第231回深夜の真剣140字60分一本勝負

王子@第一種怠惰無責任者 @ojitw

彼岸へと舟を曳く鯱は、嗚咽する私をあやすように歌い始めた。好転の兆しなど無い此岸を抜け出せたはずなのに。子守唄のような歌声はよく効いた。礼を言うと「いつものことですから」と鯱は笑う。ふいに訪れた眠気に目を擦る。「最期まで安全にお届けするのが水先案内人の役目です。どうぞごゆっくり」

智子(藍)*㊗️ 解凍 @fd7chu

#深夜の真剣140字60分一本勝負 @140onewrite 第231回お題「いつもの」 #夢小説 #ネームレス夢小説 #登場人物全員名無し SS名刺メーカー/文庫・新書ページメーカー @140sscard ましかくSSメーカー（背景つき） sscard.monokakitools.net/instabg.html pic.twitter.com/yb4S0kcyPh

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75@140字小説投稿 @naco7524

#twnovel 回復の兆しは無かった。だから遠くに捨ててくるように言われた。いつも歩いている道だと語る案内人を雇って、少年は進む。どれくらい歩いたのだろう。やがて目的地に着いた。少年は手にしていた球体を闇の中に放り投げた。球体は跡形もなく消える。その球体は地球と呼ばれていた。

てい @orztee

小走りで進む案内人を見失わぬよう追いかける。雪道を進むごとに緑が芽生え、世界が暖かくなってゆく。私は春の兆し、春の精霊の女王。世界に春をもたらすため、毎年こうして駆け回らなくてはいけない。方向音痴の私のために、ありがとう、と声をかけると、案内人は「いつものことですよ」と笑った。 pic.twitter.com/kNyJX7xrOe

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ともやす @Tomoyasu_skrg

ぐう〜 案内人である腹の虫が僕を急かす ちらっ あと数秒をとても待ち遠しく思う かちっ 三本の針が重なる瞬間に飛びだす すたっ 速歩きとスキップを繰り返し歩く ぴたっ 地に足つけたのはいつもの店の前 宴の兆しが空へとたなびいている がらっ 「大将、やってる！？」

蜘蛛切　鯨 @chermekey

朗らか笑う老紳士が指し示すのは、眩い赤い光。いつもの夢だが、今日は老紳士のタイにつけている石がいつもと違う。いつもは赤で、今日は透き通る水色だ。 「本日は、案内人を紹介いたしましょう。あなた様の善き兆しの元に」 赤い光に老紳士共々呑み込まれて目が覚めれば、赤い椿が咲いていた。

新宿エイリ庵 @AnnShinjuku

#深夜の真剣140字60分一本勝負 @140onewrite 参加させていただきます！素敵なお題をありがとうございます😍 お題は「案内人、いつもの、兆し」でした！ #創作GL #創作百合 の気配をほんのりさせています。これから社会に出る女の子への餞。春色のメイクで。 pic.twitter.com/T5fh6GNpcc

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ポッキー(山口絢子)@二月末頃まで低浮上多し🙇 @sorapoky

案内人を任されても、早足の癖が出てしまう。キャパを越えると、目の前のことしか見えなくなる。あと、感情が顔に出てしまう等、注意点をメモしておいた。それを見た相棒がニヤっと笑う。大丈夫、ヤバい兆しは見逃さないから。誰やと思ってんねん。いつもの決まり文句に、また救われる一日となった。 pic.twitter.com/7uIST2aa1S

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ケンタシノリ＠童話＆小説書き屋さん @kentasinori

倉塚俊哉は、ホテルの案内人として宿泊客に予約した部屋の鍵を渡して館内の説明を行う仕事を行っている。 この日も、いつもの常連客が宿泊のためにホテルの中へ入ってきた。 「３０５号室ですね。部屋へ入る前にこの鍵で開けてください」 常連客はその鍵を受け取ると、エレベーターのほうへ向かった。

夜崎梨人@ぷちヘキFグループ @yorunashi

兆しなんてなかった。いつもの帰り道を歩いていたら、マンホールに落ちた。下へ向かって落ちていたはずが、ぐるりと世界が回って、今度は上へ引っ張られる。地面から勢いよく放出され、体は宙に浮いたまま。ふわり、と腰と膝の下に手が添えられる。よく知った兎耳の案内人が「お帰りなさい」と笑った。

秋月蓮華 @akirenge

貴方は案内人だった。 ドラマや漫画や映画やゲームいろいろなものを教えてくれた。どれも楽しかった。 兆しはあったのだ。 「駄目そう？」 家から持ってきたアイロンで彼女の恋人をぶん殴って気絶させる。 「貴方のお陰で無事」 警察を呼ぶ。諸々のことが終わったら、 「いつものように何か教えて」

リリィ／祥寺真帆 @lily_aoi

「何かしたら？」と孫にまで言われたので案内人の仕事に応募した。この街は観光地だ。運良く採用されて随分経つ。昔かじった英語が役立つとは思わなかった。いつものように団体客を案内していると、川沿いに黄色い花が見えた。春の兆しにみな顔をほころばせる。こういう気持ちは万国共通なのだろう。

Pingu　novel @ckpingu_nvl

私は死者案内人の座るカウンターの前で、耳を疑った。「いつものって何ですか？VIPには足りない徳ってどのくらい⁈」天国も地獄もなく、すぐに転生するならせめて人間になりたい。いや、いつものが人間とは限らない。こうなったら美輪明宏でも…あれ？ブラッシュアップってドラマのパクリの兆し？

鶏林書笈(계림서급) ≒ゆきやまイマ(설잠) @keirin_syokyu

#深夜の真剣140字60分一本勝負 @140onewrite お題： ①案内人 ②いつもの ③兆し ＃木槿国の物語 果たして良い方に変わるか、悪い方に変わるか…。 pic.twitter.com/M6yhHwynVS

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碧乃 そら @hane_ao22

銀白色の産毛に包まれた猫柳の花芽がふくらみ、春の兆しを感じる午後。「君が案内人かい？」黒の中折れハットに茶色のコートを身につけた壮年の男性から声をかけられた。どちらまで、と訊ねると「いつも同じ処だから憶えておいてくれ」と、男性が目的地を告げる。渡し船がゆっくりと漕ぎ出されていく。