坂の上の雲 司馬遼太郎

遠田大亮 @DaisukeEnta

まことに小さな国が開花期を迎えようとしている。小さなと言えば明治初期の日本ほど小さな国は無かったであろう。産業と言えば農業しかなく人材と言えば三百年の間、読書階級であった旧士族しかなかった。〜坂の上の雲①司馬遼太郎 pic.twitter.com/x81I061mFN

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遠田大亮 @DaisukeEnta

明治維新によって日本人は初めて近代的な国家と言うものをもった。誰もが国民になった。不慣れながら国民になった日本人達は日本史上の最初の体験者として、その新鮮さに高揚した。この痛々しいばかりの昂揚がわからなければ、この段階の歴史はわからない。〜坂の上の雲②司馬遼太郎 pic.twitter.com/ObszwQ13Fd

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社会のどういう階層のどういう家の子でもある一定の資格を取るために必要な記憶力と根気さえあれば、博士にも官吏にも軍人にも教師にもなりえた。この時代の明るさは、こういう楽天主義から来ている。〜坂の上の雲③司馬遼太郎 pic.twitter.com/WWCvNgo8Es

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今から思えば実に滑稽なことに米と絹の他に主要産業のないこの国家の連中がヨーロッパ先進国と同じ軍隊を持とうとした。陸軍も同様である。財政の成り立つはずがない。が、ともかくも近代国家を作り上げようというのは、もともと維新成立の大目的であった。〜坂の上の雲④司馬遼太郎 pic.twitter.com/4NidMRWkbG

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維新後の新国民達の少年の様な希望であった。この物語は、その小さな国がヨーロッパにおける最も古い大国の一つロシアと対決し、どの様に振る舞ったかと言う物語である。主人公は、あるいはこの時代の小さな日本と言うことになるかもしれない。〜坂の上の雲⑤司馬遼太郎 pic.twitter.com/k5RWQXAcJw

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遠田大亮 @DaisukeEnta

ともかくも我々は3人の後を追わねばならない。四国は伊予松山に3人の男がいた。この古い城下町に生まれた秋山真之は日露戦争が起こるにあたって勝利は不可能に近いと言われたバルチック艦隊を滅ぼすに至る作戦をたて、それを実行した。〜坂の上の雲⑥司馬遼太郎 pic.twitter.com/lhOwMY08lS

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その兄の秋山好古は日本の騎兵を育成し史上最強の騎兵と言われるコサック師団を破るという奇跡を遂げた。もう一人は俳句、短歌といった日本の古い短詩型に新風をいれて中興の祖となった俳人、正岡子規である。〜坂の上の雲⑦司馬遼太郎 pic.twitter.com/hJPZCl5W28

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遠田大亮 @DaisukeEnta

彼らは明治と言う時代人の体質で前のみ見つめながら歩く。登っていく坂の上の青い天に、もし一朶の白い雲が輝いているとすれば、それのみを見つめて坂をのぼって行くであろう。坂の上の雲⑧司馬遼太郎 pic.twitter.com/KEezhBMhaR

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