SCP財団世界におけるテルマエ・ロマエ

私はケントゥリオP。現在療養中。 @centurio_P

SCP‐130-romeは130年頃（ハドリアヌス帝統治期）の古代ローマ人を自称する成人男性です。インタビューによると皇帝付きの浴場を専門とするローマの建築技師でアテネにて最新技術を学び、また有事には兵役も経験したことがあると証言しています。

私はケントゥリオP。現在療養中。 @centurio_P

SCP-130-romeは東京都██区の銭湯で湯船から突如出現し、古典ラテン語を呟きながら銭湯の備品を次々と手に取り、鑑賞していたところを偶然戦闘に居合わせたエージェント██が保護しようとしたところ、簀子を盾として抵抗した為、そのまま1時間の乱闘の後、鎮圧。改めて保護されました。

私はケントゥリオP。現在療養中。 @centurio_P

SCP-130-romeはその後、インタビューを繰り返した結果、現状をある程度認識し、財団に協力的な姿勢（同時にローマへの帰還を希望していました）を見せていましたが20██/██/██突如、収容施設から消失。収容違反により捜索が行われていました。

私はケントゥリオP。現在療養中。 @centurio_P

幾度の捜索にも関らずSCP-130-romeは発見されていませんでしたが20██/██/██、静岡県██温泉にて「突然湯船から外人が現れた」という噂を聞きつけ、財団職員が急行。██旅館にてSCP-130-romeを再発見、保護しました。関係者にはAクラス記憶処理を施しました。

私はケントゥリオP。現在療養中。 @centurio_P

再収容の後のインタビューにて今までの動向を訊ねたところSCP-130-romeは「いつの間にかローマに帰っていた。その後、仕事でテルマエの導水管を見ていたら突然そこに吸い込まれ、気が付いたらまたこの国にやってきていた。以前と同じだ」と証言しました。

私はケントゥリオP。現在療養中。 @centurio_P

証言と先と今回の出現を見るに、もしかしてSCP-130-romeは浴場施設に関係したところに出現するのかもしれない。本人も浴場を専門とした技師って言っているのだし。　―██博士 この仮説を元にその後、█度に渡り、消失と収容を繰り返した結果、現在の収容プロトコルが確立されました。

私はケントゥリオP。現在療養中。 @centurio_P

現在、SCP-130-romeはその特異性から完全な収容には至っていません。 その為、オブジェクトクラスはEuclidとなっています。 本人はよくできた人なんだけどなぁ……場当たり的に保護するしかないのが面倒だ。温泉や銭湯だけじゃなく個人の風呂にまで現れるんだから。　―██博士

私はケントゥリオP。現在療養中。 @centurio_P

サイト-████に収容されている間、SCP-130-romeは飲食物、娯楽、書物などを希望する時がありますが、担当研究者が許可すればこれらは与えられます。SCP-130-romeが希望した物品は補遺１を参照してください。

私はケントゥリオP。現在療養中。 @centurio_P

補遺１： １、「██社製フルーツ牛乳」許可。非常に味わって飲む。SCP-130-romeが希望するもので一番頻度が多いものです。 最初の銭湯で飲んだ時、すげぇびっくりした後グビグビ飲んでたなぁ…。　―エージェント██

私はケントゥリオP。現在療養中。 @centurio_P

２、「ラーメン」許可。麺も具も非常に注意深く観察しながら食べていた。 █回目の出現の際、偶然食べていたようです。各味を試しに上げてみましたが醤油が一番お気に入りのようです。　―█研究員 ガルム（古代の魚醤）で再現できないだろうかって尋ねられたけど……どうなんだろう？―██博士

私はケントゥリオP。現在療養中。 @centurio_P

３、「ゲーム盤　将棋やチェス」許可。ルールを覚えた後、職員との対局を希望。これも許可。 20戦20勝とか流石ローマ軍団……強すぎない？　―エージェント████ 古代からこの手のゲームは遊ばれてたが、これは兵役経験者というのもあるのだろうか。　―██博士

私はケントゥリオP。現在療養中。 @centurio_P

４、「サイコロ」許可。職員との賭け事。許可。 もう許してください。無理です。素寒貧です……。　―██研究員 そういえばサイコロ遊びはローマ人の日常的な遊びだったな。風呂に入った後もよくやってたらしい。　―██博士 勤務中の賭博は言語道断です。以後、勤務中禁止！　―███博士

私はケントゥリオP。現在療養中。 @centurio_P

５、「書物、特に技術書の類」許可。大半の物は彼の理解を超えていたようだが、書き取りをしつつとても熱心に読んでいた。 技術者として高い教養と知性があるのはわかっていたが流石に現代は難しいか。　ー██博士

私はケントゥリオP。現在療養中。 @centurio_P

追記：５、「書物」提供後、上層部からの懸念と勧告により、SCP-130-romeの希望品に関しては、上級研究員らによる、より慎重な議論と審議を行うことが決定されました。また書物の内「技術書歴史書の類」は以後、無条件で却下されることも決定されました。

私はケントゥリオP。現在療養中。 @centurio_P

文書476･1453：この項目はセキュリティクリアランス３以上の職員しか閲覧できません。パスワードを入力後、必要手順を進めてください。 password:Fall of Rome

私はケントゥリオP。現在療養中。 @centurio_P

SCP-130-romeが本当に収容施設からの消失後、130年のローマ帝国に帰還しているかは不明です。しかし、これが事実ならば、彼は未来の産物や知識を過去に持ち帰ることが可能ということになります。これは懸念すべきことです。行動如何によっては過去が大きく改変される可能性があります。

私はケントゥリオP。現在療養中。 @centurio_P

同時にSCP-130-romeはこの時代が未来だということを知りません。彼は同時代の高度な文明を誇る「平たい顔族の国」に来ていると認識しています。もし、彼が歴史書や何らかの手段でこの時代が未来であり、彼の祖国ローマがすでに滅んでいるということを知った場合、どうなるでしょうか？

私はケントゥリオP。現在療養中。 @centurio_P

今までの記録で彼は自分がローマ人であることを心から誇りに思っており、皇帝とSPQR（元老院と市民）への忠誠も篤い熱意ある人間であることが分かっています。しかも、彼の証言を信じるならば彼はハドリアヌス帝付きの信頼篤い技師です。

私はケントゥリオP。現在療養中。 @centurio_P

当時の彼からしても数百年後の未来ですが、何かしらの行動を起こすかもしれません。もちろんこれはただの懸念です。彼はただの一個人一市民であり、歴史改変を行う程のことは出来ないかもしれません。

私はケントゥリオP。現在療養中。 @centurio_P

しかし、我々は財団です。その理念に基づき、懸念すべきことがあり、それが人類の存続……CK-クラス:再構築シナリオ（現実の再構築。この場合は歴史に重大な変化を引き起こす（正史を書き換える）もの）に関わることならば注視するべきであり、その危険な芽は出来る限り摘まねばなりません。

私はケントゥリオP。現在療養中。 @centurio_P

確保（Secure）、収容（Contain）、保護（Protect）　―O-█

私はケントゥリオP。現在療養中。 @centurio_P

補遺２：20██/██/██ローマ市内の███████遺跡から牛乳瓶が発見されました。財団がこれを確保、調査の結果「██社製フルーツ牛乳」の瓶であることが判明しました。

私はケントゥリオP。現在療養中。 @centurio_P

更なる調査とSCP-130-romeへのインタビューの結果、この牛乳瓶は█度目の収容施設からの消失時、130年のローマに帰還後そのまま所持していたものであったことが判明しました。

私はケントゥリオP。現在療養中。 @centurio_P

補遺３：SCP‐130-romeは度々「ローマにこの国の技術や産物を活かしてみたいかせめて似たようなものを作ってみたい」といったことを職員に語っており、この牛乳瓶を偶然持ち帰って以後、数々の物品を消失時に所持し、ローマに帰還していたことを証言しています。

私はケントゥリオP。現在療養中。 @centurio_P

以上でSCP‐130-romeの報告書は終了です。 あ、あれ、何か思い付きではじめたら筆が走ってしまった……。でも、SCPらしさが多少は出ていたら幸いです。ルシウス・モデストゥスというテルマエ・ロマエのキャラがSCP財団の世界に現れたらこんな感じになるんじゃないかと思いました。

私はケントゥリオP。現在療養中。 @centurio_P

ふふってなる報告書の最後でちょっとゾクリとする終わり方。これもSCPの魅力だと思います！（強弁

私はケントゥリオP。現在療養中。 @centurio_P

@Call50_History ありがとうございます！リアリティが感じられたならうれしいですｗ ルシウスって財団の世界ならSCPになりそうだなと思って文面にしてみたら思ってみた以上にそれっぽかったので筆が走りましたｗ こういう思考遊戯も面白いものですね。東方シリーズとか財団とよくクロスしてたりしますねｗ