
自分の理想通りに事が運ばず、 自分の無力は自分に落ち度があるせいじゃない、 という妄想は誰にでもその片鱗があるとは思うけど、 それも度が過ぎると、 「世界の全てが陰謀を企んでいて、 自分はその陰謀から排除されており、 自分だけが排除の事実から気づいている覚醒者である」 とか言い出す。
2023-04-26 12:39:21
「真実に気づいた自分(先覚的覚醒者)は特別で、 この特別な自分が真実を広めようとするのを、 陰謀に加担する人々は快く思わない。 結果、自分を排除しようとする力が加速する。 これは、自分が真実の側にいることの証左に外ならない。 やはり、自分を排除する勢力は実在し、 自分は狙われている」
2023-04-26 12:41:22
まあ、だいたいこんなことを言い出す。 で、これは、「陰謀論から離脱できなくなっている人」が、自分の価値を過大視するケースとしてはさほど珍しくないと思うんだけど、これを外部者が囁くとカルトになる。
2023-04-26 12:42:44
「あなたには価値があり、先覚的に真実に目覚めているが、それを快く思わない人々がいるから、【我々と一緒に戦いましょう】」 だいたいこういうことを言って囲い込みを始め、外部と遮断し、同好の士(仲間、シンパ)のサークルに閉じこめ、閉じた世界のルールを外部より優先させようとする。
2023-04-26 12:43:47
僕が知る「カルト」の構造はだいたいそれで、そこに「資金供出の多寡によるタニマチ序列」が生じたり、「真祖=教祖=指導者の考えを、より深く理解しているNo2の座争いによる理論的序列」が生じたり、「真祖=教祖=指導者の思想を実力(多くは暴力)で実行しようとする実務序列」が生じたりする。
2023-04-26 12:45:45
で、これはスピリチュアルな権威を担ぐタイプの【宗教】には限らなくて、「伝統的排他的コミュニティ」や、「市民運動を模した思想的コミュニティ」、それから「湯気女王蜂を中心とするオタサークル」とかにも見られる気がする。
2023-04-26 12:47:27
なので、「宗教に限らず、イデオロギーに限らない」んだとは思う。閉じたサークル(コミュニティ)を作り、規模の上限を定義した上で、内側・内部に序列を作り、その序列最上位者を担ぐ者が、No2という権力を握る」みたいな。 まあ、天皇を担いだら正当政権てなる日本の権力闘争史に準じてるw
2023-04-26 12:49:25
で、そういう閉じた構造にいる者は、「自分こそが真実を知っている」と言いたがり、閉じた構造の中で協力者を増やして勢力拡大したい者は「君こそが真実を知っている」と囁く。ほんで、そういう閉じた構造に後から入れなかった遅刻者は、その構造を否定して「自分こそが真実を知っている」と言い出す。
2023-04-26 12:50:53
んー……。 「真実を知っている!」という人が本当に真実を知っていた試しはあんまりないし、「知っている真実」が本当に真実であるかどうかを証明する能力は、その真実を知っているらしい人ほど欠落していることが多いんで、そもそも真実などあるかどうかも分からない。 あるのは事実。
2023-04-26 12:52:03
そんなわけで、 ・自分だけが真実を知っている ・あなたは騙されている ・真実を知っている自分は価値があるから排除されようとしている(循環) ・自分が排除されようとしているのは自分が価値ある真実を知っているからだ(循環) と言いだす人がいたら、なるべく近付かないこと。
2023-04-26 12:53:45
そうなった人を論破するのはまず無理(当人が受け容れないから)だし、感化しようとしてくるし、感化できないと分かれば悪魔化して罵倒の限りを尽くされるようになるので。 最良ではない次善としては、「近付かない」「救おうとしない」「見つからないようにする」「接点を持たない」 逃げろ。
2023-04-26 12:56:15
また、自分がそうなっているかもと自分に疑いを持ったとき(かなり難しい)は、 ・自分の周囲に残っている人数 ・自分の意見に同調する人/反論する人がいるかどうか ・自分にそこまでの価値が本当にあるのかどうか ・今日の晩御飯 ・今月の新刊 とかを考えるといいと思う。
2023-04-26 12:58:20
猫は「無言の肯定者」であり「無言の批判者」であり「自分を映す鏡」であり「自分に興味のない他人」でもあるので、自分を見失ってるときは猫を撫でるに限る。 「そんなことはいいから早く飯を出せ」というこの世の真理を体現してくれるぞ。
2023-04-26 13:00:24
あと、一人親方……でなく、ローンオフェンダーとかローンウルフとか一人テロ組織とかのアレ。 あれはあれで、「一人カルト」なのでは、と思う。
2023-04-26 13:01:29
つまり、「論理構築も、真祖・教祖・指導者も、計画も、実務も、本来カルト【組織】内でも分業されていた諸々を、全て一人で担っている」「組長一人、鉄砲玉も組長が兼任」みたいな感じ。
2023-04-26 13:02:56
結果、「自分一人しかいないカルト」の中での自分の序列は常に最上位で、自分を引き留めるとか、自分に刃向かうとか、自分を蹴り落とそうとする競合者とか、そういうのがいないので、歯止めが利かない。
2023-04-26 13:04:14
だけど、当人の中には「自分だけが不利益を被り、排除されている。自分は真実を知っている」というのがある。カルトにやられる人が抱えている要素と、カルトが人を鉄砲玉にする論理を、全部一人の人間の中に再現している訳で。 これを、「外から見抜いて事前に予防する」のは不可能に近い。
2023-04-26 13:05:17
「その人がこれまで何をしてきて、どう受け止めてきて、どう不満を募らせるようになって、その不満の解消のためにどういった行動を起こすのが最善と考えるようになるか」というのは、もしかしたら将来的には【大量のビッグデータを学習したAIによる予想】とかできるようになるのかもしれない。
2023-04-26 13:06:35
或いはシビュラシステム。 が、現状ではそういう未来のIFはまだ実用化されていないので、今在る手持ちの札で考えると、「現在進行形で生きている人間の脳内の価値観変化を、外部から観察計測して行動制御するのは難しいというか無理」としか言えない。
2023-04-26 13:07:45
思い詰めて「一人カルト」に走りそうな人をそうなる何段階も前で止める方法は、「異なる価値観を許容する」のと「人は万能でも至高でもないしそうもなれないのが当たり前、という中二病の早期寛解」が必要なのではないかなあ、と思った。
2023-04-26 13:09:16
中二病の寛解(自意識の過剰な肥大を抑制し、自分は特別ではないと自覚させる)を怠ったまま歳食って、偉くなって、他人への影響力を行使できる立場になって、そんな人が「自分の価値を青天井に設定して、社会(他人)に不満を募らせる」とかしたら、光の戦士誕生しかねん。
2023-04-26 13:11:15
これは、特定のカルト、特定のテロリスト、特定のジャーナリスト、特定の野党議員についてのみ言及した誹謗批判ではなく、「人は無力と孤独を恐れるあまり、自分を高みに置きたがるが、それこそが社会からの孤立を加速させ相互理解から遠ざけるのだ」という一般論です。
2023-04-26 13:12:50
我々はどうあっても「自分一人だけ」では生きられず、自分とは違う経歴、価値観の人の助力や制作物を消費して、分業と協業で生きていかなきゃなんない。 つまりは、「他人の哲学と、他人の成果物は分けて考える」「自分の価値観が世界の全てだと考えない」という【多様性との和解】が必要では、と。
2023-04-26 13:14:31
言うても、物心ついてから社会人になるまでの短期間に未成熟な人間が至れるとは思わないし、一生かけても至れない人がいるのは「暴走老人」を見れば分かる話。フィジカルの成長とメンタルの成長は正比例しないので。
2023-04-26 13:15:32
それでも、「迷惑な高齢中二病を一方的にパージする」ことを我々は許されてはいないので、「懲りずに年寄りを叱る」か、「祟る神には触らず近寄らない」か、「猫を撫でる」かを選ばねばならない。 まあ、みんな猫を撫でとけ。
2023-04-26 13:16:36
それでも、「迷惑な高齢中二病を一方的にパージする」ことを我々は許されてはいないので、「懲りずに年寄りを叱る」か、「祟る神には触らず近寄らない」か、「猫を撫でる」かを選ばねばならない。 まあ、みんな猫を撫でとけ。
2023-04-26 13:16:36