映画『空の大怪獣ラドン』4Kデジタルリマスター版について。
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タケ @take_all_a

映画『空の大怪獣ラドン』(監督 本多猪四郎、1956・S31)の4Kデジタルリマスター版を観た。福岡県の上映はTOHOシネマズ福津(福津市のイオンモール福津)で1/12まで。 #ラドン pic.twitter.com/sDNzCPcrCG

2023-01-04 22:07:08
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タケ @take_all_a

(あらすじ)熊本県阿蘇の炭鉱で謎の死亡事件。坑内に太古の生物が出現し、さらにラドンまで現れる。ラドンは長崎県佐世保市の西海橋を破壊した後、福岡市天神地区に舞い降りて街を破壊し、自衛隊が迎撃するも倒せず。最後は阿蘇の火口に…

2023-01-04 22:08:43
タケ @take_all_a

阿蘇の炭鉱はもちろん架空の設定で、実際のロケ地は長崎県の鹿町炭鉱(現 佐世保市)らしい。昭和30年頃の操業中の炭鉱が4Kデジタルリマスターによる鮮明なカラー映像で見られるというだけでも、炭鉱マニアは必見の映画である。

2023-01-04 22:09:47
タケ @take_all_a

坑道のシーンも本物の炭鉱で撮影したのだろうか。けっこう危険だと思うが… セットだとしたらよく出来ている。それと、古代生物メガヌロンの幼虫が木造長屋の炭鉱住宅街やボタ山の斜面をモゾモゾ移動するシーンが、実にシュールだった。

2023-01-04 22:13:22
タケ @take_all_a

1955・S30に竣工した西海橋が翌年公開の『ラドン』でさっそく壊される。本作が、完成間もないランドマークが怪獣映画で破壊されることで宣伝になる〈伝統〉の先駆けになったとのこと(ウィキペディアより)。 pic.twitter.com/H4wXHz4Ycx

2023-01-04 22:23:57
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タケ @take_all_a

特技監督として円谷英二も参加しており、西海橋の模型やその崩壊シーンは素晴らしいの一言。なお、映画には西海橋の近くにある針尾送信所無線棟も登場するが、こちらは壊されなかった。

2023-01-04 22:29:55
タケ @take_all_a

福岡市天神地区のセットも完成度が高い。昭和30年当時なので、ラドンが屋上に降り立つ岩田屋はパネルで覆われる前の姿。西鉄福岡駅は高架化前の二代目駅舎。天神ビルも福岡ビルもまだ存在せず、西鉄商店街があった(後の天神コア)。

2023-01-04 22:59:25
タケ @take_all_a

天神地区のジオラマ製作を担当した井上泰幸氏(故人)は福岡県古賀市の出身だ。彼の仕事を紹介する企画展が2022年に東京で開催されたんだよね。福岡にも巡回してほしかった。2014年に故郷の古賀市でも企画展があったのだけど。 mot-art-museum.jp/exhibitions/ya…

2023-01-04 23:07:04
タケ @take_all_a

『空の大怪獣ラドン』4Kデジタルリマスター版の上映は、「午前十時の映画祭」という企画におけるプログラムのひとつ。公開劇場と日程は公式サイトで確認されたい。 asa10.eiga.com

2023-01-04 23:12:04
タケ @take_all_a

映画 #ラドン 4Kリマスター版の続き。ラドンが福岡市天神に襲来した際、現地対策本部が岩田屋以外の高層ビルに置かれたが、具体的にどのビルか作中では明示されない。そのビルもラドンに襲われて対策本部の面々が慌てて逃げるシーンから、岩田屋近くのビルと思われる。

2023-01-05 16:12:10
タケ @take_all_a

ポスターに掲載された天神のジオラマには、岩田屋(ラドンの右後ろ)の左側に同程度の高さのビルが2棟写っている。このどちらかだろうか。 pic.twitter.com/Gvu0fhaNqS

2023-01-05 16:14:11
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タケ @take_all_a

ただ、あの辺にいま建っているビルの竣工年を調べると福岡平和ビル 1965・S40、福岡証券ビル 1958・S33、福岡朝日会館 1976・S51、ヒューリック福岡ビル(現存せず)1960・S35と、いずれも映画公開(1956・S31)後の竣工であり、ビル名は特定できなかった。

2023-01-05 16:15:06
タケ @take_all_a

対策本部の性質上、市庁舎や県庁舎に置かれたと考えるのが普通だが、ラドンの襲撃中に本部から双眼鏡で少し下の方を見るシーンがあって、当時の両庁舎は高層ビルではなかったので、やはり民間ビルという設定だったのかな、と。

2023-01-05 16:17:00
タケ @take_all_a

いずれにせよ、ラドンが暴れているすぐ近くに対策本部を陣取るなんて危険すぎる、あんたらも巻き込まれて死んじゃうぞ、と思ったわけだが、カメラで生中継するシステムが確立していなかった当時、話を速やかに進めるにはこれしか策がなかったのだろう。

2023-01-05 16:19:39
タケ @take_all_a

また、リスクに対する現代との感覚の違いは、戦争経験によるのかもしれない。

2023-01-05 16:20:22
タケ @take_all_a

映画『シン・ゴジラ』のクライマックス「ヤシオリ作戦」のシーンも、多少は距離を取ったとはいえ、現場に近い科学技術館の屋上に指揮所を陣取っていた。あれはラドンのフォーマットを踏襲したのかな。

2023-01-05 16:51:46
タケ @take_all_a

私がラドンを見て連想したのはマンガ版『パトレイバー』(ゆうきまさみ)の廃棄物13号編だ。序盤の怪死事件と警察の捜査、クライマックスの撃退現場と指揮所の近さ(なにしろ特車二課の敷地内)、この2点はラドンの影響というかオマージュではなかろうか。

2023-01-05 17:05:42
タケ @take_all_a

それと短時間だが阿蘇観光ホテルの登場にも驚いた。心霊スポットで有名な今の廃墟ではなく1939・S14に竣工した旧本館(1964・S39焼失)。ホテル名は明示されなかったがたぶん間違いない。 出典:清水組 編『工事年鑑』昭和15年版,清水組,国立国会図書館デジタルコレクション dl.ndl.go.jp/pid/1239257 pic.twitter.com/jcyeX0TZqa

2023-01-05 17:47:19
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クータロ @fukupedia18

@take_all_a 左は先代の福岡朝日会館(1955/竹中)ですね。 中央はたぶん福岡同和ビル(1954/日建)だと思います。旧岩田屋新館を経てパルコ新館が建っている場所です。

2023-01-05 21:42:52
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まとめたひと
タケ @take_all_a

福岡県を中心に、建築・団地・土木・産業遺産などについて、ツイッターにつぶやいたことをまとめています。個人サイトの方は放置中。