優しく甘い香りのする、金平糖のような黄色い花を買った。金平糖なんて言ったけれど、ふわふわとしていて可愛らしい。少し堪能したらドライフラワーにするのもいいかもしれない。逆さに吊して私の秘密の恋も良い思い出として終わりにするの。街並みから聞こえる美しい旋律と、手元の香りが心を擽った。 pic.twitter.com/1R6MpydcZD
2022-04-02 22:01:34日が傾く入相の空の下、私はバーの前にいた。深呼吸して緊張しながらドアを開けるとそこに彼はいた。バーテンダーになってたなんて。店内にはジャズピアノの旋律が流れ、ゆったりと落ち着ける。「驚いたろー、最初の一杯はサービスな」ミモザ、カクテル言葉は真心で花言葉は友情。友達甲斐のある奴だ。
2022-04-02 22:02:19春の訪れを喜ぶ鳥たちの歌声が響いていた。そのメロディを聴きながら、遠ざかりつつこちらを振り向く、恋人の背中に手を振る。やがてその姿は見えなくなり、空が赤く染まってゆく。暫しそのまま立ち尽くし、じっと待つ。ミモザの香りを纏った別の恋人が、そろそろやって来る。夕空が、暗くなっていく。 pic.twitter.com/d09kajOdok
2022-04-02 22:03:43「一般に知られているミモザは黄色い花だけど、本当はオジギソウのことなんだ」 名前はつつくと葉っぱが閉じるから。 「君に似てる花だよ」 頬が火照った。ピンク色のふわふわのお花、とっても可愛いもの。 「でも茎がトゲトゲよ」 「そうだね。きっと、誰の物にもならないように」 …貴方だけの花よ。
2022-04-02 22:05:55せめてあなたの好きなモンブランを作ろう。蒸したマロンとポテトを裏漉してクチナシを加える。入相の空の下流れる旋律は甘くよく冷えた別れ歌だ。ほんの一瞬目を離した隙に野良猫がペーストに手足を突っ込んだ。白いテーブルクロスに点々と残る黄色は手に入らなかったミモザ。花言葉は秘密の恋。
2022-04-02 22:07:11#深夜の真剣140字60分一本勝負 @140onewrite お題「ミモザ、旋律、入相の空」 参加させていただきました〜 ミモザの花言葉、西洋では「secret love(秘密の恋)」というのがあるそうですね🎶 pic.twitter.com/F5q1TvAvFw
2022-04-02 22:07:13今も懐に忍ばせてあるのはミモザの栞 「その花言葉がわかったとき、迎えに来て欲しい」 財布に入れてある新幹線の日付を確認すれば乗車時刻まであと5分 親の事情で離れても残るものがある限り絆は消えないと信じてる 入相の空が子供たちの旋律で彩られる また昔のように笑える日々がやってくる
2022-04-02 22:10:20旧校舎の中で鳴り響くふたつの音色。釣られるように走った先に聞こえた旋律の中で、私と君は出会ったよね。 旋律とは、音の長短であり、連続した変化の訪れ。あれから私達、沢山喧嘩してたくさん仲直りしたよね。楽器を奏でる中で、私達もまた、私達という音が奏でる旋律の一部になってると思えない?
2022-04-02 22:12:58入相の空が、燃えるような茜色から静寂の青へ色を変えていくと、残雪の残る山嶺もまた大きく堅固な城壁のようにその姿を変えた。星がひとつ、またひとつと瞬き、光の旋律を奏でる。まるで密やかなミモザの香りのように。#twnovel 僕は思う。あの山の向こうに、星の向こうには何があるんだろう?
2022-04-02 22:14:45いつもの公園から、今年もまた甘い香りが漂ってくる。 ミモザの音符の黄色い旋律に、笑顔とスキップを重ねて、私たちにしか奏でられないアンサンブルを。時が止まったみたいに楽しい時間を。ふたりで分けあおう。 そこに私はこっそりと、淡いピンクの花びらを添えてみるけど、気づいてくれるかな。
2022-04-02 22:16:47入相の空。 徐々に伸びる日。冷えていく世界。 空を見上げながらミモザを両手に抱える。 黄色の花。 帰れば君は今日もピアノを弾いていた。 音色が高速で叩きつけられている。 ストレス解消だねと苦笑して、 旋律が止む頃を見計らって 「ただいま」 「おかえりなさい」 俺は君にミモザを渡す。
2022-04-02 22:22:44羊飼いの子供が目を覚ますと入相の空は赤く焼けていました。もうこんな時間か。羊たちを集めなければ。見回すと、くすくすと笑い声が聞こえました。耳をすまします。ミモザの黄色い花が笑っていました。そっと近づくと一本が小さな小さな声で鼻歌を歌っています。春の旋律。暫くじっと聞き入りました。
2022-04-02 22:22:53#深夜の真剣140字60分一本勝負 @140onewrite お題 ①ミモザ ②旋律 ③入相の空 #木槿国の物語 朝鮮時代の堅気⁈女性は楽器を演奏しなかったようです。 pic.twitter.com/4GqhTavr0r
2022-04-02 22:23:28#深夜の真剣140字60分一本勝負 @140onewrite お題 ①ミモザ ②旋律 ③入相の空 200回おめでとうございます! 今回は画像にしてみました。 pic.twitter.com/i7UqPsjz3Z
2022-04-02 22:28:19早起きした達彦は、夜明け前の入相の空が広がる中を公園のほうへ足を進めていた。公園へ入ると、近くにある黄色いアカシアの大きな木に目を向けた。 ミモザとも呼ばれるその木には、まるでピアノの旋律のように美しい花が数多く咲いている。達彦は、自らが手にしたカメラでアカシアの全景を撮影した。
2022-04-02 22:32:10ミモザを使ったおいしいレアチーズケーキを出す店があるという。人間と妖精、両方を招く珍しい喫茶店だ。そのレアチーズを求めて連日通うけれど、出会えた試しがない。材料が希少で今は作れないらしい。今日はあるかと尋ねていくうちに、目的が変わっている事なんて、きっと彼女は知らないのだろう。 pic.twitter.com/TSd2dyYXdh
2022-04-02 22:38:17風の奏でる旋律がミモザを散らし、春の香りを運んでいく。男は必死に、香りを小瓶に詰めていた。「冬の国に売りに行くんです。大変貴重で高く売れます。最近太陽も勢いづいて、入相の空になるのが遅くなっているでしょう。あれはこの香りの仕業なんです」小瓶に紛れたミモザの花弁がきらきらと光る。
2022-04-02 22:42:49#深夜の真剣140字60分一本勝負 @140onewrite お題 旋律 pic.twitter.com/dB1YgesZGG
2022-04-02 22:50:58浅緑の河川敷に満開の桜並木。特等席に集まる仲間を見つけて自転車を止めた。大きなブルーシートにお弁当箱を並べたちょうどそのとき、春風が吹いて花吹雪が青空を流れた。ミモザサラダの細かく刻んだ卵黄にひとひらの花びらがそっと止まる。しばらく春色の旋律に揺られたいから、待たれよ、入相の空。
2022-04-02 22:55:01いつのまにか、入相の空を宵の風が混じり出すと、七つの子の旋律が優しく子守唄のようなオルゴールをばらまいた。その中を並んで帰るのが、どんなに幸せだったか。君がミモザの花束を僕に渡して、黙って見送ってくれてから、どのくらい経ったか。「久しぶり」都会でみた君は、大人びたミモザの魔法。
2022-04-02 23:03:44