2022年12月16日
サヘル•ローズ イラン生まれ 8歳で養母と共に日本に渡る

ETV特集「サヘルの旅〜傷みと生きるということ〜」 サヘル・ローズ。イランに生まれ、日本で活躍する俳優。彼女の名前は「砂浜の薔薇」を意味する。名付け親は養母。サヘルの本名は不明で、ファミリーネームさえ分からない。それは、イラン・イラク戦争の孤児ゆえ。番組は、彼女の7年間の足跡を追う。 pic.twitter.com/LVT779DnZv
2020-08-19 18:38:59

番組が追う、サヘルの旅の始まりは2013年。イランのホラムシャハル行。そこはイラン・イラク戦争の激戦地で、サヘルと養母フローラの出会いの地。心理カウンセラーだったフローラが、戦災の瓦礫の中から伸びた小さな手を人形だと思い、触れる。それは幼きサヘルの腕だった。そんな過酷な記憶を巡る旅。
2020-08-19 19:24:39
次なる旅は2019年、バングラデシュのダッカ行。当地で活動するNGOに誘われ、路上生活者や養護施設の子供たちと交流を図る。そして同年10月には、かつて祖国と戦火を交えたイラクを訪問。クルド人自治区、ヤジディ教徒の暮らす施設を訪ね、"IS" に蹂躙された人々の哀しみと絶望に触れた。
2020-08-19 19:48:06
そんな旅の折々と、日本での生活の中で語られるフローラとサヘルの物語。二人はお互いだけを見つめ合う暮らしをしているが、母娘が辿ったここまで道のりを知れば、それにも納得。イランでは「産めない」女性だけしか養子を組めない。それゆえ、フローラは不妊手術を受けているのだ。
2020-08-19 20:00:07
二人の負った過酷な運命は、それだけではない。言葉にするのも苦しい体験が重なる。番組の冒頭、サヘルは鏡台に座り「自分が好きじゃないから、鏡に映る自分も好きになれない」と語る。だが番組の終わりには、自分の手だけが「母に似てきた」と喜ぶ姿を見せる。東京の空の下、この母と娘の暮らしは続く
2020-08-19 20:21:50