葉隠入門 三島由紀夫

遠田大亮 @DaisukeEnta

【武士道と言うは死ぬことと見つけたり】武士道の本質は死ぬことだと知った。つまり生死ニつのうち、いずれを取るかと言えば、早く死ぬ方を選ぶと言うことに過ぎない。これと言って面倒な事はないのだ。腹を据えて余計な事は考えず邁進するだけである。〜葉隠入門①三島由紀夫 pic.twitter.com/Y7vLl2odaI

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遠田大亮 @DaisukeEnta

“事を貫徹しないうちに死ねば犬死だ”などと言うのは、せいぜい上方ふうの思い上がった打算的武士道と言える。とにかく、二者択一を迫られたとき、絶対に正しい方を選ぶという事は、大変難しい。人は誰でも死ぬよりは生きる方が良いに決まっている。〜葉隠入門②三島由紀夫 pic.twitter.com/nrotbT1Si0

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となれば、多かれ少なかれ生きる方に理屈が多くつく事になるのは当然の事だ。生きる方を選んだとして、それがもし失敗に終わって、なお生きているとすれば、腰抜けと誹られるだけだろう。このへんが難しいところだ。〜葉隠入門③三島由紀夫 pic.twitter.com/UJckQD9IBU

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ところが、死を選んでさえいれば事を仕損じて死んだとしても、それは犬死、気ちがいだと誹られようと恥にはならない。これが、つまりは武士道の本質なのだ。とにかく武士道を極めるためには、朝夕、繰返し死を覚悟する事が必要なのだ。〜葉隠入門④三島由紀夫 pic.twitter.com/Iq72nuApsX

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常に死を覚悟している時は、武士道が自分のものとなり、一生誤りなくご奉公し尽くす事ができようと言うものだ。葉隠入門⑤三島由紀夫 pic.twitter.com/DPZvCm5GaV

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【批判の仕方】意見して、その人の欠点を直す、という事は大切な事であり慈悲心とも言い換えられる。それは、ご奉公の第一の要件である。ただ意見の仕方に骨を折る必要がある。他人のやっている事に善悪を探し出すのは易しい事で、また、それについて批判するのもたやすい。〜葉隠入門⑥三島由紀夫 pic.twitter.com/OXRhA2cJqH

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遠田大亮 @DaisukeEnta

おおかたの人は、人の好かない、言いにくいことを言ってやるのが親切の様に思い、それが受入られなければ、力が足りなかったとしているようだ。こうしたやり方は何ら役立たずで、ただ悪戯に人に恥をかかせ、悪口を言うだけの事と同じ事になってしまう。言ってみれば気晴しの類だ。葉隠入門⑦三島由紀夫 pic.twitter.com/WCoBAnCc9Y

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意見と言うのは、まず、その人がそれを受け入れるか否かを良く見分け、相手と親しくなり、こちらの言うことを、いつも信用するような状態に仕向けるところから始めなければならない。〜葉隠入門⑧三島由紀夫 pic.twitter.com/w03VeVI1Ms

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その上で趣味の方面等から入って言い方等も工夫し、次節を考え、あるいは手紙等で、あるいは帰りがけ等に、自分の失敗話をだしたりして、余計な事は言わなくても思い当てるように仕向けるのが良い。〜葉隠入門⑨三島由紀夫 pic.twitter.com/elIgRlASw3

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まずは良いところを褒めたて、気分を引き立たせるように心をくだいて、喉が渇いた時に水が飲みたくなるように考えさせ、そうした上で欠点を直していく、というのが意見と言うものである。意見というものはことのほか、しにくいものと言える。〜葉隠入門⑩三島由紀夫 pic.twitter.com/kdx7YTUreW

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誰にでも年来の悪癖みたいなものが、身に沁み込んでいるので、そう直には直らないと言う事は、私自身にも覚えのあることだ。友達一同、常日頃から親しくして、悪癖を直し合い、一つの身になってご方向につとめる様になる事が本当の慈悲心と言えるだろう。〜葉隠入門11三島由紀夫 pic.twitter.com/982M0EtG3v

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それなのに恥をかかせては、直るべきものも直らなくなってしまう。直るはずもないではないか。葉隠入門12三島由紀夫 pic.twitter.com/NVm0QvzVae

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【一念、一念と重ねて一生】結局のところ重要なのは現在の一念つまりひたすらな思いより他には何もないと言う事である。一念、一念と積み重ねていって、つまり、それが一生となるのである。葉隠入門13三島由紀夫 pic.twitter.com/HUXpVz08ps

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この事に思いつきさえすれば、他に忙しい事もなく、探し求める事も必要なくなり、ただこの一念、つまり、ひたすらな思いを守って暮らすだけである。しかし誰でもこの事を忘れて、別に何かあるようにばかり思って探し求めているので、この様な点に気づいた人はいないのである。葉隠入門14三島由紀夫 pic.twitter.com/3nqugr2RN9

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ところで、この一念を通してついには迷わぬ様になるのは、多くの年月を経ないとできない事である。しかしながら、一度そうした境地にたどり着けば、常にそうした考えを持っていなくても、もはや別のものではないのだ。葉隠入門15三島由紀夫 pic.twitter.com/Fat1SPeJml

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この一念に極まった事を、よくよく理解しさえすれば、混乱が少なくなるのである。この一念にこそ忠節が備わっているものと考えて良い。葉隠入門16三島由紀夫 pic.twitter.com/ye2N5NmHr5

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遠田大亮 @DaisukeEnta

【大事な思案は軽くすべし】直茂公の遺訓に「大事な思案は軽くすべし」というのがある。石田一鼎（山本常朝の師）は注記し「小さな思案は重くすべし」と述べた。大事と言うからにはそう多くなく、せめて2つ3つの事柄であろう。この様な事は普段から考えておけばわかることである。葉隠入門17三島由紀夫 pic.twitter.com/O9Vpx90Oen

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遠田大亮 @DaisukeEnta

だから大事については前もって思案しておき、いざという時それを思い出して簡単に処理する必要があるのだ。逆に日頃の覚悟が足りないと、その場で判断する事が難しく、うまく行かない事にもなりかねない。だから常日頃から心を決めておく事が基本になるのではあるまいか。葉隠入門18三島由紀夫 pic.twitter.com/KHgU1hMN5z

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【昔は良かった、と懐かしがってばかりいてはいけない】時代風潮は変えることのできないものである。しだいに世情が悪くなっていくのは末世になってきた証拠だろうか。しかし、季節にしたって春や夏ばかりと言う事はないし、一日にとっても同様である。葉隠入門19三島由紀夫 pic.twitter.com/W1utNnN2O3

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であれば今の世の中を百年も昔の良い時代と同じにしようと思っても無理な事だ。その時代その時代に応じて、よくなる様に努力する事が大切なのである。葉隠入門20三島由紀夫 pic.twitter.com/21hfHI7mHF

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遠田大亮 @DaisukeEnta

昔風の事を懐かしがってばかりいる人が間違うのはこうした点が理解できないからである。そうかといって、現代風の事ばかりを良いと思い込んで昔風を嫌う人は思慮浅く、うわっつらだけの人と言える。葉隠入門21三島由紀夫 pic.twitter.com/2kqnnS6EEP

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遠田大亮 @DaisukeEnta

『檄』 「おまえら、聞け!聞け! 静かにせい。 静聴せい。」 昭和45年11月25日、 午後12時。 自衛隊市ヶ谷駐屯地。 ひとりの男が、 バルコニーで演説を始めた... 自衛隊員たちのヤジが飛び交う中、 三島は叫ぶように訴えかけた... (自衛隊は)もはや、 憲法を守る 軍隊になってしまったんだよ。… twitter.com/i/web/status/1… pic.twitter.com/BlIIzJ6BFb

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