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発端となった疑問

永太郎(ながたろう)/重永瞬 @Naga_Kyoto

「立地」と「分布」は、概念としては似てるようで結構違う。「どこに?」が立地だとすれば、分布は複数の立地の結果として生じる。立地論は農業・工業・都市と多岐にわたるが、「分布論」は地理の文脈ではほとんど聞かない。なぜ?

2021-02-15 03:16:04
永太郎(ながたろう)/重永瞬 @Naga_Kyoto

「分布論」で調べるとだいたい考古学か数学、ときどき植物とか民俗とか。江澤譲爾訳のA.ヴェーバー『工業分布論』の影響か一部には地理でも「分布論」の言葉は使われるが、それはおおむね「立地」と言い換えて問題はなく概念的に区別はされていない。

2021-02-15 03:20:16
永太郎(ながたろう)/重永瞬 @Naga_Kyoto

「分布」って言葉自体は嫌というほど出てくるのに、どうして「分布論」はあまり使われないのだろうか。「立地論」に包摂できるから、というのが一番に思い当たる理由だが、立地論のような経済原理で説明しがたい事象(民俗・文化など)に対しては「分布論」の切り口を強調してもいいように思う。

2021-02-15 03:25:07

学問同士の関係が気になる

永太郎(ながたろう)/重永瞬 @Naga_Kyoto

表面的な「分布」からいかに事象の内実を捉えるかは考古学が得意とするところのはずで、一方地理学で「分布論」的なことをやっていたのはバークレー学派だと思うけれども、そうするとアメリカにおける考古学・地理学・人類学あたりの関係を見ていくと面白そう。

2021-02-15 03:45:36
永太郎(ながたろう)/重永瞬 @Naga_Kyoto

「人類学・地理学部」って枠組みはなんかアメリカっぽい(適当) twitter.com/Naga_Kyoto/sta…

2021-02-15 04:09:52
永太郎(ながたろう)@『色分け日本地図』発売中! @Naga_Kyoto

訳書紹介 『ジオアーケオロジー:地学にもとづく考古学』 - 地質調査総合センター gsj.jp/data/gcn/gsj_c… 著者、マイケル・R・ウォーターズはテキサスA&M大学人類学・地理学部の教授らしい。考古学、地質学、人類学、地理学の接点?

2018-07-18 20:46:50
永太郎(ながたろう)/重永瞬 @Naga_Kyoto

なんか分布と関係ない話になってきたけどこれも twitter.com/Naga_Kyoto/sta…

2021-02-15 04:13:27
永太郎(ながたろう)@『色分け日本地図』発売中! @Naga_Kyoto

アメリカ人類学の4分野 | Anthro JP みんなの人類学 anthrojp.wordpress.com/2018/07/08/ame… 文化人類学・自然人類学・言語学・考古学で一括りなのか

2018-08-16 17:12:03
永太郎(ながたろう)/重永瞬 @Naga_Kyoto

地理学と考古学の関係については2年前くらいに少し考えていた(で、「考古地理学」ってなんやねんと文句を垂れていた) twitter.com/Naga_Kyoto/sta…

2021-02-15 04:26:36
永太郎(ながたろう)@『色分け日本地図』発売中! @Naga_Kyoto

小野忠凞「歴史地理学にゐける考古地理学の任務」hist-geo.jp/img/archive/02… (先史を主に扱う)考古地理学の手法が歴史時代にも適用できる、というのが新しい視点と考えられていたみたい。地理学の分け方も現在の一般的な分類とかなり異なる。 pic.twitter.com/kGCjbCicAa

2018-07-18 21:35:22
永太郎(ながたろう)/重永瞬 @Naga_Kyoto

「分布」は「堆積」と親和性が高い概念。方言周圏論の方法論は、平面的な分布を文化が「堆積」したものと考え、空間を時間に変換する方法。一方、それは歴史を「横倒し」した発展段階論だという批判もある(『経済地理学とは何か』82頁)。 twitter.com/Naga_Kyoto/sta…

2021-02-15 04:37:27
永太郎(ながたろう)@『色分け日本地図』発売中! @Naga_Kyoto

考古学や地質学で用いられている地下断面図には時間性の含意があると言えそうだ。「堆積」の図化。地上の断面図は専ら建築物の構造を表すために用いられる、のかな。

2018-08-09 16:10:04

考古学における分布論

永太郎(ながたろう)/重永瞬 @Naga_Kyoto

考古学概論(理論と方法)第4章空間を読む hoppo-let-hokudai.com/wp-content/upl… 考古学における分布論について。ある文化に特徴的な型式の分布はその文化の広がりを示すが、その特徴的な型式を知るためには文化の広がりを確定させなければいけないという循環的な困難がある(チャイルド・パラドックス)。 pic.twitter.com/BLqzXFxiE8

2021-02-15 04:55:02
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永太郎(ながたろう)/重永瞬 @Naga_Kyoto

考古学概論(理論と方法)第10回 hoppo-let-hokudai.com/wp-content/upl… 前ツイの続き。考古学における地図的方法について。地理学と共通する部分も多い。 ①範疇を仮定する ②データ・ベースの構築 ③地図上におとす ④分布図の検討 ⑤分布図の比較 ⑥表示方法の工夫 pic.twitter.com/4Q3yk54gpd

2021-02-15 05:02:09
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考古学GIS

永太郎(ながたろう)/重永瞬 @Naga_Kyoto

実践 考古学GIS 先端技術で歴史空間を読む|書籍出版|NTT出版 nttpub.co.jp/search/books/d… ・第1章 考古学と空間情報 ・第2章第1節 遺跡・遺物の分布論 ・第3章 考古学データベース・遺跡調査とGPS・GISの適用 ・終章第2節 遺跡情報の標準化

2021-02-15 05:17:48
永太郎(ながたろう)/重永瞬 @Naga_Kyoto

考古技術学2(2) 中村 大 www4.kokugakuin.ac.jp/syllabus2011.n… 授業のテーマ「考古学研究のためのGISソフトウェアの基本的な使い方を学ぶ」ってあってどのソフト使うんかなーと思ったらSISで少しびっくり。平成23年度だから?

2021-02-15 05:23:00
永太郎(ながたろう)/重永瞬 @Naga_Kyoto

松本剛「考古学理論史におけるGISの位置付けと今後の展望 -アメリカ考古学の視点から-」 gomatsumoto.net/archive/Matsum… おお、知りたかったことがまとまっている。2007年時点では、考古学におけるGISの利用は「考古学の一下位区分としての地位を築くまでには至っていない」のだそう。 pic.twitter.com/bqvXFSDiOy

2021-02-15 05:33:03
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永太郎(ながたろう)/重永瞬 @Naga_Kyoto

「自然人類学、言語学、考古学、文化人類学」というアメリカ人類学の4区分を提唱したフランツ・ボアズは、ラッツェルらとともに“人類地理学者”として考古学に環境決定論的観点を持ち込んだという整理がされている(Clarke, 1977:2)。

2021-02-15 05:35:49
永太郎(ながたろう)/重永瞬 @Naga_Kyoto

>伝播主義者たちは、類似した物質文化を一つの文化領域(culture area)として定義し、「伝播」、「直接的接触」、「文化変容」といったキーワードで、その歴史(culture history)を再構成しようと努めた(Wheatley+Gillings, 2002:5)。 周圏論に近い議論だ

2021-02-15 05:38:25
永太郎(ながたろう)/重永瞬 @Naga_Kyoto

アメリカ考古学では、1960年代後半から70年代にかけて「定量革命」(ニュー・アーケオロジー)の動きがあり、そこではチョーリーやハゲットも参照されていたらしい。 pic.twitter.com/4q7kua5Qw0

2021-02-15 05:46:28
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永太郎(ながたろう)/重永瞬 @Naga_Kyoto

考古学理論史における時空間的思考(松本2007) (1)どのように物質文化を記録・整理し、順序付けを行ったか (2)物質文化が分布する空間をどのように認識したか (3)野外調査手法やリモートセンシング技術の発展に伴って、考古学者たちの視野(もしくは研究対象地域)がどのように拡大していったか

2021-02-15 05:49:42
永太郎(ながたろう)/重永瞬 @Naga_Kyoto

>地理学から借用したモデルの多くは、人間の主体性を奪い去ってしまっているという意味で、プロセス考古学的な“人間疎外モデル”であると言える。それらは20世紀前半の伝播主義の根底にあった“無気力な行為者”としての人間観を想起させる。 計量地理学/ポストモダン地理学と似た議論

2021-02-15 05:53:55
永太郎(ながたろう)/重永瞬 @Naga_Kyoto

読み終えた。おそらく考古学の中では傍流の議論なんだろうけど、自分の関心と重なる点が多く学史として面白い。 twitter.com/Naga_Kyoto/sta…

2021-02-15 06:00:17

ポストプロセス考古学

永太郎(ながたろう)/重永瞬 @Naga_Kyoto

>日本の考古学と分類学と地質学という畑違いの3分野がたどってきた道のりを振り返るとき,「総合的な体系化に関する一般理論の構築を脇に押しやって,もっぱら個々の事物の蒐集と記載を重視する文化的伝統」(p. 163)がこれらの分野に共通する leeswijzer.hatenadiary.com/entry/20081026… お、伝統的地誌学批判かな

2021-02-15 06:02:59
永太郎(ながたろう)/重永瞬 @Naga_Kyoto

>60年代 new archaeology, 70年代プロセス考古学,80年代ポストプロセス考古学の影響をもっとも受けなかった国が日本にほかならない. 阿子島・溝口・中尾考古学対談『ムカシのミライ:プロセス考古学×ポストプロセス考古学』 - Togetter togetter.com/li/984409 なるほど

2021-02-15 06:06:49
永太郎(ながたろう)/重永瞬 @Naga_Kyoto

やっとこの章の文脈が分かってきた twitter.com/Naga_Kyoto/sta…

2021-02-15 06:09:42
永太郎(ながたろう)@『色分け日本地図』発売中! @Naga_Kyoto

編者は哲学(納富氏)と考古学(溝口氏)の人らしい。こういう領域で考古学ってあまり見ない印象だったから意外。考古学の章は、本来時間的な幅を持って形成された遺跡を、現在の一点から見た空間的構成で以って解釈する(「共時化」)のは危険というなかなか興味をそそられる話だった。

2021-01-24 23:05:15
永太郎(ながたろう)/重永瞬 @Naga_Kyoto

これは興味深い。考古学における「空間論的転回」について。(Digital Geoarchaeologyっていう雑誌があるんですね) Spatial Analysis in Archaeology: Moving into New Territories | SpringerLink link.springer.com/chapter/10.100… twitter.com/yaskondo/statu…

2021-02-15 06:20:07
近藤康久 Yasuhisa Kondo『環境問題を〈見える化〉する』 @yaskondo

Gregory, Johnsonと来て3人目のDr. IanはHodder. ポスト・プロセス考古学の創始者にしてÇatalhöyükの再発掘隊長でもある彼の博論はなんと Spatial Analysis in Archaeology (1976, Cambridge UP)

2010-08-09 08:42:34