博多駅付近のホテル敷地内に設置された農具製作工場跡のモニュメントについて。
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タケ @take_all_a

れいた. さん @fukuhaku_rei のツイートで、博多駅付近のホテルに農具製作工場のモニュメントなるものが存在すると知って私も見てきた。 twitter.com/fukuhaku_rei/s…

2023-04-29 10:11:30
れ い た. @fukuhaku_rei

博多駅近くのホテル脇にある「深見農具製作所」跡の碑。 代々黒田藩御用鋳物師だった深見家は大正8年、明治町(現:博多駅前2丁目)に農具製作工場を建て、昭和37年まで農具の製造を行っていた。 ビルへ建て替えの際、工場の基礎が発掘され、残されています。 pic.twitter.com/zDMPQuXoiB

2023-04-08 19:54:00
タケ @take_all_a

そのモニュメントはロイヤルパークホテル ザ 福岡(福岡市博多区博多駅前2)の敷地内、写真手前の植栽の中に設置されている。今まで気付かなかったが、Googleマップにモニュメントの位置情報が登録されていた。 goo.gl/maps/MyJTJKprX… pic.twitter.com/I6B0ODw6zq

2023-04-29 10:12:43
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タケ @take_all_a

モニュメントのケース内に工場遺構の一部が保存され、説明文と古写真が添えられている。工場名は深見農具製作工場。遺構はレンガ造の基礎とその上の土台とアンカーボルトのようだ。 ※ 基礎と土台は同じ意味と誤解されやすいが正確には別の部位。 pic.twitter.com/c4BtUDxIVq

2023-04-29 10:15:02
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タケ @take_all_a

深見興産公式サイトによると、深見家が経営する不動産会社の深見興産と深見製鋼所は、江戸時代の福岡藩 / 黒田家御用鋳物師としての鋳造業が祖業で、当時は犂・鍬・鍋・釜や大砲・梵鐘・銅像などを作っていた。 fukami-kousan.jp

2023-04-29 10:16:19
タケ @take_all_a

そして明治以降は農機具製造販売に傾注。ホテルの場所である博多駅前2丁目(当時は明治町)に工場を建設したのは1919・T8のこと。写真左上の円内が明治町分工場だ。 pic.twitter.com/0WfSvyf4zC

2023-04-29 10:17:14
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タケ @take_all_a

今昔マップのキャプチャに加筆。左:1952・S27発行の地形図、右:最新の地理院地図。 このキャプチャのURL→ ktgis.net/kjmapw/kjmapw.… pic.twitter.com/VBeClptVkG

2023-04-29 10:17:59
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タケ @take_all_a

名称・組織の変遷を経て1943・S18に合名会社深見製鋼所へ商号変更。1958・S33、博多区店屋町(当時は上土居町)の金物部跡に深見興産冷泉ビル(写真)を建設した上、土地建物管理部門が深見興産として分離独立する。 pic.twitter.com/VkUMknpfpV

2023-04-29 10:20:49
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タケ @take_all_a

1962・S37、農機具製造部門を廃業。おそらくこの時期以降、深見製鋼所もその社名のまま不動産業に転換したと思われる。

2023-04-29 10:22:42
タケ @take_all_a

2011・H23、第7深見ビルなどを解体して深見製鋼所ビルが竣工し、ロイヤルパークホテル ザ 福岡が賃貸契約で入る。その際、建設中に発掘された深見農具製作工場の遺構をモニュメントとして保存した。 pic.twitter.com/mJQHarZBni

2023-04-29 10:23:51
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タケ @take_all_a

「深見製鋼所ビル ロイヤルパークホテル ザ 福岡」の設計は三菱地所設計・清水建設 設計共同体による。なお、ザ ロイヤルパークホテルは三菱地所系のロイヤルパークホテルズアンドリゾーツのブランドだ。 月刊近代建築 2011年12月号 kindaikenchiku.co.jp/pr1_details/20…

2023-04-29 10:24:59
タケ @take_all_a

昨日の続きで余談を少し。深見興産・深見製鋼所は団地マニア的にも興味深い会社で、日本住宅公団(現UR)の市街地住宅を2件も建てた実績がある。そのひとつは前述した深見興産冷泉ビル / 旧冷泉公団住宅。冷泉公園の近くに現存する。 pic.twitter.com/cmCEYF0Zs8

2023-04-30 09:20:06
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タケ @take_all_a

市街地住宅とは日本住宅公団が民間企業などと共同で建設した集合住宅で、基本的に低層部は店舗や事務所、上層部が公団住宅という構成になっている。低層部にテナントが入ったマンションなんて今では珍しくないが、公団の市街地住宅はこのビルディングタイプの先駆けの一種といえる。 pic.twitter.com/j7CSFBpNMP

2023-04-30 09:21:37
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タケ @take_all_a

1955・S30に発足した公団にとって、1958・S33竣工の冷泉ビルは市街地住宅事業の最初期の建築であり貴重な現存例である。現在はURの手を離れて深見興産が単独で管理している。 pic.twitter.com/La4X0CBg7U

2023-04-30 09:24:09
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タケ @take_all_a

もうひとつは博多区博多駅前4丁目にあった深見ビル / 博多駅前4丁目第2公団住宅だ。淡いグリーンのタイル貼りビルを覚えている人も多いだろう。竣工は1970・S45。深見興産と深見製鋼所の本社が入っていた。 pic.twitter.com/5qW3ulnfjZ

2023-04-30 09:27:10
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タケ @take_all_a

深見ビルは2018・H30に解体され、UR賃貸住宅の部分は隣地のURアーベイン博多駅前ファーストに建て替えられた(1枚目左)。そして深見ビルの跡地には博多深見パークビルディング(2~4枚目、三菱地所設計)が2021・R3に竣工して現在に至る。 pic.twitter.com/ceM0fQyGhm

2023-04-30 09:30:59
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まとめたひと
タケ @take_all_a

福岡県を中心に、建築・団地・土木・産業遺産などについて、ツイッターにつぶやいたことをまとめています。個人サイトの方は放置中。