「恐怖」するには、知識・知見と想像力・連想力が必要で、これらが足りない人は「自分に起きうる不利益を想像できない」=「恐怖しない」ので、不利益に向かって全力疾走してしまう、というお話。
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加藤AZUKI @azukiglg

特別な才覚がある訳でもない人が無謀な行動を無謀と思わずに選べるのは、勇気があるからではなく無謀な行動によって自分に何が起きるのかについて、正確な想像が十分に行えないからであると思う。

2021-07-20 14:03:07
加藤AZUKI @azukiglg

想像力、連想力というのは、それぞれの持つ知識・知見の積み重ねに依存するから、知識・知見がない人(未熟か無能か門外漢)は、【無謀であり踏みとどまらなければ自分に不利益が及ぶ】ということを想像できない。或いは、言語化できない。

2021-07-20 14:04:12
加藤AZUKI @azukiglg

それらが言語化できないとどうなるかというと、「無謀の先にある不利益の具体的な形」が分からないから、それらに対して恐怖を抱いたり警戒したりすることができない。

2021-07-20 14:05:41
加藤AZUKI @azukiglg

この問題は、怪談屋は割と頻繁に聞いたり書いたりする機会が多い。 心霊スポット訪問問題wやら、先祖代々の言いつけを軽視して守らない問題などなど。 「警戒心を抱かないことを豪勇の証と錯覚する」とか、「守旧的迷信迷妄を払うのが現代人の証と錯覚する」とかの類。

2021-07-20 14:07:37
加藤AZUKI @azukiglg

怪談の世界なんかだと、「行くなと言われた場所には、行ったことで不利益が起きる前例が何度も観測されているから、善くないことが起きる想像ができる場所には行くな」「十分に理由が理解できなくても、経験則として控えるべきとされてきたことは守れ」、それを破ると何が起きるか想像しろ、てなる。

2021-07-20 14:09:02
加藤AZUKI @azukiglg

「何が起きるか想像できない人」「現実の自分の能力を過大視する人」つまりは、警戒心を抱けない(連想力がないから)、恐怖が機能しない(未来に起きる可能性がある、自分にだけ訪れる不利益を具体的に想像できないから)ってなる。

2021-07-20 14:10:21
加藤AZUKI @azukiglg

怪談屋・ホラー作家はこの「恐怖」について、読者にそれを気付かせる、読者が知らない「この先に起こりうる最悪」を具体的に解説する、というのを掌編にまとめていくのがお仕事で、幸いにしてそれらはエンタメの範疇に収まり、多くの読者は作中の懸念を共有しないで済む。

2021-07-20 14:12:51
加藤AZUKI @azukiglg

まあでも、例えば、 「台風が来たら河川敷に行くな」 「繋いだヨットを見に行くな」 「防波堤に釣りに行くな」 「田圃の様子を心配しに行くな」 「河の中州でキャンプをするな」 「マンホールに近付くな」 っていう現実の災害の警告は皆、一度くらいは見聞きしたことがあると思う。

2021-07-20 14:15:42
加藤AZUKI @azukiglg

これらは「何故そうしてはいけないのか?」を説明してないけど、 河川敷・田圃は洪水が起きて濁流に呑まれるかもしれず、 ヨット・防波堤は高波に浚われるかもしれず、 中州は増水や鉄砲水に呑まれるかもしれず、 マンホールは水圧で蓋が開いて蓋を飛ばすかもしれず、増水後なら水も人も吸い込むから。

2021-07-20 14:18:14
加藤AZUKI @azukiglg

いずれも、「それをすると死ぬ、かもしれない」ことを示唆している。 これらは毎年「それをした結果死んだ人」が報じられるから、「それをすると死ぬから」までを説明せずに端折っても警戒スローガンとして役立つし、その後起きることをある程度連想させられる。

2021-07-20 14:19:21
加藤AZUKI @azukiglg

まあ、それでも連想できない人がいるから、毎年死人が出るんだけどな。

2021-07-20 14:19:38
加藤AZUKI @azukiglg

ここで当初のテーマに戻ってくるんだけど、「未熟・無能・門外漢」(これはそれぞれ異なる。【未熟】は若いから学習機会がまだ巡ってこない。【無能】は言われても理解できない。【門外漢】はそれを守備範囲としてこなかったから学習機会に恵まれなかっただけ)は警戒に必要な連想力想像力が足りない。

2021-07-20 14:22:11
加藤AZUKI @azukiglg

未熟、若い人は経験が浅く学習機会が【まだ来てない】から知らないのも無理はない。これは、「今お前が善かれと思ってやろうとしていることは、お前に不利益を及ぼす。公益にも不利益を及ぼし、おまえは公益の巻き添えになるからやめておけ」と、大人が言ってやらないとダメだと思う。

2021-07-20 14:23:42
加藤AZUKI @azukiglg

だけど、若くて機転が利き一知百解の人ばかりでなく、「若いと言って馬鹿にするな!」とか「体制に盲従する愚民の後を追わない俺かっこいー」とか、「言われていることの反対側に俺だけが得をするユートピアがある」とか、半端に知恵が付いた若いのはそう考えがちになる。それは廚二病なんだが。

2021-07-20 14:25:48
加藤AZUKI @azukiglg

無能な人はというと、まあこれも色々あるけど「自分流で成功してきた自負が強すぎる人」と言い換えてもいいかもしれないな。あまり致命的な失敗をしたことがないから、警戒心が育ってない。結果、「自分が全てを知っていて、自分のやり方だけが正しい」と盲目的に考えてしまう。

2021-07-20 14:27:12
加藤AZUKI @azukiglg

無能な人というのは「頭が悪い」んでなくて、「極端に自信過剰」なんだと思う。だから、「自分が経験していないこと、知識・知見がない(足りない)こと」について、他人からアドバイスを受けたりそれに【屈する】ことを嫌う。他人に教えを乞うのは敗北だと思ってる。

2021-07-20 14:28:26
加藤AZUKI @azukiglg

そういう人は「自分が正しく自分が負けない」ために、耳を塞ぐようになる。「物を知らない自信過剰が人の話を聞かなくなる」訳だから、そりゃまあ、「起こり得る不利益を具体的に想像する」とかからはどんどん遠のく。 だから、「恐怖し、警戒すべきこと」が分からない。

2021-07-20 14:30:14
加藤AZUKI @azukiglg

門外漢というのは、未熟と無能の両方に実は抵触してはいる。 幾つもある専門分野のどれかひとつに起因して起きるかもしれないことは、その専門分野を学ばなかった、学ぶ機会がなかった人には知識・知見がないから想像できない。この点は未熟な人と同じ。そして未熟な人と同様、学べば対処はできる。

2021-07-20 14:31:35
加藤AZUKI @azukiglg

そして、門外漢というのは大抵、「その人なりの専門分野の専門家」であったりするので、自分の専門分野に引き寄せて考えようとする。僕が「恐怖への対応」について「怪談」にたとえたようなもんwだけど、怪談は「恐怖のあり方」に内包されてる分野なので専門外でもないヽ(´∇`)ノ

2021-07-20 14:33:23
加藤AZUKI @azukiglg

つまり、門外漢には門外漢なりの「自分の分野での正確な知識・知見と成功体験」があるから、よく分からないことを自分の縄張りに引っ張り込んで、自分の専門としている知識に当てはめて理解しようとする。それらがある程度どんぴしゃの場合も【過去にはあったかもしれない】。が、毎回そうではない。

2021-07-20 14:34:42
加藤AZUKI @azukiglg

量子物理学を説明するのに、お菓子の作り方や子供のあやし方で説明できる部分もあるかもしれないけど、全てをそれらの別分野の知識では説明できないじゃろ? そして、説明できない概念や知識・知見の欠落の部分で、正しい答が見出せなくなるし、ぶっちゃけ【間違える】。門外漢なので。

2021-07-20 14:35:58
加藤AZUKI @azukiglg

未熟・無能・門外漢のいずれに当てはまるか、或いは【全てに当てはまる人】もいるかもしれないけど、「なぜそれじゃ駄目なのか」「何が求められているのか」を察することができないメカニズムは、だいたいそんなところなんじゃないかなと思う。

2021-07-20 14:37:08
加藤AZUKI @azukiglg

生物は生き残る、生きのびるために様々な武器を持つ。 強い力だったり、早い足だったり、鋭い牙だったり、堅い鱗だったり、まあ色々。 人間の場合は多分、「知識を記憶する脳」「蓄積した知識を照らし合わせる連想・想像力」「知識を伝えあう言語」たぶんこのへんだろう。

2021-07-20 14:39:26
加藤AZUKI @azukiglg

「仲間に危機を知らせる生物」というのは人間以外にもいるから、特に人間だけの専売特許ではないのかもしれないけど、これは「群れのうちの誰かが見つけたリスクで、群れ全体が壊滅しないようにするための能力」と言い換えてもいいかもしんない。

2021-07-20 14:40:25
加藤AZUKI @azukiglg

結局ここで、「戒めを破ると、何が起きるのか?」を伝え合うのは重要っていう当たり前すぎる話が何故当たり前なのか?当たり前なのに理解できないのがいるのは何故かってとこに戻ってくる。

2021-07-20 14:42:37
加藤AZUKI @azukiglg

また、「警戒心を蔑ろにする個体(生存を優先するルールから外れ、群れの中ではイレギュラーになる)」がどうなるのか、という話。 その個体が群れの生存に与する一般的な個体から「惜しまれている」なら、群れの行動に準じるように説得されるだろう。まず最初はそれをされるだろう。

2021-07-20 14:44:07
加藤AZUKI @azukiglg

説得に応じないくらい頑迷固陋な特殊個体の場合、「群れから追い出される」か、「特殊個体自身の行動として、自ら群れを離れて孤立する」だろう。 もし特殊個体が群れから離れても死なない能力があるのであれば、それは新しい群れを作り、いつかは元の群れを淘汰するかもしれない。

2021-07-20 14:45:24
加藤AZUKI @azukiglg

が、多くの場合はそうはならない。 「生存のための最適解を優先して選んだ群れ(に準じた)の行動」に従わない特殊個体が、生存のためのインフラを群れ社会に依存していた場合、群れからはじき出された特殊個体は単独自力での生存維持が行き詰まってしまうので、遠からず淘汰されてしまう。

2021-07-20 14:46:49
加藤AZUKI @azukiglg

これは、群れが「社会」を作り、様々な機能や分担を振り分けられた個体それぞれが社会を維持するために働き、社会からの恩恵を個体が享受する……という生態を持つ我々人類にそのまま当てはまる。

2021-07-20 14:48:07
加藤AZUKI @azukiglg

でもまあ、これだけ言っても「俺は猿とは違う。アリやハチとは違う。俺は生きのびる特別な個体」と自任して、群れと別行動を取ろうとする人はいなくならない。 そして、そういう「群れと別行動を取る人」が群れの外でそれをやる分には問題ない。 問題は、「群れの中で別行動を取ろうとする」こと。

2021-07-20 14:49:25
加藤AZUKI @azukiglg

特に、「個体の行動、イレギュラーな選択が、その個体のみに不利益をもたらす」ような場合は問題ない。それこそ、「個人の自由」で終わる話だからだ。 が、感染症のような【個人の選択が、同じ選択をしなかった別の個人にも影響をもたらす】ようなものの場合は、個人の自由はかなりヤバイ。

2021-07-20 14:51:43
加藤AZUKI @azukiglg

ここ数日何度も繰り返してきたけど、「個人の選択に同意しない、至近の別の個人」が、イレギュラーな選択のダメージの【巻き添え】になる。巻き添えについて至近の別の個人=身内が早めに「その後に起きる不利益」を想像できていて、イレギュラーが大事に思われてるなら、全力で説得しにくる。

2021-07-20 14:53:25
加藤AZUKI @azukiglg

身内もさほど危機感持ってなかった場合、身内ともども共倒れになる。 身内の説得を振り切って、身内に「不幸」「不利益」を持ち込む可能性が、近い将来現実になったとき、心配して説得してくれてた身内は、「神罰の代行者」になって面罵し打ち据える役割に変貌する。

2021-07-20 14:54:52
加藤AZUKI @azukiglg

「あれほど言ったのに」「あんなに言ったのに」「あのときああしておけば、こんなことにはならなかったのに」「全てが手遅れで悔悛の機会も挽回の機会ももうない」故に「罰を与える」ってやられる。

2021-07-20 14:55:57
加藤AZUKI @azukiglg

社会生成物、群れを形成する群体生物である人間は、社会との繋がりを断たれたり、社会の恩恵を受けにくく(受けられなく)なったり、社会での地位序列が極端に低くなったりすると、生活品質(QOL)が著しく下がるかゼロに等しくなる。生き残りにくくなり、生きていても生きる価値が見出せなくなる。

2021-07-20 14:57:31
加藤AZUKI @azukiglg

そうならないようにするためには? じゃ、ここまでを踏まえて想像してみようか?

2021-07-20 14:57:56
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まとめたひと
加藤AZUKI @azukiglg

安全保障趣味者。 平和を希求するより安全を確保するほうが現実的。 全ての理想はコストに見合う範囲でなら実現を願うべき。 分を知り、身の丈に合うことをしましょう主義者。 集合知と猫の下僕。 Tweetの利用はご自由に&計画的に。