第141回深夜の真剣140字60分一本勝負

ケンタシノリ＠童話＆小説書き屋さん @kentasinori

銀杏の木の下で、与助はおさいに一途な愛を伝えようと口を開いた。 「身分差があろうとも、俺が愛するのはあなただけだ」 「与助さん……」 「ああ、ずっと愛してるよ」 下級武士と町人の娘という許されざる恋にも、決して揺らぐことはない。身分を捨ててでも、与助はおさいとの愛を貫き通す所存だ。

夢夜 @ruya_reve

有名な戯曲に出てくる『サロメ』が聖書に出てくる『サロメ』とどうしても結びつかない。 洗礼者ヨハネの首を求めた事実は同じでも、自分のために求めたのか、それとも母に唆されたのかでは大きく違う。 ──ミス・サロメ、どちらが本当のあなた？ 答えのない問いかけが、夜の闇に溶けて消えた。

さつき @colourkkr

初夏に見上げる銀杏の木の美しさを教えてくれたのも、冬の桜並木に春の足音を示してくれたのもあなたでした。私に素敵なものを教えてくれたのはいつだってあなたで、私にとって大切なものもいつだってあなただけ。だから、あなたを手に入れられるなら、それがどんな形であっても私は構わなかったのよ。

RAY/※※※ @growler_ray

あなただけ。なんて軽々しく言っていい言葉じゃない。この世界に無数にいる出会いの中、たった一人に絞るこの言葉を簡単な使う人は、信頼を損なうとわかっていない。 こんな持論を展開してるからか、私の周りに人はいない。正しいと思ってるんだけどなぁ。 ……ねぇ、あなただけは分かってくれるよね？

牛乳はうまい @aicocco78

#深夜の真剣140字60分一本勝負 (@140onewrite ) お題①ミス・サロメ 　　②あなただけ 　　③銀杏の木 pic.twitter.com/KbbQgXzZUr

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から子 @krk_writes

初参加です。よろしくお願いします。 #深夜の真剣140字60分一本勝負 @140onewrite お題:あなただけ pic.twitter.com/vYcU4cu7Lf

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掃き溜めに鶴 @hakidamenoturu

死神は鎌を置いた。仕方がなかった。戯曲"サロメ"が流行して以降、首を刎ねたものは皆一様にミス・サロメのパクリとみなされるからだ。先に首を刎ね始めたのは死神だが、そんな事などお構いなしだ。それ以来、死神は生者に自分を目撃させ、絵にも描かれるようになった。何かのパクリと言われぬように。

ゆらり🪶•*¨*•.¸¸♬︎ @yurariuta

銀杏の木の下で あなたと手を繋いで 澄んだ空を見上げる この手を離す日が いつか来るかもしれない そう思うと涙が零れた あなただけが本当の私を 見つけてくれた 出来ることなら このまま離れたくない だけどあなたの未来も大事 迷う私の心を読み取ったあなた 僕は後悔しないと 抱きしめてくれた

花滝ちかる @chikaru_toka

「俺は、残酷な人間です。だから、俺の周りには誰も残らなかった」 貴女だけだった。俺を憎まなかったのも、恨まなかったのも、見捨てなかったのも。 「だって、貴方の隣で私は幸せだもの」 貴女の笑顔は、俺には眩しすぎる。 でも、もう気付いていた。 手放すには、腕の中の温もりは、愛おしすぎる。

.sei（セイ） @sei58340

私はきっとミス・サロメ。銀杏の木の下で眠るあなただけがこの唇の温度を知ってるのよ。パパが言ったわ。「欲しいものは必ず手に入れなさい」って。一目見た時に「運命だ」って分かったのよ。それなのにパパったら私とあなたを遠ざけようとするんだもの。他の人に知られることはないわ。そう、永遠に。

KTQ @wholiveo

わたしのあなた。ひとつになりたいと願い、銀杏の樹に背中合わせの一体となった、わたしだけのあなた。このまま出会えないのなら、この遠い体をふたつに引き裂いて、もう一度キスをしたい…例えミス・サロメのようででも。その時、あなたはわたしを向いてくれる？　あなただけの、わたしだけのあなた。

ゆきやまイマ＠鶏林書笈 @keirin_syokyu

#深夜の真剣140字60分一本勝負 @140onewrite お題： ①ミス・サロメ ②あなただけ ③銀杏の木 ＃木槿国の物語 於宇同、ご存知の方いますか〜。 pic.twitter.com/C0VPwWrZ0J

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掃き溜めに鶴 @hakidamenoturu

甘く囁く秋風を、銀杏の木は冷たくあしらう。秋風は別れの象徴だとして忌み嫌われる身を嘆き、地上を舞う。すると、ぼとりと首のように大きな銀杏が落ちた。秋風は銀杏に口付けをして「あなただけです」と恋を囁く。銀杏は返事をしない。それで良かった。昔から、沈黙は肯定とみなされるものだから。

田原 あすか @Earth13304453

この下で告白すれば叶うという、銀杏の木のもとに蹲っていようか。昔やったみたいに、銀杏の葉を集めてブーケにして、それで貴女を待とう。「あー、赤っ鼻おじさんまた来てるー」「おじさーん、今日はどんな話ー？」「じゃあ、今日はな……」 今日もここで話しながら、貴女の迎えだけを、待っている。

秋月蓮華 @akirenge

「あなただけだったわ。真実にたどり着いたのは」 銀杏の木の下で出迎えられた探偵の女性は、 穏やかな女性に話しかけられる。 「ミス・サロメ」 連続殺人犯。何人も彼女が殺した。 彼女の魅了された男が彼女の願い通りに殺し、 彼女は。 「私が殺したわ。あの人を」 彼女は一番大事な人を殺した。