
『バフ熱』は、意外なほど読みやすく小ボケに満ち大ボケを忘れてしまうようなSF短編。 あらゆる言葉が「バフバフ」としか喋れなくなり死ぬという病を患った男は、食用洗濯バサミ(イカ製)の開発という見果てぬ夢を見ていた。叙述トリックの傑作。
2020-02-29 23:38:52
『蚯蚓、赤ん坊、あるいは砂糖水の沼』 タイトルは忘れろ。どうせ最初の三面記事にしか出てこない。「物の精霊」を論じる謎の外人と出会った牛於は「コインロッカーのため息」について相談する。だが、そこにため息は存在せず不思議な機械室があるばかり。そんな三面記事でよく見かける事件の裏側。
2020-03-01 00:49:36
『隠密行動』 加藤剛をこよなく愛する諜報部員は青春の残り香が残る劇場の終焉に立ち会おうとしていた。目の前には空を飛び標的を打ち殺す生ける角材。雇い主は死んだ。幼なじみの映画館のモギリがその場に居合わせる。諜報部員は隠しもった能力をついに解放させる!! 筋は「サイコスタッフ」ですね。
2020-03-01 19:08:30
『アマチャ・ズルチャ』 三話目まで読んだ。 予想よりもしっかりしたお話の筋があり、それなりに予想を立てながら読むことができる。世界は狂っているが人間はそこまで狂っていない。文章は無駄が多くむしろ無駄を増やすほど味わいが増すタイプで()で囲まれた部分のナンセンスが楽しい。
2020-03-01 19:15:14
これまで接触していなかったことがおかしいレベルの怪文書のつるべ打ちなんですが、どの界隈で話題になっていたんだろう。(N7さんとアロ天さんが把握していたので高知性惑星かな?) ちょっとくやしいな。妬ける。
2020-03-01 19:19:13
『若松岩松教授のかくも驚くべき冒険』 未曾有の菌類学者若松岩松教授が最終旅行で訪れたのは食人風習のあるオッペケ共和国からの亡命政府が滞在しているジメジメした村だった。 モンド映画とスパイアクションを融合したポリティカルサスペンス!
2020-03-02 09:01:58
『飛び小母さん』 未確認飛行小母さんが巷を騒がせていた頃、酒飲み浪人生茂が久々にじじいに顔を見せるとそこにいたのはにせじじいだった。後から合流したじじいとにせじじいと茂はべらんめえ口調で悪態をつきながらとにかく酒を浴びるように飲んで逆噴射を繰り返す。 (テンポが良くおもしろい)
2020-03-02 20:44:24
「飛び小母さん」奇跡の話だった。信仰と信念と奇跡。テイストが近いのは「地獄とは神の不在なり/テッド・チャン」だろうか。 この世の中で大根おろしだけを知らなかった良妻が空を飛び日本中で大根おろしを探し回る。それが世界中でスクープされる。小母さんだなんて品の良い呼び名じゃないか、
2020-03-02 21:04:51
アマチャズルチャめちゃくちゃ昔に読んだので全く覚えておらず、お望月さんの異常感想がそのままなのか異常感想なのか判断できない(深堀骨なのでたぶん読んだままなんだと思う)
2020-03-02 21:06:20
やがてそれに呼応するかのように、大根やおろし金が空を飛び始める。じじいと茂はにせじじいが追い求め数十年間の後悔と愛情(それを超えた信念と呼ぶべきものだろう)が呼び寄せた奇跡の天使降臨を目にする。ブルームーンwithスノーフレーク、それは大根おろし……
2020-03-02 21:07:58
ユダヤ系寿司職人ゼリー、不良浪人生の茂、じじい、にせじじいが運命の交差点で出逢う。 茂は寝取った兄嫁のことなんぞ忘れて奇跡について考え続けるのだ。俺なら常盤貴子でも追い続けたりしねえ。いわんやあの小母さんをや。 やがてあなたの街にも飛び夫妻が現れるかもしれない。
2020-03-02 21:12:51
異常作品に異常感想をぶつけたので結果的に写実的になりました。 『飛び小母さん』は多分実体験を描いてると思います。 twitter.com/aloha_tengu/st…
2020-03-02 21:16:26
『愛の陥穽』 愛のかんせい、落とし穴。恋に恋焦がれたフクロウナギの初恋から物語は始まり盲が目を見開いた時の興奮、美しきタチウオの姿、一瞬目を奪われたゆえに海蛇に喰われてしまう顛末が描かれている。 一方で現代。七十にもなろうとする老母に異変が起こっているのだと牛於は父に聞かされる。
2020-03-04 08:40:02
「人類以外の存在と真剣に愛し合う事を考えたとこはあるか?」 老父は老母が出会った「うすいさん」について語り始める。 老夫婦はボケ防止のために散歩をするようになったのだという。ゴムまりのように跳ね回る愛らしい小柄な妻と四角い夫の小旅行。美しい描写が続く。
2020-03-04 08:51:51
「うすいさんって誰なんですか?」 まぁ話を聞きねえ。晴れの日も雨の日も散歩は続く。妻は新調した🌀渦巻傘をくるくると回しながら道ゆく人に催眠術をかけようと駆け出していく。かわいらしいじゃないか。 やがて雨音が集まる音に誘われ、交差点へたどり着く。 そこにうすいさんがいた。
2020-03-04 08:56:11
「マンホール?」 違う、マンホールの蓋だ。 「まさか、そのマンホールの蓋に懸想したと?」 そのまさかなんだ。運命の出会い。前世からの付き合い、深海の匂いがすると言って聞かないのだ。 やがて老母はうすいさんを家へ連れ帰ってしまった。 「ふーん」 (後編へ続く)
2020-03-04 08:59:50
「うすいさん」と妻との語らいは続く。父娘は母を放っておくことにするがついにマンホール局からマンホール愛課長 城ヶ崎クララが家庭訪問にやってくる。町では26名もの行方不明車が発生。全員が蓋のないホールに飲み込まれたのだと言う。その場はごまかしたが……妻は何処かへ消えた。
2020-03-04 20:01:40
みんなついて来てる? 妻の行き先は分からない。ただ「海の記憶がある」という言葉だけを信じて父娘は岬へ向かう。同時に城ヶ崎クララも岬へ向かい、妻と対峙するが妻の渦巻雨傘による催眠で全滅する。 駆け落ち、叶わぬ恋、崖、台風。父は走りつづけ妻の名を呼ぶ! 嗚呼!そこにいたのは妻1人!
2020-03-04 20:06:01
崖。妻1人。 「うすいさんが海に帰りたそうだから帰した」「そうか」家族3人でとぼとぼと帰りながら蕎麦屋で一杯やろう等と取り止めのない会話をする。 (モノクロームのサイレントで顔の見えない妻が何かを言ってま「うすいさん」を手放すシーン) その後は特に何事もなく夫婦に戻った。
2020-03-04 20:10:37
『愛の陥穽』素晴らしい短編ですね。 運命論というか輪廻転生というか。「浮木の亀」一生に一度ではなく何生も繰り返して再び出会うというモチーフがメクラウナギとタチウオ、マンホールと人妻、殺人犯と判決木槌。 「金剛寺さんは面倒くさい」や「宿借りの星」とか、すげえ話だ。
2020-03-04 20:15:23
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2020-03-04 20:28:45
ヤスイ……ヤスイ…… (真に受けて買わなくて良いですよ) twitter.com/wild_fridge/st… pic.twitter.com/WSfgqTWOZm
2020-03-04 20:34:54

深堀骨、エモよりも語呂とか奇想とか小ボケとか単なる思いつきとかにバフかかってるタイプなので冷ちゃんよりもわたしとかおもちさんとかマツキヨさん側の数寄ムジナ向けだと思うがどーなんだろ 冷ちゃんなら訳わからんとこから訳わからんエモ受信して号泣しそうでもある
2020-03-04 20:35:37
『トップレス獅子舞考』 本作で最も肩の力を抜いて読める怪文書で「なんじゃそりゃ」を繰り返していれば素直に読める。 頭部を獅子舞、上半身をトップレスで舞う女子高生に人気の軽スポーツ「トップ」の歴史を追う。現代トップの家元は「裏トップレス獅子舞」であることは皆様のご存知の通りである。
2020-03-05 09:21:22
なぜ「裏」なのか。 なぜ「夏蜜柑を右手に持ち」操演するのか。 なぜ「獅子舞なのか」 なぜ「トップレスなのか」 全ての答えがここにある。 そして、本家家元は滅びた。仕掛けトップ獅子舞により断首されたのである。 元祖、真トップレス獅子舞に栄光あれ!! #なんですかこれ
2020-03-05 09:25:26
『トップレス獅子舞考』まで読んだ。 残りは『闇鍋奉行』のみ。「『アマチャ・ズルチャ』深堀骨」 min.togetter.com/D7ixwNg
2020-03-05 09:30:24
トップレス獅子舞は夏の季語。 「冬はスキー、夏はトップ」 初演時のキャッチフレーズ 「獅子舞で、しかもトップレスだ!」 #要素の掛け算でオーバーフローさせるんじゃあない これは怪文書界隈諸氏に気軽にお勧めできますね。
2020-03-05 09:34:04
『闇鍋奉行』 あんま面白くない……。 内容は蛮社の獄に対する意趣返しをする遠山の金さんとシーボルト事件のクロスオーバーです。(風雲児たちでおなじみ)
2020-03-05 20:49:18