
こないだ行きつけで飲んでたらウクライナの話になり、「道民としてロシアのことどう思う?」と尋ねられたので、いくつか論点を挙げてコメントした。
2022-03-25 20:18:59
(1) ロシアに関しては、百年前からの帝国主義の最期の燃えさかりとして見ている。帝国主義に絡め取られている限り、政体としてのロシアは(今回勝っても負けても)不幸になり続ける。
2022-03-25 20:20:54
(2) 満州事変から戦争を始めた経緯のある日本こそ今回のロシア側のイタさを理解しないといけない。日本も帝国主義と訣別しきれてはいない。
2022-03-25 20:21:08
(3) 土地としてのウクライナはモスクワ大公国よりも先に栄えた歴史を持ち、キリスト教化後を数えるだけでも千年以上の歴史を誇る多文化的な国土であり、ポーランドにも劣らぬ中東欧の文明国である。ソ連時代に特にロシア化したとはいえ、ロシアの属国になる理由は今特にない。
2022-03-25 20:23:16
(4) (帝国主義を現代の失着手とするならその対義語は? と尋ねられて)ない。あえて言えば「多元性を尊重する平和主義」みたいなものだが、わかりづらい。それに至るまでに一度「民族自決」という発想が鍵となった時期があった。しかしその発想はインドとパキスタンのような分断の副作用をもたらす。
2022-03-25 20:25:16
(5) (ロシアが横暴ならば、日本もどさくさに紛れてロシアの弱体化を待って北方領土を取り返すというズルめの発想はあるか? と聞かれて)出来るかもしれないが、それこそ遅れてきた帝国主義となり、今や必敗の発想となる。帝国主義と距離を置く前提の中で利得を求めるのが21世紀の功利を得る国家。
2022-03-25 20:27:43
(6) 総じて、帝国主義は今や金にならない。「長期的な得」が何もない。人道に反するのは言うまでもなく論を俟たないが、人道に反してでも得て嬉しい利得さえ常識的に言って存在しない。ロシアの市民はプーチンの遅れた帝国主義思想の実現のために、その被害を蒙っている。
2022-03-25 20:30:09