毎日SSまとめ

瀬川ミツタカ☕🖋@物語とデザインのVtuber @segawa_cafe418

隔壁が崩れ、漏出空気の風圧が増す。でもこの手は、離さない。 「離せ。2人とも死ぬ。」 「いやだ！諦めるのかよ先生…！」 「まだ分からんだろうが、お前は死んじゃならんのだ！」 再び、衝撃。 その時、手が離れた。 「…未来でまた会える。」 先生は船外へ吹き飛ばされ、見えなくなった。 #毎日SS pic.twitter.com/hSOr27RiaF

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彼は目算が甘かった。酸素も燃料も、2人には足りない。 私はもう1度深く息を吸って、そしてまた吐いた。船を強制自動操縦に切り替え、緊急脱出ボタンを押す。 次の瞬間、私は真黒い宇へと飛び出した。 弔いで志した操縦士。死に場所が父と同じなら、悪くは無いだろう。私はもう十分飛んだ。 #毎日SS

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モニタは警告で真っ赤だった。しかしなんとか航行は出来る。港まで、燃料もギリギリ保つだろう。 絶対に、2人で帰る。 あの日あの場所に先輩が来なければ、俺は生きていない。 空を華麗に飛び回る先輩に憧れて目指した操縦士。ずっと抱いてきたこの気持ちも、未だ伝えられないままだった。 #毎日SS

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貴方はツイートで『いえない一言』をお題にして140文字SSを書いてください。 #shindanmaker shindanmaker.com/375517

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照れ臭そうに笑う君を見て、私は「応援する」と言ったけれど、それはきっと本当の言葉ではなかった。 もし私が、君の幼馴染じゃ無かったなら。そう、たとえばの話。 そんな妄想に手を伸ばし、胸の奥がぎゅっと痛くなる。 それが君にバレない様に君の背中を叩いて、私はぎこちなく笑っていた。 #毎日SS pic.twitter.com/sBxLfFBciU

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中庭に強い風が吹いた瞬間、悲鳴が聞こえた。 何事かと思って振り返った顔面に激突してきた大量の書類に対して、僕はなす術もなく尻餅をついた。 「ああ、すみません…！」 次いで、慌てた女性の声。 「大丈夫。…え？」 春一番に舞って重なった、大量の書類と偶然が、僕たちの再会だった。 #毎日SS pic.twitter.com/klSQhE187i

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黒い瞳に黒い髪。どこか私に似ているその人の髪は乱れ、顔は埃や血で汚れていたが、私に向かって幸せそうな笑顔で、繰り返し同じ言葉を語りかけている。 小さい頃は怖かったのだが、すっかり彼女と同じぐらいの年になった最近は、彼女の顔を見ると不思議と落ち着いた気持ちになるのだった。 #毎日SS pic.twitter.com/ZhwIsmyj27

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ペンダントを開くと、今日も1人の女性が私に語りかける。たった数秒の立体映像記録。 昔のデジタルデータだから、もう随分と劣化してしまい、彼女が何を言っているのかは、分からなくなってしまった。 いいや元より、彼女の言葉はおろか、そもそも彼女が誰なのかも、私は知らないのだけれど。 #毎日SS

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士官学校の時からあいつは俺の憧れだった。学業優秀、品行方正、おまけに飯が美味い。ほんとうに嫌味なくらい、できたやつだった。俺には勿体無いくらいの、友人だった。 なのにあいつは戦場で死に、俺は生き延びた。 俺は今、敵国の優秀な若い命を刈る仕事をしている。 なあ、見てるか。 #毎日SS

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貴方はツイートで『嫌味なくらい、できたやつ』をお題にして140文字SSを書いてください。 #shindanmaker shindanmaker.com/375517 最近書けて無かったので…！

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隣の席に貴方はもう居ない。 ほんの些細な切っ掛けで私達の日常は綻び、生命は呆気なく潰える。 空にも海にもプロパガンダが氾濫し、今日も鉄と電子の船が私達を運ぶ。 こんな世界じゃ、悲しいとか、寂しいなんて言えない。 だって私の心には、そんな基底感情はプログラムされていないから。 #毎日SS pic.twitter.com/eiLbe7MAtP

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カウンターの上では今も、針が曲がって動かない懐中時計が、持ち主の帰りを待っている。 出会った最初から別れる最後までずっと、お調子者で口が減らず、しかしなかなか良い男だった。 唯の知り合いの女を庇って死ぬなんて、馬鹿げてると思わない？ ドア鈴が鳴った。 貴方はもう帰らない。 #毎日SS pic.twitter.com/3exasMeUjR

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「ごちそうさま。」 食後、君がいつもの様に上機嫌に食器を洗うのを背中に感じながら、窓から街の灯りを眺めては思うのだった。 「もっと、頑張るから。」 君の前では強く居ようと、あの時決めた。 気を抜くと崩れそうな自分を内側から支えてくれる君に、もう迷惑をかける訳にはいかない。 #毎日SS

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「ごちそうさま。」 部屋の中には水が流れる音と、食器同士がかちゃかちゃ当たる音だけが響いている。 「…そっか。」 私にくらい、甘えて欲しいのに。あの時から貴方は、どこかずっと気を張っている。 ねえ。1つ屋根の下で寝食を共にしても、貴方がとても遠くにいる様に感じる時があるよ。 #毎日SS

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貴方はツイートで『甘えてよ』をお題にして140文字SSを書いてください。 #shindanmaker shindanmaker.com/375517

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#約140字で紡ぐ君と僕 お題「新着メール1件」 （shindanmaker.com/375517） #140字小説 #SS名刺メーカー pic.twitter.com/DwPKav7w5K

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「おはよう。今日もご一緒出来て、嬉しいです。」 ダメだ勘違いしちゃいけない。なんて事ない一言でテンパってる場合か。 簡単に自惚れないで、いつもみたいに、空気にならなきゃ。 それでも、私を真っ直ぐな瞳で見てくれる彼と過ごす内に、胸の内の感情の渦は、日に日に大きくなっていった。 #毎日SS

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自分より他人が優先な、空気みたいな私は、自分の芯も他人との境界もあやふやで、ただ当たり障りなく穏やかに生きていければ良いと思ってた。 でも、そんな日常が突然音を立てて軋み始めた。 その音は静かだが強烈で、じわじわと私の内側を掻き回してゆく。これまで身に覚えのない様な感覚。 #毎日SS pic.twitter.com/lOgOh2FYWK

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路地裏には男女。人目を隠れて今夜も、2人。 何かが転げる音。逃げ出す野良猫。 切り結ぶ刃と刃。散る火花。 「私の命令が絶対だって、まだ分からないの？」 「てめての命を、好き勝手させるか。」 互い命の手綱を握り、彼らは笑う。意地とプライドと思惑が絡み合う、二人だけの王様ゲーム。 #毎日SS pic.twitter.com/GYdjwE5yIY

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僕らは互いの周りを廻る連星で、2人でやっと1人分。 足して割っても、1人では力無いし、それに何より寂しいから、付かず離れず互いに引き合い生きていこう。 これまでも、これから先も、どちらか片方だけでは輝くには不十分。 僕らはちょうど2人で居て初めて、広い夜空の仄かな煌めきになる。 #毎日SS pic.twitter.com/v5gBv9QPH7

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#約140字で紡ぐ君と僕 お題「憎ませてもくれない」「たった二人の世界」 （shindanmaker.com/375517） #140字小説 #SS名刺メーカー pic.twitter.com/9qeEqYSLoW

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その一言で、堪えていた感情が堰を切った濁流の様に流れ出した。その後はもう、自分でも制御出来ない。 くそ、男なら、こんな時くらい黙って泣きやがれ…！ 嗚咽と涙が止まらなかった。 「今になって、悔しくなったんだね。」 その人はずっと、感情の波が引くまで傍に寄り添ってくれていた。 #毎日SS

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貴方はツイートで『黙って泣きやがれ』をお題にして140文字SSを書いてください。 #shindanmaker shindanmaker.com/375517

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そう言いながら、次々に表示され続けるファイヤウォールの障壁を突破して、彼はシステムの深奥へと潜ってゆく。そして… 「とどめ、だ。」 彼が最後のキーを押す音が辺りに響いた。 画面を確認すると、目的のフォルダ階層まで辿り着いていた。 彼はたった1人で、この電磁要塞を落としたのだ。 #毎日SS pic.twitter.com/CVoF9edJBl

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中央システムを司るスパコンを前に、私達は最後の関門に対峙していた。但し、私はもう見ているしか出来ない。 「すごい。一体どんなカラクリで…？」 「単純だよ。全部覚えてきた。」 「覚えた？！パスワードだけでも単純計算で2万通り以上あるのよ？」 「それくらいなら、大したこと無い。」 #毎日SS pic.twitter.com/xLDrzOqCz2

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お互いの「おはよう」から「おやすみ」まで全てを飲み込んだって、きっと何処にも救いなんて無くて。 今日も地球儀は僕たちを置き去りにして有意義に廻る。 この広い色鮮やかな世界の中で、僕らはずっとふたりぼっち。 さあ、窓の外の美しさで眼を灼かれない様に、今日もカーテンを閉めよう。 #毎日SS pic.twitter.com/a9xGFFZ58s

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#約140字で紡ぐ君と僕 お題「一緒にいた影響」 （shindanmaker.com/375517） #140字小説 #SS名刺メーカー pic.twitter.com/xQuLyqay4o

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想定外に長引いた仕事がようやく終わったのは、終電間際だった。 今回もまた、君との約束を反故にしてしまった。 更衣室でコートを着て、ポケットのスマホを取り出す。 新着メッセージの通知が1件。 僕は大慌てで会社を飛び出し、白い息を吐きながら、駅への道を全力で走った。 #毎日SS pic.twitter.com/PW5PutYNha

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今宵お越しの御客人方、外套を脱いでどうぞ此方の御卓まで。 豪華絢爛、成金上等。こちらの館に集めまするは古今東西津々浦々の様々な娯楽道楽で御座います。 時の流れに目を瞑り、掛ける金子に糸目は付けず。上げたその手はどうか下さず最後まで。 さあさァそれでは、ゲエムを始めましょう。 #毎日SS pic.twitter.com/Q4Rwa9xk7W

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私はずるい女だ。 君が私に向ける眼差しが特別なものと分かっていたのに、気付かないフリをした。 君の気持ちを聞けて嬉しかった。 だけど私は、君の隣には居られない。 一際大きな煌めきが頭上で弾け、光の束が降り注いだ。 それはまるで、この世界で私達2人だけを包み込む籠の様に見えた。 #毎日SS pic.twitter.com/vD3PrDbIlo

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隣で君が、無邪気な声をあげた。 その声色は、僕を気遣っての事だろう。 この夏は多くの事があって、共に過ごした君の横顔を見ると、今も胸の奥がぐちゃぐちゃになる。いっそ、嫌いになれたなら。 僕らは見る世界が違う。 だけど目の前の花火は、世界で僕らだけが見上げているみたいだった。 #毎日SS

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貴方はツイートで『憎ませてもくれない』をお題にして140文字SSを書いてください。 #shindanmaker shindanmaker.com/375517

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家に帰ると、鍵が開いていた。 扉を開けると、玄関には脱ぎ散らかされた靴。 リビングは灯りが点いて、TVの音声が漏れ聞こえて来る。 家のそこここに君の気配を感じながら、奥に向かって声を掛ける。 「ただいま。」 思えば帰宅後にこうやって挨拶をするのも、ようやく慣れてきた。 #毎日SS pic.twitter.com/AaSgVtcSOT

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「おーい、起きろぉー！」 今日も今日とて、騒がしい声で目が覚めた。ついで、ドタバタと階段を登ってくる足音。 「もう。何回言わせるの！」 「うるっせえなあ…。」 幼馴染のこいつが、両親の都合だでいきなりウチに転がり込んできてからと言うものの、俺の穏やかだった日常は崩壊寸前だ。 #毎日SS pic.twitter.com/uutLfdRxHP

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君の顔を見ると意地悪したくなってしまう。 目の前で私が、君の大好きなモノを食べる姿を、君はただ見ている事しか出来ない。 私は知ってる。これ、大好きだよね。食べたいのに悲しいね。 物欲しそうな表情の君を見て、私は背筋を這い登る感覚に口角を歪めてしまう。 これは、歪んだ関係だ。 #毎日SS pic.twitter.com/wtsnxXpoV2

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普段より空いた境内を鳥居に向かって歩きながら、君が聞いてきた。 「ねえ、何お願いした？」 「別に、普通に今年も良い年になります様に、って…」 「ふーん。」 「何だよ。」 「別に。」 「…そう言うそっちは。」 「教えなーい。」 「なんだそれ。」 …そんな事、言える訳が無い。 #毎日SS

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貴方はTwitter で『言えるわけがない』をお題にして140文字SSを書いてください。 #shindanmaker shindanmaker.com/375517 新年一発目。

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群れにはルールがある。 それは陸に近づかないこと。 陸に近づくと、網が降ってきて連れ去られてしまう。そしたら最後、2度と帰っては来られない。 群れがざわめき立った。 大網だ。 散らばり、逃げ惑う仲間たち。 僕はなんとか網を躱し続ける。 仲間を、兄弟を返せ。 これ以上僕らから何も奪うな！ pic.twitter.com/IqGTX8NZdN

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頬を掠める水が冷たくなってくると、僕達は南の生まれ故郷へと向かう。しかし、それは過酷な旅路だ。 兄弟の殆どは、再び故郷を見る事は無い。大型種の捕食や乱れた流れ、食料不足など、僕らにとって周囲の環境はただでさえ厳しい。 そんな中でも僕らは、銀色の大きな渦を描いて、道を進む。 #毎日SS

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それは、私がこの世界を覆う歪な真実に触れる旅路のほんの1歩目に過ぎなかった。 あれから幾年が過ぎただろう。私は今や編集長となり、アンドロイドの部下達が日々回収してくる「原稿」を取り纏めている。 今や世界のエンタメは、7機のAI巨匠が回している。これもまた、民間人の素知らぬ事。 #毎日SS

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俄かに信じ難かった。 編集長が、私だけにとひっそり教えてくれた事実。私達が務めるこの出版社に存在する、とある緘口令。 毎年メガヒット作を執筆し続ける気鋭の作家が、実は存在しないと言うこと。それもゴーストライターですらない。 今年の文学賞を取ったのは、他ならぬAIだというのだ。 #毎日SS

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貴方はツイートで『箝口令』をお題にして140文字SSを書いてください。 #shindanmaker shindanmaker.com/375517 かんこうれい　こんな当て字あるのか。

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およそ100年前、突如として現れたその技術。それは様々な恩恵をもたらしたが、突出した技術には功と罪が付き物だ。 真っ先に影響を受けた娯楽物は瞬く間に形を変えた。歪に変容した「それ」の刺激は砂糖菓子の様に甘く、人類はたちまちそれまで見せなかった醜悪な本性を曝け出す事になった。 #毎日SS pic.twitter.com/f9x2S1VMbh

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去年も、イヴの夜は仕事が忙しいと言って彼とは会えなかった。 典型的な恋人よりも仕事、で呆れたけど、翌日私が欲しいと言っていたプレゼントを持って来てくれたから、特別に許してあげる事にした。 今年も、今日は夜まで仕事らしい。 私の恋人は、ひょっとしてサンタクロースだったりして。 #毎日SS

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今年は珍しく、雪となった。 一緒に居られず不貞腐れる彼女には謝り倒してきたが、今夜は大事な仕事だ。 屋上ではトナカイ達が意気揚々と待ち構えている。コートの襟を立てつつ彼らを撫で、僕はソリに乗り込む。 年に1度、僕は世界中にプレゼントを届けて周る。 僕の仕事は、サンタクロース。 #毎日SS

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「特例申請がこんなに？一体どう言う事だ。」 珍しく局長が声を挙げた。 「すみません、今年になって申請が急増してて。処理できない分は特例で、とお上から。」 「好き勝手言いやがって。で、そもそもの理由は？」 「なんでも流行り病だとか…」 局地の顔が曇る。 「…なるほどな。100年振り、か。」 pic.twitter.com/SJZ4LXnh8O

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丘の上に建つ最も高い塔の突端。ここから見える景色は、私しか知らない。 まるでこの世界の全てをこの手に収めた様な気分にさせてくれるここに来るのが、私の日課だ。 真っ白な灰が空を覆い、真っ黒な雨が降ったあの日から、私はずっと、自分に指令をくれる主人の帰りをここで待っている。 #毎日SS pic.twitter.com/KmeY5bTdqJ

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「ねえ、その命自ら捨てるなら、君の心臓を僕に頂戴？」 全てを投げ出そうとしたあの夜、彼と出会った。 「さあ、これで冥府との契約が完了さ。」 私の身体を渦巻く闇が覆い隠した。 「今日から君は、地獄少女だよ！閻魔も杓子も恐れなす、地獄少女のお通りだ！」 私はゆっくりと眼を開いた。 #毎日SS pic.twitter.com/yxJvu9cVOW

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貴女は僕がそう言うとちょっと黙って、そして意地悪そうに微笑んだ。 「やっぱ私の事好きなんでしょ。」 「そんな事ないですよ。」 「嘘ばっかり。」 「…本気にしたんですか？」 「はいはい。知ってる知ってる。」 「ほら本気にしたんだ。」 「もう！」 頭上には、満月が明るく輝いている。 #毎日SS pic.twitter.com/mxKyiDqh0A

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あの日、気持ちを伝えた後も、君は変わらず接してくれた。僕と周囲を気遣った、君なりの少し大人な配慮。 以前と変わらない、いつもの二人の帰り道。何とは無い話でも、君は笑ってくれる。 「やっぱ良く分かってんねー。」 その優しさでさえ今は辛いけれど、僕はそれを必死に隠そうとした。 #毎日SS