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『その着せ替え人形〔ビスクドール〕は恋をする』と『2.5次元の誘惑〔リリサ〕』の、オタク文化に関する公共的評価(public image)の置き方の違いが、どちらもその選択結果に応じて味を出してるのではないか、という話のメモです。
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tricken@CCSコンボ @tricken

『着せ恋』と『2.5次元の誘惑』(ところで2.5次元の誘惑、いい略し方が実はないな?)の違いはどこだろうと考えていた。着せ恋の五条くんが「雛人形オタク」ではあっても「サブカルのオタクの公共性」を別に背負っていない(そして登場人物の誰も背負っていない)ことが読み味の違いになってるか。

2022-03-26 10:44:41
tricken@CCSコンボ @tricken

『2.5次元の誘惑』(略はリリサでいいや)は、「すけべなものを含む文化を愛好するオタクは社会からどう見られているか」というスティグマ性を登場人物が多かれ少なかれ共有して、それを少しでも良い方向に持っていこうと言う意志を持ってるのだが、『着せ恋』側は特にそう言う連帯を前提としない。

2022-03-26 10:46:41
tricken@CCSコンボ @tricken

連帯する/しないは、それだけでは作品の良し悪しには関わらない。ただ、『リリサ』の方ではそれが拡張して「人からどう“公共的に”評価され、絶望してしまうか」という話が、各編ごとに繰り返し語られ、それが初コミケ編や文化祭編でスケールアップし続けてるので、連帯経由の自尊心が重要。

2022-03-26 10:51:06
tricken@CCSコンボ @tricken

対する着せ恋は、「オタクのpublic image を特に背負わない」ことにより、その公共性の有無を抜きにしても残る「私にとって、あなたが、私の好きなものをどう思うか」という、焦点の定まったやりとり(focused interaction/sanction)を巡って攻防が起こる。「綺麗だ」「似合う/似合わない」が前に出る

2022-03-26 10:54:24
tricken@CCSコンボ @tricken

着せ恋において、コスプレ文化と雛人形文化は、隠れた共通点をもちつつ(ここが作劇の慧眼である)public imageはそれぞれ異なる。初期の五条は誇りを自足しきれないでいるが、喜多川は自己肯定感を持っているギャル系キャラクターとして設定されている。属する文化を軸足に自尊する話ではないのだ。

2022-03-26 10:58:55
tricken@CCSコンボ @tricken

しかしだからこそ乾姉妹の妹に関して「こんな体型だけど、姉の好きな作品の男性のコスプレをしたい」という話が主題にできる。「自分自身の身体」と「姉との関係性」というfocusedな、直接指差せるところにある自信喪失と自尊獲得に向けた挑戦というストーリーアークが生まれる。

2022-03-26 11:03:17
tricken@CCSコンボ @tricken

他からみてしばしば羨まれそうな豊満な体型の女性が憧れるのは、すらっとした男性の異性装(トランスヴェスタイト)だった……という話は、『リリサ』ではののぴなどが一部持っていた主題ではあるけど、主線にはなっていない。自尊心のどのスケールにカメラの照準を合わせるかという点で差異がある。

2022-03-26 11:05:41
tricken@CCSコンボ @tricken

あとはまあ、コスプレ技術に関する主人公(たち)の差異も当然あって、 五条: する{衣装製作,化粧等スタイリング,取材}/しない{専門的撮影},マネジメント} 奥村: する{専門的撮影,取材,マネジメント,組織運営}/しない{衣装製作,化粧等スタイリング} 奥村チームの場合は天乃が実質五条ポジ。

2022-03-26 11:10:46
tricken@CCSコンボ @tricken

『着せ恋』がオタクのpublic imageを特に気負って背負わないからこそ乾妹の異性装エピソードは輝いたし、『リリサ』がオタクのパブリックイメージを敢えて背負い続けているからこそ、アリア父・まりな・夜姫がその公共性の呪縛から解放されるカタルシスが際立つのだった。どちらも主題を昇華している。

2022-03-26 11:14:04
tricken@CCSコンボ @tricken

というコスプレマンガ比較寸評でした。

2022-03-26 11:15:25