神戸丸(7,938総トン,東亜海運)。1940(昭和15)年10月竣工、三菱長崎造船所の自動給炭機付水管缶を搭載した上海航路の貨客船。 pic.twitter.com/98ENHdLQDA
2019-05-19 11:48:43本船の使用蒸気は24kg/cm^2 375℃(缶は27kg/cm^2温度不明)で、同じく三菱長崎で3年前の1937年に竣工した、自動給炭機付水管缶搭載の大連航路の黒龍丸(7,369総トン,大阪商船)の25kg/cm^2 380℃(缶27kg/cm^2 390℃)より数値上はややおとなしい。なお、油焚の新田丸も缶27kg/cm^2 390℃である。 pic.twitter.com/wRsszQTH9T
2019-05-19 12:34:49出力11,256軸馬力/2軸(公試時過負荷)は本邦建造の自動給炭機付水管缶搭載船としては最大。もっとも、黒龍丸型(黒龍丸,鴨緑丸)2隻と本船神戸丸の計3隻しかいないのだけれど。。。
2019-05-19 12:35:42]速力は21.572ノット(公試時過負荷)と同時代の本邦商船としては高速に分類されるけれども、航路の関係上喫水を浅くする必要があって、通常復水器はタービン下部に設置するところを側面に、また推進器の直径を抑えるために高回転型としてタービンが通常二段減速のところ一段減速となっている。 pic.twitter.com/8HTHpOgo2c
2019-05-19 12:36:25黒龍丸型の推進器直径は3,650mmで156rpm/18.581kt(鴨緑丸公試時過負荷)、神戸丸の推進器直径は不明だけれども、239.3rpm/21.572kt(公試時過負荷)、199.9rpm/18.929kt(同3/4)という数字が残っている。
2019-05-19 12:40:09天山丸(3,141総トン,日本郵船)は1942(昭和17)年1月10日、中国の揚子江沿岸で鉄鉱石4,700トンを搭載し、横浜に向けて出港した。
2019-05-19 13:15:08同船はWW1時の英国戦時標準船C型(改C型)"War Tolka"で、戦後の1919年末に竣工して"Sunfield"と命名された後、1924年に近海郵船に売船され、合併に伴い日本郵船所属となっていた。 archive.hnsa.org/doc/id/oni208j… pic.twitter.com/KTWilDup4Z
2019-05-19 13:15:29明けて11日早朝、天山丸は日の出前の暗闇の中、右舷前方に船らしきものを発見。面舵一杯全速後進をかけたものの、午前5時28分衝突。無線通信から相手は東亜海運の神戸丸で、左舷に傾いて沈没しつつあることが判明する。
2019-05-19 13:19:36天山丸は衝突直後、船首楼のペイントや石油類に引火して火災を発生するが、夜明け頃には収束に向かい、食事の用意をして神戸丸遭難者の救助にかかる。一方この頃、付近を日本郵船の龍田丸が通りかかったが、同船は状況を潜水艦からの攻撃と誤解して一旦退避、後に衝突と判明してから引き返している。
2019-05-19 13:24:10衝突で折れた前マストから落ちたアンテナをなんとか張り直し、ようやく無線連絡が取れるようになった一方、排水作業を行っていたビルジポンプに鉄鉱石の粉末が詰まり、浸水量が急激に増加して天山丸も沈没の恐れが高まった。
2019-05-19 13:30:16衝突から2時間半、ついに天山丸にも総員退船の命令が下され、午前9時13分天山丸も沈没した。同船に死傷者はなかったが、神戸丸は乗組員2名を含む死者56名、行方不明者26名を出している。
2019-05-19 13:32:49