吉本隆明 共同幻想論 100分de名著 NHK 伊集院光
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減るヤスミ @hel_yasumi

今月の「100分de名著」は、吉本隆明の「共同幻想論」。その初回を録画したので視聴する📺 まずは序文から、といったところ。詩人としての活動も紹介され、個人幻想、対幻想、共同幻想のうちの「個人幻想」から触れていたか。かつての軍国少年は、戦後の民主化という世間の転向に、大いに戸惑うのだった

2020-07-07 22:12:56
減るヤスミ @hel_yasumi

100分de名著『共同幻想論』の第2回は、個人幻想・対幻想・共同幻想のうちの「対幻想」を取り上げた。対幻想とはエロス的関係であり、吉本は古事記に於ける天照と須佐男の姉弟の誓約(うけい)に、それを見た。人と人との関係から生まれる嫉妬、好悪、尊敬、嫌悪といった非合理なものが、国家の出発点だと

2020-07-15 18:17:28
減るヤスミ @hel_yasumi

100分de名著『共同幻想論』第3回は「罪責論」についての考察。対幻想(擬似性的関係)から共同幻想(国家)へ至る過程での、「刑法」の誕生と成り立ち。その始原である「罪(倫理)の意識」を、吉本はやはり神話から読み取った。例えば古事記での、天照が天の岩戸に隠れる原因となった、須佐男の狼藉などから

2020-07-21 23:26:16
減るヤスミ @hel_yasumi

須佐男=原始農耕共同体、天照=大和朝廷 と象徴される。須佐男は父イザナギから海原の統治を命ぜられたが、それに反発し、姉天照の治める高天原で狼藉を働いた。これは農耕民であった須佐男が、もっと基本的な漁労採集社会への出向の命に背いたということ。それは、国家成立過程での一つの史実か🤔

2020-07-22 00:05:44
減るヤスミ @hel_yasumi

須佐男は裁かれた。髭を抜かれ、両手の爪を全て剥がされて。そこから読み取れるのは、やはり大和朝廷による巧妙な支配か。支配者たる大和朝廷が負うべき「原罪」を、植民地化された農耕民に押し付けている構造。それは国家統一への「共同幻想」の一つとなったか。

2020-07-22 00:22:57
減るヤスミ @hel_yasumi

100分de名著「吉本隆明 共同幻想論」第4回を観る。吉本が唱えた個人幻想・対幻想・共同幻想のうちの「個人幻想」についてが主題であったシリーズ最終回。国や社会全体による「共同幻想」、それに対抗し得る理想の「個人幻想(自分一人が見る幻想)」とは何か? 吉本は自立する大衆の姿にその可能性を見た

2020-07-29 21:21:28
減るヤスミ @hel_yasumi

吉本は「巫覡(かんなぎ)論」の中で、芥川龍之介の私小説的作品「歯車」と、遠野物語の一節を取り上げ比較する。歯車は、ある小説家が自身の霊「ドッペルゲンガー」の噂を耳にし、死の幻想に捕らわれるという内容。一方の遠野物語の一節は、三途の川越しに死んだ母親に招かれたという青年の話。

2020-07-29 21:28:50
減るヤスミ @hel_yasumi

二つの物語は、自らの魂が離れ、分身が現れるという点で共通する。しかし遠野物語の主人公である村人の青年は、村落の共同幻想(仏教的な三途の川等)を共有するが、一方の「歯車」の主人公は都会人であり、帰るべき幻想はない。そんな芥川の私小説的作品に、彼の自死が重なる。それは暴走する個人幻想。

2020-07-29 21:38:47
減るヤスミ @hel_yasumi

そんな二つの話から、個人幻想は、共同幻想に対し「逆立」(=抵抗) し得るのではないか、と吉本。そして大衆のあり方に、個人幻想のモデルを探り出そうとする。そこで生み出されたのが「沈黙の意味性」なる言葉。それは、生活者として普段黙々と働く人々(大衆)の姿をイメージすれば良いか。

2020-07-29 21:52:32
減るヤスミ @hel_yasumi

大衆が生活の中で持つ、又ふと感じる違和感を、吉本は「裂け目」と呼んだ。それは生きるヒントであり、ある種の気付き。それを自立する為の根拠にせよと説いた。そして、続いて吉本が紹介した著作は、夏目漱石の随筆「思い出す事など」。そこからの、回向院で観た相撲観戦のくだりだった。

2020-07-29 22:05:53
減るヤスミ @hel_yasumi

漱石は、がっぷり四つに組み合う力士たちの姿を観て、それに人生を重ねた。そして人の生活の営みは、相撲の取り組みのように苦しいものだと語った。そんな漱石の文章に、吉本は「大衆の現像」を見たのだ。大衆の実なる姿を。そして番組では、再び「裂け目」に関しての吉本の言葉(講演録)を紹介する。

2020-07-29 22:20:01
減るヤスミ @hel_yasumi

(一部抜粋)「平穏な生活のなか自体にも極めて鋭い亀裂というものがある。その亀裂を眺め持つというような眼というものを養うこと」の必要性を、吉本は語っていた。 以降、番組は締めに入る。

2020-07-29 22:27:16
減るヤスミ @hel_yasumi

司会の伊集院光。昨今のSNS炎上案件を例に、個人アカウントへの「死ね」等の多数の罵声を「共同幻想」、それに対するアカウント主他、個々の「それは違うのでは?」という意見を「個人幻想」とする捉え方。又、コロナ禍によって「裂け目」を見る機会が増えてきたことも指摘。とても興味深かったです。

2020-07-29 22:39:52
減るヤスミ @hel_yasumi

普通に食事に行ったり、ライヴを観に行ったり。そして仕事をしたり、人と会ったり、遊んだりすること。それらが実は薄氷を踏むようなものであったと気付かされたのが2020年。「共同幻想論」をきっかけに気付かされることは、まだまだ多いですね😊

2020-07-29 22:54:14
減るヤスミ @hel_yasumi

今月の「100分de名著」は、吉本隆明の「共同幻想論」。その初回を録画したので視聴する📺 まずは序文から、といったところ。詩人としての活動も紹介され、個人幻想、対幻想、共同幻想のうちの「個人幻想」から触れていたか。かつての軍国少年は、戦後の民主化という世間の転向に、大いに戸惑うのだった

2020-07-07 22:12:56
減るヤスミ @hel_yasumi

100分de名著『共同幻想論』の第2回は、個人幻想・対幻想・共同幻想のうちの「対幻想」を取り上げた。対幻想とはエロス的関係であり、吉本は古事記に於ける天照と須佐男の姉弟の誓約(うけい)に、それを見た。人と人との関係から生まれる嫉妬、好悪、尊敬、嫌悪といった非合理なものが、国家の出発点だと

2020-07-15 18:17:28
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100分de名著『共同幻想論』第3回は「罪責論」についての考察。対幻想(擬似性的関係)から共同幻想(国家)へ至る過程での、「刑法」の誕生と成り立ち。その始原である「罪(倫理)の意識」を、吉本はやはり神話から読み取った。例えば古事記での、天照が天の岩戸に隠れる原因となった、須佐男の狼藉などから

2020-07-21 23:26:16
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須佐男=原始農耕共同体、天照=大和朝廷 と象徴される。須佐男は父イザナギから海原の統治を命ぜられたが、それに反発し、姉天照の治める高天原で狼藉を働いた。これは農耕民であった須佐男が、もっと基本的な漁労採集社会への出向の命に背いたということ。それは、国家成立過程での一つの史実か🤔

2020-07-22 00:05:44
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須佐男は裁かれた。髭を抜かれ、両手の爪を全て剥がされて。そこから読み取れるのは、やはり大和朝廷による巧妙な支配か。支配者たる大和朝廷が負うべき「原罪」を、植民地化された農耕民に押し付けている構造。それは国家統一への「共同幻想」の一つとなったか。

2020-07-22 00:22:57
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100分de名著「吉本隆明 共同幻想論」第4回を観る。吉本が唱えた個人幻想・対幻想・共同幻想のうちの「個人幻想」についてが主題であったシリーズ最終回。国や社会全体による「共同幻想」、それに対抗し得る理想の「個人幻想(自分一人が見る幻想)」とは何か? 吉本は自立する大衆の姿にその可能性を見た

2020-07-29 21:21:28
減るヤスミ @hel_yasumi

吉本は「巫覡(かんなぎ)論」の中で、芥川龍之介の私小説的作品「歯車」と、遠野物語の一節を取り上げ比較する。歯車は、ある小説家が自身の霊「ドッペルゲンガー」の噂を耳にし、死の幻想に捕らわれるという内容。一方の遠野物語の一節は、三途の川越しに死んだ母親に招かれたという青年の話。

2020-07-29 21:28:50
減るヤスミ @hel_yasumi

二つの物語は、自らの魂が離れ、分身が現れるという点で共通する。しかし遠野物語の主人公である村人の青年は、村落の共同幻想(仏教的な三途の川等)を共有するが、一方の「歯車」の主人公は都会人であり、帰るべき幻想はない。そんな芥川の私小説的作品に、彼の自死が重なる。それは暴走する個人幻想。

2020-07-29 21:38:47
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そんな二つの話から、個人幻想は、共同幻想に対し「逆立」(=抵抗) し得るのではないか、と吉本。そして大衆のあり方に、個人幻想のモデルを探り出そうとする。そこで生み出されたのが「沈黙の意味性」なる言葉。それは、生活者として普段黙々と働く人々(大衆)の姿をイメージすれば良いか。

2020-07-29 21:52:32
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大衆が生活の中で持つ、又ふと感じる違和感を、吉本は「裂け目」と呼んだ。それは生きるヒントであり、ある種の気付き。それを自立する為の根拠にせよと説いた。そして、続いて吉本が紹介した著作は、夏目漱石の随筆「思い出す事など」。そこからの、回向院で観た相撲観戦のくだりだった。

2020-07-29 22:05:53
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漱石は、がっぷり四つに組み合う力士たちの姿を観て、それに人生を重ねた。そして人の生活の営みは、相撲の取り組みのように苦しいものだと語った。そんな漱石の文章に、吉本は「大衆の現像」を見たのだ。大衆の実なる姿を。そして番組では、再び「裂け目」に関しての吉本の言葉(講演録)を紹介する。

2020-07-29 22:20:01
減るヤスミ @hel_yasumi

(一部抜粋)「平穏な生活のなか自体にも極めて鋭い亀裂というものがある。その亀裂を眺め持つというような眼というものを養うこと」の必要性を、吉本は語っていた。 以降、番組は締めに入る。

2020-07-29 22:27:16
減るヤスミ @hel_yasumi

司会の伊集院光。昨今のSNS炎上案件を例に、個人アカウントへの「死ね」等の多数の罵声を「共同幻想」、それに対するアカウント主他、個々の「それは違うのでは?」という意見を「個人幻想」とする捉え方。又、コロナ禍によって「裂け目」を見る機会が増えてきたことも指摘。とても興味深かったです。

2020-07-29 22:39:52
減るヤスミ @hel_yasumi

普通に食事に行ったり、ライヴを観に行ったり。そして仕事をしたり、人と会ったり、遊んだりすること。それらが実は薄氷を踏むようなものであったと気付かされたのが2020年。「共同幻想論」をきっかけに気付かされることは、まだまだ多いですね😊

2020-07-29 22:54:14
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減るヤスミ @hel_yasumi

空気の底、無数に飛び交う信号。日々の雑記ですよ。