのでちょっと「ふーん」と思いつつ、お兄ちゃんが気に入ってるならいい奴なんだろうな、という目で青江さんのことを観察していた。その青江さんがしょんぼりしているので、流石に気にかかる。

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そこで、まあ初期刀であることだし、この青江と最近仲のいい山伏国広の弟であることだし、写しの身なれど話ぐらいは聞けるはずである、初期刀だし。相談してみろちょっとぐらい、となけなしの自尊心とかを総動員して話を聞いてみた。で、打ち出した解決策がこれである。

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「うちの兄を貸そう」

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もともと彼らはモノであるので貸し借りという単語を使うのに特に支障はないのだが、貸された山伏さんはほんのちょっぴり困惑しつつ、青江さんがひろびろ使っていた二人部屋の右半分を使わせてもらうことにした。不束者ですがどうぞよろしく、と言い添える。

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おおむねこのように始まった同室生活であるのだが、まあ一緒に暮らしていれば愛着も湧くというもので……なんやかんやがこの間にあり、山伏さんと青江さんはこの本丸の名物コンビとなり、石切丸さんは遠くから眺めつつちょっぴり指を咥えたりしている。のだった。とっぴんぱらりのぷう。

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寂しがり本丸の長谷部は女性です

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何度も言っているが初っ端35振鍛刀の本丸なので顕現時の挨拶も実はなあなあになっている刀が多く、長谷部もその一振。声の高さも体型の違いも審神者が近侍に呼んでみるまで発覚しなかった。なんのミームを吸収したのか知らないが体の形だけがそんな感じになっている。

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数か月様子を見て生殖機能がないことは確認済み、との自己申告と、出来れば自分が女性であることはばれたくないとのことで声の高さを隠すべくひたすら無口、話下手、コミュ障人見知りエトセトラで押し通そうとしたところ日本号が顕現して回想発生

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ここの長谷部は通常個体より二重三重に話せない理由があるのにこの日本号は他個体よりも若くて青くてぐいぐい来るタイプであった。なんていうかこう、遅咲きの青春って感じ。少女漫画でヒロイン役とヒーロー役の関係性が拗れるときみたいなイベントが発生し、長谷部が泣いた。

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寂しがり本丸、日光も福島も来ていない。宗三は審神者から長谷部の体の事情を聞いており全面的に長谷部の味方だ。博多は人間関係の駆け引きには明るくないし、厚も同じく。蜻蛉切は論外である。日本号と長谷部の仲を取り持つ男士はここにはいない。

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もう元の主の話とかは一旦脇に置くしかない。この避けられ続けてる上にたまに目が合うと怯えられてる現状をなんとかせねばなるまい。日本号はとても困っていた。なお御手杵も長谷部から相談を受けて困っていた。俺は刺すしかできないので男女の仲は取り持てません。

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まあでも長谷部困ってるしなあ。御手杵はいいやつだった。とりあえず日本号に怖がらないでいいように慣れていこうぜ。俺の後ろに隠れていいからさ。そんなわけで長谷部を傍にくっつけて日本号の周りをウロチョロする御手杵が爆誕する。なんでお前が長谷部と仲良くなってんだ。日本号ブチギレ。

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日本号は長谷部とおしゃべりがしたいだけなのだ。なのに話しかけに行くと御手杵の後ろに隠れられてしまう。仲は拗れた。巴形はその様子を元に少女漫画を描き同人誌を刷って通販に流した。静形は引いていた。

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巴「そのうち実力行使に出るだろうな。拉致監禁とか」 静「その前に止めるわけにはいかんのか」 巴「長谷部も刀だろう。いざとなれば日本号を切って捨てるくらいのことはできよう」 静「その前に止めるわけにはいかんのか」

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案の定思いつめすぎた日本号が蔵の中に長谷部を拉致監禁しようとしたが、蔵の中には大典太が居たので未遂に終わった。流石の大典太も目の前で同僚がいろいろヤバげな目にあっていたら下手人を殴って止めるぐらいのことはする。

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結局審神者の前で膝を突き合わせての謝罪会合が発生し、しばらくの鎮静期間を挟んで、互いに文を送りあう仲になった。一筆箋には藤の花。最近は一言二言なら言葉を交わせるようにもなったらしい。 なお大典太は日本号と顔を突き合わせるたびに威嚇の波動を発生させるようになった。やむなし。